ルビーの赤い色は魔除け効果と運気UP?【赤い石が持つ意味と伝説】

ルビーの色の赤には特別な魔除けとして、数百万年という長い時間、人類はルビーの色に守られてきました。
そのためルビーは災いから持ち主を守る魔除けの効果があると考えられていました。

この記事ではルビーの色の赤について解説します。

Contents

呪術や魔除け運気UPとしての色彩の赤

赤い色

人類がいつ頃から色を用いるようになったかは、人類がいつ生まれたかという問題と無関係ではありません。

赤は特別な色として古くから使われてきました。「人が自らを彩色する」ことから始まった色と人の歴史から人がものに彩色する世界を解説します。

遺骸をレッドオーカー(赤色)で彩色していた

約7万年前、第2氷河期の最後、アジア、アフリカ、ヨーロッパの広範囲にわたって、現代人の祖先ともいうべきネアンデルタール人、ホモ・サピエンスが住んでいました。彼らには他の同時代の祖先と異なって埋葬の習慣があったと言われており、その遺骨はレッド・オーカー(赤褐色)や木炭の黒で彩色されていたと言われています。

死という人間にとって厳粛な事実が初めて認識され、生命の証である血の色の赤色を墓碑や遺骨に塗ることによって生命の再生を願望したと思われます。

クロマニョン人においても同様な例がやはり見受けられ、死者はさまざまな姿勢で埋葬されていても、常にレッドオーカーが身体や墓の中に豊富に塗られていたといいます。

ドイツの民族学者のエルンスト・グローセ(1862年~1927年)の著書「芸術の始源」(1894年)には、このような色彩について興味深い記述がたくさんあります。死者を彩色する埋葬の習慣は、アジア、南アメリカ、インドネシアの広範囲に至る地域で見られた。(古い研究書なので、種族名などは明らかにない部分があったり、現在そのまま当てはめられるかどうかは別ですが、参考にできます。)

原始の人類にとって、死=生との断絶、霊界への旅立ちという現実に直面し、生命の復活、安寧を祈願する手段として、遺体や棺をレッドオーカーで彩色したと思われます。

赤は人間や動物の生命のシンボル

赤は血の色であり、人間や動物の生命のシンボルの色です。

私たちの祖先は生の証として、冥界の神々に人身や動物たちの血を犠牲として捧げ霊界の怒りや関心を和らげようとしました。

たとえば古代中国では八月の宗廟の礼には牛を犠牲として捧げたし、キリスト教徒は子羊を神に捧げる感謝や神の許しを請う意を示しました。

世界各地において血に関する儀式はまことに多く、それらは血を媒体として神と人間、あるいは人間同士が神聖な結合や盟約を交わす象徴として使われました。

遺体や棺を血の色で塗彩したのも。いわば流動する生命のシンボルである血の赤色こそ、生と死、神と人間という異質なものを結合するパイプと考えられたからです。

儀式としての赤色

儀式に使われる、世界各地に共通する色は赤です。赤は原始の人類において最も愛好された色です。赤は命のシンボルの色であり、生命の証として、あらゆる場所、あるゆる民族で装飾、ことに男性の装飾において重要な役割を果たしていました。

特に赤のもつ人の感情を興奮させる性質から、狩猟や戦闘において身体に血の色である赤を彩色する民族の例は多いです。

身体を赤く染めることで、自らの身を戦闘の興奮と狂乱の中に置くとともに、まだ見ぬ敵への恐怖心を払い敵愾心を燃やし、自分の魂を鼓舞しことと思われます。

赤は特別な色

人類はまさにこの赤の出現を待って最初期の彩色体験をおこない、成功し、その色彩世界を形作るようになった。今日知られている最初期の色彩用語がしめているように、人類がまた早い時期からその色彩群を多様化し、変化に富んだ色相や濃淡を生み出すようになったのも、さまざまな赤によってだった。

赤の優越性は日常生活や物質文化にみられる。地中海周辺地域では、赤は住居(レンガや瓦)や家具調度品(各種の陶磁器など)、布地、衣服、さらに装身具や宝飾品の中で特権的な地位をしめている。そこで赤は人々を守り、飾り、そして幸運をもたらすされているのです。

さまざまな表現や儀礼では、赤色はしばしば権力や聖性と結びつけられ、きわめて豊かな象徴性を帯びているだけでなく、ときには超自然的な力さえそなわっているようでもあります。

長いあいだ、西洋では赤が唯一本格的な色と呼ばれるにふさわしいものだった。編年的にも序列的にも、赤は他の色を凌駕していた。他の色が存在していなかったわけではない。ただそれらが色とみなされ、やがて物質文化や社会コード、そして思考体系の中で赤に匹敵する役割をになうようになるには、長い時間がかかったのである。

赤の歴史文化図鑑 著者ミッシェル・バストゥロー 原書房より引用

「赤」と「美しい」が同一の語彙群に所属していたことも

古典ラテンのコロラトゥス(coloratus)ないし近代カスティーリャ―語のコロラド(colorado)ように、同じ語は文脈によって「赤」あるいは単純に「染まった、色のついた」を意味しています。別の言語では、「赤い」や「美しい」をさす形容詞が同じ語根から派生しています。

ロシア語の場合、「赤」(スクラニイkrasnyy)や「美しい」(クラシヴィkrasivy)が同一の語彙群に所属していて、さらに他言語では、色をしめす語は白と黒と赤しかありません。

