モリスルビー23MKSR005

 

Contents

モリスルビー23MKSR005

カラット 1.29ct
Origin(産地) Myanmar
Size(サイズ) 6.3/7.0/3.8

ルビーの特徴

おにぎりのような形が特徴的な天然無処理で美しいミャンマー産ルビーは、中北部の中山間地域にある世界的に有名なルビー鉱山モゴック(Mogok)で発掘された三角形の原石の形を活かして三角形のミックスドカットに磨きました。少し青味を感じさせる色調と、高い透明度と彩度がありますが、写真でみると左側に結晶インクルージョンが入った部分に生地不足があります。これも天然無処理で美しいミャンマー産ルビーの貴重な結晶の生地を少しでも大きく残そうと判断しています。サイズは、縦6.3㎜/横7.0㎜/深さ3.8㎜と縦横のバランスに対してちょうどいい寸法です。重さは1.29ctと立派で、特徴的な形と相まって非常に存在感があります。どんなジュエリーに仕立てられるか…楽しみなルビーです。そして宝石品質判定のクオリティスケール上でみた場合、美しさ「A」輝きがあり美しいもの、色の濃淡「#4」です。品質を3つのゾーンに分けた場合、JQジュエリークオリティ(高品質)です。この3つのゾーンに品質を分ける作業が重要な理由は、唯一無二の存在であり個性であるルビーを価値判断する時にモノサシ、目安になるからです。そして、毎日、品質判定のモノサシを使ってこの「今日のルビー」でそれぞれのルビーの個性を説明していますが、私自身が学んだ宝石の見方を考案された諏訪貿易(株)の諏訪会長は、理屈ではなく事実を重んじる方です。戦前から続く宝石商の老舗としてご活躍の諏訪会長は「お客様にとって大切なのは、その宝石の価値です。宝石の種類を分類するだけでは、不十分だ。」「地球の尊い欠片である潜在力のある原石を人が見つけたもの。宝石は人から人へ受け継がれて価値を持つもの」と言われますが、私も全くその通りだと思います。鑑別業者が発行する分析結果報告書(鑑別書)にピジョンブラッドレッドとコメントされたり、加熱された痕跡が認められない…などと書かれていることがありますが、分類だけでは、価値判断は不可能です。産出する鉱区での出現率やサザビーズなどの還流市場でどのくらいの値が付くか?需要と供給のバランスを熟知している必要があります。そしてその需給のバランスを観るときにクオリティスケール(モノサシ)が無ければ、事実とかけ離れてしまうことがあります。ピジョンブラッドレッドとコメントされたルビーが、AQアクセサリークオリティだったことがあります。ピジョンブラッドルビーが持ちたい…と探した方にとっては違うものを手にする可能性があります。ピジョンブラッドルビーとは、GQジェムクオリティの中でも特別な品質のルビーなのです。アクセサリークオリティではありません。「色」だけがピジョンブラッドと同じだったからといって、需給のバランスから見て、価値が高いとは言えないからです。どういうネーミングのルビーかよりも、どういう品質のルビーか?という部分に気を使っていただきたいと思います。

ルビーの内包物

天然ルビーは、自然の恵みであり唯一無二の個性を持っています。それぞれの結晶の中に内包されるインクルージョンはそのルビーの個性を表します。またこのインクルージョンは、原産地、処理の有無を判定する際の重要な手がかりとなります。

この記事を書いた人

森孝仁
株式会社モリス 代表取締役社長

Contents
閉じる