宝石ルビーは何色?ルビーは何月の誕生石?ルビーの意味も解説

ルビーは数ある宝石のなかで人気の宝石ですが、実はい希少性の高い宝石です。希少性の高さなら、ダイヤモンドを超えるといってもよいでしょう。

この記事では、そんな宝石ルビーについて詳しく解説します。

Contents

ルビーは何色の宝石?ルビーの意味は?

ミャンマー産天然無処理ルビー

ルビーの由来は、「赤い石」です。

古代ローマの人達は、ルビーは赤く輝く宝石で、石の中で燃えて消すことができない炎を持っているといわれ、別名「(燃える石炭)カルブンクルス」と呼ばれていました。

ルビーの語源はその後、旧ラテン語で「赤」を意味する「ルベウス(rubeus)」となりました。

ルビーは7月の誕生石

ルビーはアメリカや日本の誕生石としては7月です。そして、フランスの誕生石としては3月です。

2021年12月20日、日本の誕生石に新たな10種類の宝石が加えられましたが、ルビーは変わらず7月の誕生石です。

ルビーが誕生日ジュエリーとなった背景

7月

ルビーはアメリカや日本の誕生石としては7月、フランスの誕生石としては3月です。

もともと、ルビーが誕生石ルビーの歴史と由来は、元々誕生石は、1912年にアメリカのカンサスシティーで行われた「米国宝石組合大会」において正式に定められましたが、その後、各国に誕生石の文化が流れていき、それぞれの国の文化などの事情を踏まえて見直しが行われました。

その理由は、誕生石に数えていなかったダイヤモンドのマーケティングだったと言われています。

ルビーはもともと、前述の通り、宝石文化の中心的な存在だったため、各国の誕生石に採用されました。

日本では1958年に「全国宝石卸商協同組合」によって誕生石が決められました。

ルビーは、古代ギリシャのマルス=火星と結び付けられた「軍神」の宝石であり、その赤い色調と情熱的な輝きから、「生命」「勝利」「力」の象徴でしたが、ヨーロッパ中世以降、ハートマークが「赤」であることから、愛情や情熱を象徴する意味も加えられ、不思議なぐらい広範囲の意味を持つ宝石になりました。

ルビー(コランダム)の化学式

ルビーの化学式

ルビーは、酸化アルミニウムの鉱物で、鉱物名コランダムの赤い変種です。ここではルビーの化学組成について解説していきます。

元素についてはこちらで詳しく解説しています。

コランダムの理想式は、Al2O3です。

これは、コランダムを構成している原子全体の2/5がアルミニウム(Al)で、3/5が酸素(O)であることを表しています。原子比Al:O=2:3という意味です。

コランダムの主成分のAlは特定微量成分で置き換わります。

ルビーではクロム(Cr)などが微量成分です。

主成分のAlを置き換えていることを、簡略式で(Al,Cl)2O3と表現します。

括弧内に主成分を最初に、それに続いてカンマで区切り微量成分を表示します。

主成分と微量成分の比率は、整数比にはまずなりません。分析には多少の誤差はあるので実験式は整数だけでは表示できません。

ルビーの分析結果の場合は次のような少数を使った実験式であらわされます。(Al1.99Cr0.01)O3

天然無処理で美しいミャンマー産ルビーの専門家モリス

天然無処理で美しいミャンマー産ルビー専門家モリスとして、宝石品質判定の必要性から説明していきます。

キレイなジュエリーを見ていると、つい忘れてしまいますが、宝石には「経年変化」がありません。何十年、何百年経っても宝石は変わりません。もちろんルビーもです。

宝石ジュエリーは、着けて楽しみながら、いつか必ず、誰かに受け継ぐ時、手放す時が来ます。

その時のことを考えると、世代を越えて価値保存する、天然無処理で美しいミャンマー産ルビーがおすすめです。

しかし、買う人にとっては、目の前にある宝石ルビーがどのようなものか?

