宝石を支える石座の研究

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自然からのヒントで美しいラインを探す

構想は普段よく目にするものなど、小さなタネがアイデアのもとになっています。その中でも、自然はアイデアの宝庫です。

毎日見ているお花の中で特に気になる花を支える花のがくの部分。綺麗な曲線だなと感じてスケッチをとっていました。

開く前の角度、開いてからの角度、花と茎の接点などが無理なく、自然で意味ある形になっているところに美しさを感じます。長く咲くために花自身が工夫して進化してきた形は、パーツを切って貼ってしているときには気づけない、ラインがどこまでもつながっているようです。これをジュエリーの石座の部分にも活かせたら…。

改良前のリング、どこか形に硬さがのこっています。もう少しくびれてみてもいいかもしれません。

凄い構想は自分の中から生まれるというより、日々の美しい物に気づいていけるといいのかと思い。スケッチを続けています。

素敵なジュエリーを考えたいという気持ちから、最近は美しい形を見つけられるこの習慣が楽しくなってきました。小さな美しさに気づけると日々退屈することないですね。

自然をヒントに生まれたテクノロジーは、生体模倣(バイオミメティクス)と呼ばれています。有名なものにエッフェル塔があります。

エッフェル塔は、1889年のパリ万国博覧会に間に合わせるために、2 年と2ヵ月という当時では驚きの早さで完成しま した。今も変わらず街の景色を彩るパリのシンボルですが、このエッフェル塔が「大腿骨」を参考に建設されたことをご存知ですか?設計者は大腿骨の持つ疲労を散らす補強構造に着目し、下部に向かって細くなる大腿骨を逆さにすれば暴風に耐え得る土台ができると気づきました。エッフェル塔に配置された梁(はり)、あの美しいアーチ形状は大腿骨に着想を得て設計されたものだったのです。また、骨は外表面と緻密で堅い部分(緻密質)と内部の小孔と網目状の骨梁からなる海綿質からなり、強度を低下させることなく軽量化を実現しています。それを参考にしてトラス構造を採用し、塔の軽量化を図ったということです。

またなにか、美しい物を探してそれをヒントに婚約指輪のカタチを見つけていきたいです。

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