しかし、「白い」と「黒い」は必ずしも真の色彩形容詞と認めておらず、基本的には光と闇を意味するにすぎない。唯一赤という語が正当な色彩語となっています。

赤は最初の色彩

赤はたんに最初の色としてだけではなく、典型的な色としても古代社会に登場していました。

フランス南東部アルデーシュ地方で発見された、ショーヴェ洞窟の最初期の動物壁画。この壁画にも赤色の痕跡がのこっています。【1994年に発見されたこの洞窟壁画は、前3万7000‐前3万3500年頃に描かれた447体の動物画で知られる。2014年、ユネスコの世界文化遺産に登録】

現在まで残っている洞窟壁画には、いたるところで多様な赤の色相が残っています。

人がものに彩色する世界 洞窟壁画の赤い彩色

「人が自らを彩色する」ことから始まった色と人の歴史はやがてオーリニャック期からマドレーヌ期に至る紀元前10万年前から1万年頃の旧石器時代の後期になると原始狩猟接取民によって、洞窟美術や岩陰美術が発達し、写実的、呪術的な壁面や岩絵が誕生してきます。

人が自らを彩色することによって生じた呪術的な効果を洞窟に描く動物にも及ぼしたと思われます。

ここまで 世界の歴史、文化、宗教、アートを色で読み解く色彩の博物事典 著者城一夫 誠文堂新光社から引用

赤の歴史文化図鑑 著者ミッシェル・バストゥロー 原書房より引用し赤がなぜ特別な色なのかを解説してきます。

そもそもルビーの語源は赤

特別な色の赤を示す宝石ルビーは古代ローマの人達は、ルビーは赤く輝く宝石で、石の中で燃えて消すことができない炎を持っているといわれ、別名「(燃える石炭)カルブンクルス」と呼ばれていました。

ルビーの語源はその後、旧ラテン語で「赤」を意味する「ルベウス(rubeus)」です。

ルビーの色調を決める元素(着色要因)

ルビーの赤い色を生み出す微量元素はクロム(Cr)ですが、結晶全体の1%~2%の含有率といわれており、4%ぐらいになると赤灰色になってしまいます。

その他、結晶に含まれる鉄分(Fe)もその赤色に影響を与えると言われており、玄武岩起源のルビーに多く含まれます。

タイランド、インド、アフリカ産の玄武岩起源のルビーが紫外線に当たった時に、蛍光性が弱いのは、この鉄分が影響しており、成分分析をすれば分かります。

ミャンマー産ルビーは、成分分析の表では、クロムの量が多く鉄分がほとんど検出されないのに対して、タイランド産などの玄武岩起源のルビーは、クロムと同じぐらいの鉄が検出されます。

ピジョンブラッドルビーは(GQ)ジェムクオリティが条件

ルビーの品質3ゾーン

諏訪恭一氏が考案した「宝石品質判定」

今回は、ルビーの色調(色合い)の話にスポットを当てていますが、踏み込んで、宝石品質判定の解説をしなければ、色調だけでルビーを選んでしまうというミスを誘発してしまいます。

宝石品質判定では、GQジェムクオリティに入る色調(色合い)のルビーが最高でありピジョンブラッドルビーと呼ぶに相応しいのです。

そのクオリティスケール上で、GQジェムクオリティ(最高品質)を取り囲むマスに入るものはJQジュエリークオリティ(高品質)、その他のものはAQアクセサリークオリティ(宝飾品質)になります。

この青いマス、灰色のマス、黄色のマスの3つのゾーンに分けることにより、それぞれのおおよその相場を出すことができます。

ここで注意するべきなのは、良い悪いと等級付けするのが宝石品質判定の目的ではないということです。

最初に申し上げた通り、すべてのルビーには、私たち人間と同じように個性があります。

色調、透明度、彩度、色ムラ、プロポーション、色の濃淡をそれぞれ指数化し、加算すると宝石の品質が分かるだろうと某協会でトライしたことがあります。

百戦錬磨のプロが寄ってたかって、品質を判定した結果、美しさをそれぞれの項目で数値化するよりも、「美しさ」という視点で感覚的に見た方が正確でした。

ひとつひとつ違うルビーの個性をひとりひとり違う人間が等級付けするのはナンセンスだということです。

結論は、審美眼を磨いたプロが、美しいかどうか?という視点で観るのが良いということです。

ルビーのサイズによって変化するベストの濃淡

ルビーを色の濃さを見分ける時のもう一つの注意点は、ルビー、特にミャンマー産ルビーの場合は、サイズによって色の濃淡を観るときに若干の調整が必要になります。

天然無処理で美しいミャンマー産ルビー(モゴック産)のクオリティスケールは、縦横6㎜×4㎜~縦横4.5㎜×3㎜/1ct~0.5ctのルビーを観るときを基準にしています。
縦横3㎜×2㎜/0.2ct以下の小粒なルビーの場合は、クオリティスケール上で0.5マス、もっと小さい場合は、1マス淡いものが良いでしょう。

逆に、10㎜×7㎜/3ct以上の大きさになってくると、その逆です。

ミャンマー産ルビーは、タイランド産ルビーと違い、光源によってその見た目が大きく変わるとても敏感な宝石です。

クオリティスケール上でGQジェムクオリティでも、0.2ct以下の小粒なルビーの場合は、蛍光灯の下では黒っぽく沈んだ赤色、濃すぎるように感じるでしょう。

大きさは、研磨のスタイルによっても最適な色の濃淡が違います。

ダイヤモンドが宝石の入り口だとしたら、ルビーは、最後に辿りつく宝石だといわれますが、専門的なアドバイスが必要です。

プロの宝石商(ジュエラー)に相談してみましょう。

まとめ

この記事では特別な赤い色について解説してきました。

ルビーの色について詳しくはこちらで解説してきます。

 

Contents
閉じる