モリスルビー22SR0035

 

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モリスルビー22SR0035

カラット 0.20ct
Origin(産地) Myanmar
Quality(品質) Gem
Size(サイズ) 3.4/2.9/2.3

ルビーの特徴

ほんの少し褐色を帯びた色調と高い透明度の結晶の中に、スタッビィ状結晶インクルージョン(カルシウムの結晶)が内包された天然無処理で美しいミャンマー産ルビーは、中北部シャン州の山々に囲まれた山岳地帯にあるルビー鉱山モゴック(Mogok)で発掘されました。普段は、モリス銀座店でいるミヨテがヤンゴンに入り、モリスルビーを20年研磨している職人ゾーミンチョーが、結晶の生地を大切に少しずつラウンド型のミックスドカットに磨きました。サイズは縦3.4㎜/横2.9㎜/深さ2.3㎜、重さは0.20ctに仕上がりました。記事を大切にしながらもとても良いプロポーションに磨き上げるところは、熟練工の匠の技です。このルビーを宝石品質判定のクオリティスケール上で見た場合、美しさは「A」輝きがあり美しいもの、色の濃淡は「#5」、品質を3つのゾーンに分けるとGQジャムクオリティ(最高品質)です。そして顕微鏡でルビーの内なる世界を覗くと、クリアな結晶の中に浮かぶカルシウムの結晶と思われるインクルージョン、そして、モゴック産ルビーの特徴的な糖蜜状組織(水と蜂蜜を混ぜたときに現われる密度の違いが生み出す模様)が見えてきます。仕事柄、普段からミャンマー産ルビーのインクルージョンをよく観るのですが、その特徴は、ほかの産地とはかなり違います。ルビーは、玄武岩、広域変成岩、接触変成岩を母岩として結晶しますが、ミャンマー産ルビーは、接触変成岩起源です。太古に海底だった地層に堆積したカルシウム分(太古に生きた生命のカルシウム)は、長い時を経て海底で堆積岩になります。学校で使うチョークは、堆積岩を切り出したものですが、約9000年前に南極を離れ北上したインドが、その堆積岩を北へ北へと押し上げてきます。今から4~5000万年前にユーラシア大陸に衝突しながら、インドプレートはユーラシアプレートの下へ潜り込むような形でマントルへ吸い込まれていきます。ちょうど地下40㎞あたりまで沈み込んだ時に地下から上がってくる溶岩と接触し、そのカルシウムは大理石(マーブルストーン)になります。その環境下で結晶したのがミャンマー産ルビーです。ルビーは、有機物起源の宝石ではありませんが、なぜか宝石言葉は「生命力」「情熱」「護符」「愛情」「権力」など、命に関係する言葉ばかりなのも、ひょっとしたら古代人は感じていたのかも知れません。

ルビーの内包物

天然ルビーは、自然の恵みであり唯一無二の個性を持っています。それぞれの結晶の中に内包されるインクルージョンはそのルビーの個性を表します。またこのインクルージョンは、原産地、処理の有無を判定する際の重要な手がかりとなります。

この記事を書いた人

森孝仁

株式会社モリス 代表取締役社長

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