見た目だけでは判断することは難しいと思います。

宝石の品質を見分ける方法が分かると、ルビーを探す時に、何を確認した方が良いのか?ポイントがつかめます。

宝石の価値はどうやって決まるのか

宝石の価値はどうやって決まるのか

宝石の価値は次の3つの要素で決まります。

  • 品質
  • 需要と共有のバランス
  • 伝統と慣習品質

品質

宝石品質判定の基準で見分けるが一番正確です。

品質は、下記の7つの視点で、それぞれを観ることで分かります。

  1. 宝石の種類
  2. 原産地
  3. 処理の有無
  4. 美しさ
  5. 色の濃淡
  6. 欠点
  7. サイズ

ルビーの品質判定について詳しくはこちらで解説しています。

一般的にプロのジュエラーでない業者が宝石を売買する時には、鑑別業者が発行する「鑑定書、鑑別書」と呼ばれる分析結果報告書が使われます。

鑑別書には、①宝石種 ②原産地についてのコメント ③処理の有無についてのコメントが記載されています。

重要な情報ですが、品質を表すものでも、品質保証するものでもありません。

買うお店の名前で、①から⑦の項目を網羅した「品質保証書」を発行してもらいましょう。

宝石は、何百年経っても変化しないものですから、手に入れるときは、しっかりと確認しておきたいポイントです。

需要と供給

需要と供給のバランスは、宝石だけでなく、すべての商品の価値に影響を及ぼすことは皆さんもご存じの通りです。

どれだけ世の中に存在していて、どのくらいの人気があるか?ということになります。

ルビーの場合は、どれだけ鉱山で産出しているかに対して、どれだけ市場で人気があるかということです。

人気があったとしても、供給が豊富で世の中にたくさんあれば値段が一番安いところに需要が集まります。

値段が安くなると宝石としての価値は陳腐化していきます。

宝石の場合は、同じものが世の中に2つ存在しない(人間が作ることができないもの)であるため、工業製品とは違う考え方をしなくてはなりません。

需要は、広告宣伝などでイメージづくりはできますが、鉱山での産出状況についてよく知っていなければ、供給については想像もつきません。

モリスは、2007年から2011年に、ミャンマー最北部カチン州のルビー鉱山ナヤンを採掘して出現率の調査を行いました。

「供給」どれだけ産出しているか?「需要」どれだけ市場で人気があるか?の「バランス」が重要だということです。

ルビーやサファイアなどの宝石を処理する理由は、天然無処理で美しいものは非常に少なく、業界がる程度の処理は許容しないと値段が高くなり過ぎるためです。

話があまり広がってはいけないのですが、ダイヤモンドの場合には、グレーディングレポートというものが存在していますが、これは4C(カラー/カラット/クラリティ/カット)の4つの特徴で希少性を立証しようというものです。

また希少性が高くても、市場で誰も知らない宝石については、需要が弱いという面があるので、注意が必要です。

グランディディエライトなど希少な石ですが、知名度が低くいため、需要と供給のバランスでみた場合には、弱いと考えなければなりません。

伝統と慣習

伝統と慣習、これは世代を越えて価値保存する宝石には大切な要素です。

世の中で売買される宝石には、ある業者のプロモーションによって流行することで需要が生まれることがあります。

売れていくのでしばらくは、価値があるように見えるのですが、その後どんどんと売れれば、珍しい宝石ではなくなり、価値が陳腐化していきます。

経年変化が無いのが宝石です。

手放そうとする時には、すでに宝石としての価値が低くなっているかも知れません。

伝統的な宝石には、世代を越え宝石としてしっかりと価値保存してきた歴史がありますので、これからすぐに価値が無くなることは考えにくいのです。

例えばルビー/エメラルド/サファイア/ダイヤモンドは、それぞれ数千年の歴史があり、一番新しいダイヤモンドでも宝石として500年以上の歴史があります。

宝石文化は、人類の最古の文化であり、その歴史は土器類よりも古いと言われます。

宝石ルビーを慣習の視点でみた場合、間違いなく宝石の頂点にあったことが分かりますが、その理由は「赤」にあります。

人類史の研究では、人類最古の色も最古の文字も「赤」であることが分かっています。

宝石ルビーは、既に長い歴史で確率されたものがありますので、伝統と慣習については、あまり考えなくても大丈夫でしょう。

ルビーの特別な産地「ミャンマー」

ミャンマー産ルビーの母岩

世界で最も品質の高いルビーが産出されることで知られており知名度が最も高いのはミャンマー産です。

モゴック(Mogok)地方、また2000年から正式に鉱区として認められた最北部カチン州にあるナヤン(Nam-Ya)地方も同じように高品質のピジョンブラッドルビーを産出しています。

