モリスルビー23MKMR016

 

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モリスルビー23MKMR016

カラット 0.78ct
Origin(産地) Myanmar
Quality(品質) Gem
Size(サイズ) 5.3/4.7/3.5

ルビーの特徴

ほんの少し緑色が混ざることで褐色味が出てきて、ルビーとしてはコクのある色になることがあるミャンマー産ルビーに時々見られる色調で、重みのある高級品の雰囲気が出ています。この重厚感のある雰囲気は、「密度が高い結晶」という感じがします。(密度が高く感じられるという表現の話で、実際の比重は同じだと思いますが…)ミャンマー中北部の中山間地域にあるモゴック(Mogok)ルビー鉱山で産出された原石をヤンゴンでオーバル型のミックスドカットに磨きました。サイズは、縦5.3㎜/横4.7㎜/深さ3.5㎜、重さは0.78ct、大きくはありませんが見た目よりも重さがあり、どっしりとした感じがします。そしてこのルビーを宝石品質判定のクオリティスケール上で見た場合、美しさは「A」輝きがあり美しいもの、色の濃淡は「#5.5」、大きさを考えるとベストな濃淡だと思います。そしてこの品質クオリティスケールを3つのゾーンに区切ってみた場合、当然ですが、GQジェムクオリティ(最高品質)の枠に入ります。顕微鏡で拡大したインクルージョンの写真をご覧いただきたいのですが、はちみつを水の中に溶かした時に密度の違うものが混ざり合ったときの姿によく似ていることから「糖蜜状組織」とよばれる不思議な景色が広がりますが、まだ正確には正体が分かっていません。私個人的な意見としては、ルビーを赤くするクロム(Cr)が関係していると思いますが、その理由は同じ鉱物コランダム(Al²O³)で同じ産地のブルーサファイアの中にこの糖蜜状組織を見たことは1度もないからです。先日、諏訪貿易の諏訪会長のご紹介で、愛知大学の地球惑星科学の博士でいらっしゃる西本教授に質問させていただくチャンスがあったのですが、その時にミャンマー産ルビーが結晶する環境「接触変成岩は、マグマの高い熱で変成作用が起こる、そして地下深くにあるマグマにはクロムが多い」と説明をいただきました。鉱山へ出向いて事実を確かめられる現場主義の西本教授は、「研究室にいても何も分かりませんよ、まだまだこれから発見されていくことばかりです。宝石は私たちより遥かに古い時からあるのですから…全部分かるわけないじゃないですか」とお話しいただきました。すべて分かっている…という雰囲気で話される学者さんが多い中、大自然と向き合って研究される西本教授の言葉に感動しながら、この小さな結晶インクルージョンがルビーのスピネルなのか?カルサイトなのか?小さなインクルージョンが地球の歴史を紐解く情報のカプセルに思えてきます。

ルビーの内包物

天然ルビーは、自然の恵みであり唯一無二の個性を持っています。それぞれの結晶の中に内包されるインクルージョンはそのルビーの個性を表します。またこのインクルージョンは、原産地、処理の有無を判定する際の重要な手がかりとなります。

この記事を書いた人

森孝仁

株式会社モリス 代表取締役社長

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