8月の宝石ペリドット黄緑色の宝石【語源と意味についても解説】

照りつける太陽を透かす葉の緑の色をもつペリドットという宝石があります。

「イブニングエメラルド」という異名を持つペリドットは、19世紀あたりの夜会の室内照明下で、鮮やかかつ重厚な存在感を持って輝く石として人気があったようです。

この記事では、8月の誕生石ペリドットについて詳しく解説していきます。

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ペリドットとは?

ぺリッドとは、「かんらん石」として知られる鉱物のことです。

英語では「オリビン」と呼びます。酸素と珪素が結びついた珪酸(シリカ)を骨格とする、珪酸塩鉱物の1種です。

アレキサンドライトと同じ直方晶系の鉱物で、先が屋根形をした短い柱のような形の結晶で出てきます。

きれいなものならそのままペンダントやリングに使えそうな、愛らしい結晶です。

ぺリッドットの語源と意味

オリビンの語源は、平和の象徴であるオリーブ。オリーブ油を採る木であり、その実のピクルスも食材としてよく使われます。

オリーブの身にも黒いものがありますが、一般的なのはややくすんだ緑色のものです。

鉱物のオリビンの名は、その色がオリーブの実のような緑色であることにちなみます。

和名のかんらん石(橄欖石)は、以前からオリーブと別種の橄欖(台湾オリーブ)と混同していたことからついた名前です。

地球の中はペリドットでできている?

半径約6400Kmの大きな地球は、宇宙から降り注ぐ隕石の化学組成などのデーターをもとに全体の化学組成が推定されています。

地球を構成する元素を多い方から見ていくと第1位が鉄、第2位酸素、第3位が珪素ということは、この二つが結びついた珪酸(シリカ)を主体とする鉱物、珪酸塩鉱物が地球にあふれていることを意味します。

私たちが日ごろウロウロ行き来する地球の表層の「地殻」と呼ばれる部分は、ペリドット・グリーンではなく、何となく白っぽい鉱物たちが幅を利かせる世界です。

また地球の中心にはドロドロの鉄合金でできた「核」があって、地球磁場を作ってくれていることもよく知られています。

ペリドットはどこにあるのかというと地殻と核の中間です。

私たちはペリドット(マントル)の上で暮らしている

地球の薄皮みたいな地殻のその下から始まり、深さ2900Kmの金属核に到達するまでの間を占める「マントル」こそ、ペリドットの世界です。

かんらん石が主役である岩石を「かんらん岩」と呼びますが、その英名は「ペリドタイト」です。

ペリドタイト的な岩石こそ、地球マントルを作る物質です。地球マントルがかんらん岩でできていることは、地球の主原料である石質隕石がかんらん岩の一種であることだけではなく、マントルを伝わる地震波の研究やマントルの高温高圧を人工的に再現した実験研究などからわかっています。

私たちは、目で見ることはないものの、マントルのペリドットの上で暮らしているのです。

ペリドットのグリーンは「自色」

ペリドットのグリーンは、主成分元素のひとつである遷移元素「鉄」によるものです。

宝石ペリドットでの鉄かんらん石成分は10%内外で、主成分元素によって魅力的ある色が生み出される「自色」の宝石は、実はあまり多くありません。

多くの色石は微量成分頼みの「他色」です。

ただペリドットには常に0.3%ほどの微量のニッケルが含まれています。

ニッケルも第四周期の遷移元素で、化合物では「ニッケル・グリーン」と呼ばれる独特の緑色を発します。

ルビーの元素について詳しくはこちらから

適度な緑がいい

ペリドット・グリーンが主成分の鉄によるものだとしても、多いほどよいというわけではありません。

鉄が増えるにつれて石の緑は濃くなるだけではなく茶色っぽくくすんで、市販の瓶詰めオリーブの実の色に近づき、やがて濃黄褐色からついにはほとんど黒くなってしまいます。

ここまで「深堀り誕生石 宝石大好き地球化学者が語る鉱物の魅力」著者:奥山康子/発行築地書館 引用

 

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