現段階では、鑑別書では、「モゴック産またはナヤン産」というように表示されています。

この2か所からピジョンブラッドルビーが産出します。その色彩と透明度は他の産地と比較しても群を抜いています。

ミャンマー産ルビーが特別である理由は、結晶した環境にあります。

大陸移動

    1. カンブリア紀に海の中で生きた生命とそのカルシウムが海底に堆積していたこと
    2. 9000万年前にインドが南極を離れて1年間に15㎝のスピードで北上し始めた
    3. インドプレートがブルドーザーのように海底の堆積岩を北に押し上げた
    4. 5000万年前にインドプレートとユーラシアプレートが衝突し始めて、インドプレートは地下深くへ沈み込んでいった
    5. クロム(Cr)が多く、鉄(Fe)が少ない場所、地下40㎞で、マグマと接触し、変成したドロマイト(大理石)を母岩としたルビーが結晶した
    6. いまだインドプレートは、1年に5㎝北上しており、その力によって、ミャンマーの数か所で地表に現れるスポット(モゴック、ナヤン、モンスー)ができた。

この6つの条件が奇跡的に揃ったこと、そしてその条件は地球上に一つしかないことが、ミャンマー産ルビーを特別な存在にしています。

ルビーの蛍光性

原産地を見分ける方法

そして、ピジョンブラッドルビーの条件の一つであるフローレッセンス(蛍光性)について、ルビーの赤色に関係する元素が関係しています。

着色要因であるクロム(Cr)と鉄(Fe)の割合は、地表から15㎞~20㎞までは、鉄が多く、20㎞以深ではクロムが多い地層です。

ミャンマー産ルビーは、地下40㎞の深いところクロム(Cr)の多いところで結晶したため、鉄分がほとんど含有されておらず、ほぼクロムだけで赤く発色します。

ミャンマー産ルビーが紫外線に強い蛍光反応を示すのは、この微量元素の割合の違いによるものです。

クロムの入るルビーの産地

逆に、鉄を多く含む産地のルビーは、その蛍光反応が弱い、または全くありません。

その特別な蛍光性を持つルビーをピジョンブラッドと呼び、ピジョンブラッドルビーはミャンマー以外では見つかっていません。

<コラム>Ted Themelis博士とのミーティング

ミャンマーのモゴック鉱山で1990年代後半に取材を重ね、ルビー、サファイアの鉱床の研究、コランダムの加熱処理を研究していたニューヨーク市立大学Ted Themelis博士と数回ミーティングを持ちました。

また2003年にはタイランドのチャンタブリでお会いした時には、ルビーとサファイアの加熱処理について色々と情報共有いただきました。

ミャンマー(その当時のペグー王朝)のルビーについての歴史が記されています。引用ここから>1505年には、ポルトガルのドゥアルテ・バルボサ(Barbosa)は、まず最高のルビーは第三のインド(恐らくモゴックのこと)で結晶したモノが、ペグーの川で集められます。これらはとても品質の良いルビーです。

Ted Themelis博士の著書

「Mogok Valley of Rubies and Sapphires」引用ここまで

少なくとも16世紀には、欧州からミャンマー産ルビーを求めて来訪していたこと、そしてそのルビーが特別だということが分かっていたようです。

ヨーロッパ人がミャンマー産ルビーについて記した一つの説ですが、原産地ミャンマーでは、ルビーはお釈迦様の宝石だとされており、そうすると2600年前にはルビーの存在が分かっていたはずです。

そして5世紀または6世紀頃にはルビーを採掘していたとされる説もあり、中国の皇帝にプレゼントしていたそうで、宝石ルビーに関しては、アジアが先進国だということが分かります。

