モリスルビー14FY0016
カラット 0.31ct
Origin(産地) Myanmar
Size(サイズ) 3.9/3.1/2.9
ルビーの特徴
キレイなオーバル型(3時方向に少し生地不足はありますが…エクボのようなものです)、赤の色調がしっかり出ており、彩度の高い天然無処理で美しいミャンマー産ルビーは、中北部にありピジョンブラッドルビーを産出することで知られるモゴック(Mogok)鉱山で産出された原石をオーバル(楕円形)型ミックスドカット(クラウン側をブリリアントカット、パビリオン側にステップカットをつけた混合のスタイルでルビーでは一番多い形)に磨きました。サイズは、縦3.9㎜/横3.1㎜/深さ2.9㎜、縦横の寸法に対して、少し深さが大きい印象がありますが、結果的に深みのある色になっているので、個性としてとらえた方が良いと思います。重さは0.31ctと大きくはありませんが存在感が充分にあります。ペンダントトップのワンポイントやネックレスに複数ルビーをつけたりするスタイルにピッタリだと思います。ルビーが複数個着いた歴史的なアンティークジュエリーを観て行くと、サイズはもちろんですが、品質も驚くようなものがたくさんあります。産出が少なくなった昨今、天然無処理で美しいミャンマー産ルビーを複数個、色を合わせてセッティングするのは至難の業です。ダイヤモンドで装飾された圧倒的な姿は、昨年、東京上野の国立科学博物館、名古屋市科学館で開催された特別展「宝石…地球がうみだすキセキ」の第五章でご覧になられた方も多いと思いますが、その時に用いられているルビーのほとんどが、このルビーと同じ水準の品質でした。その当時の国を代表するような人々が着けたジュエリーに使われるレベルだということです。その品質は、宝石品質判定のクオリティスケール上でみた場合、美しさ「B」美しいもの、色の濃淡は「#4.5」、品質をGQ/JQ/AQの3つのゾーンに分けた場合、JQジュエリークオリティ(高品質)です。JQよりも品質の高いGQジェムクオリティは、ショーメの蝶の形のブローチに使われていたり、イタリア最後の王妃、マリアジョゼのリングでした。その他はJQだったことを鑑みても、品質の高いルビーの希少性が分かります。天然無処理で美しいミャンマー産ルビーの場合は、ジュエリークオリティに出会えるだけでもすごいことで、相撲でいう横綱クラスです。
ルビーの内包物
天然ルビーは、自然の恵みであり唯一無二の個性を持っています。それぞれの結晶の中に内包されるインクルージョンはそのルビーの個性を表します。またこのインクルージョンは、原産地、処理の有無を判定する際の重要な手がかりとなります。
この記事を書いた人
森孝仁
株式会社モリス 代表取締役社長