3月の誕生石はこれまで「アクアマリン」「珊瑚」でしたが、日本では宝石卸商協同組合により誕生石が改正され、「ブラッドストーン」「アイオライト」が加わりました。実は、フランスでは3月の誕生石は「ルビー」です。この記事では国により異なる誕生石についてと、アクアマリンとルビーについて詳しく解説します。
誕生石は国によって違うもの?
日本では7月の誕生石であるルビーは、フランスでは3月の誕生石として知られています。実は、主に誕生石とされている宝石は国によっても少しづつ異なっています。
誕生石とされる宝石は、地域や時代によっても変わります。明確に「この誕生石が正しい」というルールはありません。
誕生石の起源
「誕生石」の起源は、旧約聖書・新約聖書にそれぞれ登場する12種類の守護石に由来していると言われています。
現在のように、誕生石としてそれぞれ宝石が指定されはじめたのは、1912年にアメリカの宝石商協会が決めたものが始まりです。日本では、1985年に全国宝石卸商協同組合が選定したものがはじまりとされています。
アクアマリンの特徴
アクアマリンは透き通った水色のベリルです。ラテン語の水(アクア)と海(マリン)に由来し、約2000年前にローマ人によって命名されたと言われています。
微量成分の鉄により清楚な水色に漉き取ったベリルです。ベリルについては下記で解説します。
エメラルド(緑色のベリル)が主に変成岩に産するとは対比的に、アクアマリンは花崗岩ペグマタイトに産する。
エメラルドのなかま(ベリリウムを含む鉱物)
エメラルド、アクアマリン、モルガナイト、ヘリオドール、ゴシェナイトは、すべて、「ベリル(緑柱石)」というベリリウムを含む鉱物です。
化学組成や結晶構造は同じですが、微量成分によって色が違っているだけです。
エメラルドは内包物(インクルージョン)やひびが多く、完全に透明な結晶は極めて稀ですが、アクアマリンなど他のベリルは透明な結晶も多く、色以外の特徴にも差があります。これはエメラルドが他のベリルとは異なった地質条件で生成するためです。
ルビーの特徴
ルビーは赤の宝石の代表格の宝石でコランダムという鉱物です。ルビーとサファイアは、それぞれ、赤と青の代表格ですが、主成分と原子配列は同じで、鉱物種としてはどちらもコランダムに分類されます。
純粋なコランダムは無色ですが、微量成分としてのクロムを含むと赤に、鉄とチタンを含むと青になります。このほかの微量成分によっても様々に発色したものがうまれます。
ルビーのなかま(コランダム)
サファイアはもともと青い石の名前でしたが、近年では、ルビー以外のコランダムの宝石を呼ぶようになりました。
- ホワイトサファイヤ
- イエローサファイア
- バイオレットサファイア
パパラチア・サファイアは、微量成分のクロムと鉄二よる蓮の花のような色(ピンクがかったオレンジ色)のカラーバリエーションを持っています。一方、ルビーは現在でも、濃い赤系のコランダムを指す宝石名として使われます。
毎日身に着けたい宝石選び
誕生石の楽しみ方は、自分の生まれ月の宝石をお守りとして身に着けられることから、誕生石を身に着けると「幸せ」が訪れる、誕生石は願いを叶えてくれる、誕生石お守りとして自分を守護してくれる、誕生石が安心感を与えてくれるさまざまな素敵な言い伝えが多く語られます。
毎日お守りとして楽しむために知っておきたい宝石の知識があります。
宝石として望ましい硬さ
誕生石や誕生日石などで様々な鉱物を知るきっかけがあります。毎日身に着けてお守りとして使いたい場合、美しく磨きあげられた宝石であっても、摩耗により傷がついたり、落として割れたりすれば、その輝きや美しさは失われてしまいます。
そのため宝石の耐久性の確認が必要です。
日常生活で宝石に傷をつけることになる主な原因は砂粒ですと摺りあうことです。
砂粒の多くはモース硬度7の石英(クオーツ)でできており、細かな砂粒は空気中を漂って様々な場所に付着しています。このため、クオーツよりも柔らかい宝石は、日常生活において傷がつくリスクが低くなります。傷がつかなければ輝きも保持できるので、宝石としては、モース硬度7以上の硬さが望ましいとされるのです。
ルビーとアクアマリンの硬度
アクアマリンはモース硬度が7.5~8なので、傷や強い衝撃から守るために適切な注意を払って取り扱う限りは、ジュエリー用として耐性のある宝石です。
ルビーのモース硬度は9で比較的硬い石です。優れた靭性を持ち、衝撃を受けると割れる性質の「劈開」もありません。
このため、毎日使用する指輪やその他のジュエリーとして用いる宝石として選ぶ場合、ルビーがおすすめです。
まとめ
ここまでルビーとアクアマリンは3月の誕生石どっちが本当?かについて解説してきました。
誕生石とされる宝石は、地域や時代によっても変わります。明確に「この誕生石が正しい」というルールはありません。
好みで選ぶことも大切ですが、毎日身に着ける場合、安心して身に着けるための宝石選びをすることで更に誕生石のジュエリーを楽しむことができるでしょう。