「この記事の主な参考書籍・参考サイト

  • 「Mogok Valley of Rubies and Sapphires」著者Ted Themelis
  • 「決定版 宝石」著者:諏訪恭一/発行:世界文化社

7月の誕生日石

7月の誕生日石をご紹介します。

「366日誕生石の本」著 斉藤貴子から引用

  • 7月1日誕生日石 アクアマリン
  • 7月2日誕生日石 バリスサイト
  • 7月3日誕生日石 ロック・クリスタル
  • 7月4日誕生日石 スター・ダイオプサイド
  • 7月5日誕生日石 プラチナ
  • 7月6日誕生日石 オブシディアン
  • 7月7日誕生日石 スター・ローズクオーツ
  • 7月8日誕生日石 ミルキー・オパール
  • 7月9日誕生日石 テーパー・バゲッド・カット・ダイヤモンド
  • 7月10日誕生日石 カリフォルニアン・アイリス
  • 7月11日誕生日石 半円真珠
  • 7月12日誕生日石 ビキシバイト
  • 7月13日誕生日石 クリソベリル結晶
  • 7月14日誕生日石 スリーカラー・フルオーライト
  • 7月15日誕生日石 仏像真珠
  • 7月16日誕生日石 アジュラト
  • 7月17日誕生日石 砂金
  • 7月18日誕生日石 レインボー・ムーンストーン
  • 7月19日誕生日石 ロードクロサイト
  • 7月20日誕生日石 アクアマリン・キャッツ・アイ
  • 7月21日誕生日石 モス・アゲート
  • 7月22日誕生日石 黒勾玉
  • 7月23日誕生日石 ウォーターメロン・トルマリン
  • 7月24日誕生日石 犬の歯型の真珠
  • 7月25日誕生日石 シェル
  • 7月26日誕生日石 枝珊瑚
  • 7月27日誕生日石 メレー・ダイヤモンド
  • 7月28日誕生日石 涙型液体インクルージョン内包物
  • 7月29日誕生日石 ブラック・オパール
  • 7月30日誕生日石 ヘリオドール
  • 7月31日誕生日石 レッドジルコン

7月1日誕生日石 アクアマリン

ラテン語の水(アクア) マリン)に由 来し、約2000年前にローラとによって命名とされる。

微量成分の鉄により清楚な水色に透き通ったベリル。

エメラルド(緑色のベリル) が主に変成岩に産するのとは対比的に、アク アマリンは花崗岩ペグマタイトに産する。

他のベリルと同様平らな端面の六角柱状結晶が典型だが、アクアマリンには錐面の発達した 結晶も見られる。

青色は紫外線により退色す ることが知られている。一方、加熱処理により、鉄のイオン状態を変え、発色(色味、濃さ) を調整することもできる。紀元前5世紀頃の古 代ギリシャの記録が遺る。海難から逃れる「お 守り」や、幸福と若さの象徴とされた。エメラ ルドと同じ鉱物でも、アクアマリンは耐久性に優れ、色が全体に分散していて、透明度が高いのが特徴。

7月2日誕生日石バリスサイト

バリサイト鉱物名(和名)variscite (パリシア石)トルコ石に似た緑色の半貴石です。

トルコ石より緑色味が強く、カボションや彫 刻、オーナメントに仕立てられる。黒い網目 模様が入る米国ネバダ州産のものは緑のトルコ石(ターコイズ) のようであることから「バリコイズ」というあだ名もある。

地表付近でリンに富んだ水がアルミニウムに富んだ岩石に 作用することで生成し、脈状、皮殻状や塊状 の細粒結晶の集合体として見つかる。微 結晶の塊なので劈開で割れる心配 はないが傷がつきやすく、肌に直 接つけると、汚れが染み込み変色 することがある。発見地、ドイツの フォクトラントの旧名バリシアに由来。

7月3日誕生日石 ロッククリスタル

氷の化石と信じられていたことも無色透明で結晶面の整った石英はロックク リスタル、水晶と呼ばれる。

「クォーツ」という名称は16世紀頃から使われ出し、一説には 鉱床学に関連するドイツ語の単語から転じたと されるが、一方のロッククリスタルの語源は 2000年以上の歴史を持つ。「クリスタル」は、「氷」を意味するギリシャ語のクリスタロスに 由来し、「ロッククリスタル」は直訳すれば「氷の岩」であるが、これは水晶が氷の化石だと信じられていたことに由来する。

日本語の「水晶」が水精に由来するのと通じるところがあり、 興味深い。

石英は屈折率も分散も高くなく、宝石として は中庸で特に秀逸でもない。しかし、劈開が 無いことは、カット工程ではむしろ有利になる。

透明なガラスが製作できるようになるまでは、透明な素材として、ビーズや器、レンズなどに 使われた。透明ガラスが出回るようになった後 も、普通のガラスを凌ぐ硬度で重宝された。

7月4日誕生日石 スターダイオプサイド

エメラルドと間違われ、皇帝に献上された宝石

エメラルドに匹敵する美しく光沢の優れた緑 の石。18世紀後半にカザフスタンで最初に発見された時にはその色合いからエメラルドと間 違えられロシア皇帝にも献上されたが、エメラ ルドより遥かに傷つきやすくもろい。

その名は、高い透明度からギリシャ語の「透ける」と「見える」ということばに由来。粒状や短柱状の結晶として、あるいは塊状として、白い方解石 や石英とともに見つかる。

主な産地はナミビア とカザフスタンで、銅鉱床の酸化帯、特に砂 漠のような地表が乾燥している場所で生成する。

7月5日誕生日石 プラチナ

自然白金の境。

16 世紀にコロンビアでプラチナを発見したスペインの征服者たちは、それを「小さな銀」 という意味のプラチナと呼んだ。

当時金を探していた彼らには価値のないものだった が、今日、プラチナは希少性と、それ自体は化学変化することなく反応を速める触媒 としての特性を持つことから、地球上でもっとも貴重な金属の1つとされている。

上質の宝石に使わ れるだけでなく、石油精製に欠くべからざる成分であり、車の排気ガス浄化フィルターという形で(コ ラム参照) 大気汚染を減らす役割も担っている。

7月6日誕生日石 オブシディアン

古くから鋭利な破断面を刃物に利用。

粘性の高いマグマがほとんど結晶化せずに 固まってできた天然のガラスで、流紋岩質溶 岩の一部に形成される。

旧石器時代~縄文 時代に矢じりやナイフなどの石器として利用さ れた。黒~灰色が一般的だが、暗緑色や赤 褐色のものもある。微細な気泡や内包物により、金色のシャトヤンシー (キャッツアイ 効果)やシーン(ムーンストーン効果)、虹色を生み出すこともある。

赤鉄鉱などの内包物によって赤や茶の模様が入ったものは「マホガニー黒曜石」、 クリストバライト(方珪石)の白い放射 状集合体を伴うものは、「雪花黑曜石 (スノーフレーク)」と呼ばれる。

7月7日誕生日石 スターローズクォーツ

アッシリア人も使ったピンクの石英

ピンク色で半透明の石英。アッシリア人 (紀 元前800~紀元前600年)による使用が史上 最古。ビーズのネックレス、小さな彫刻、カボ ションに仕立てられる。石英の中に分散して いるデュモルティエライト (P.175) の非常に細 かな結晶が色の原因であるため、他の色の水 晶のように透明度が高くなく、形の整った水 晶になることもほぼない。産地によってはス ター効果を示すものもある。透明で形 の整ったピンク・クォーツはブラジ ルから産出し、それもローズ・ クォーツと呼ばれることがあ るが、発色因子は全く異な り、微量のリンとアルミニウ ムが原因です。

クォーツ(石英)Quartz 姿を変えてあちこちに現れる石

ケイ素と酸素からなる単純な成分の鉱物。 酸素とケイ素は地球表層(地殻)での存在量 がそれぞれ1位と2位なので、石英は長石類 に次いで産出が多く、また単一種としては最 も多産する普遍的な鉱物である。世界中の変 成岩、堆積岩、火成岩に見つかる。石英の 硬度は一般的な岩石を構成する鉱物(造岩館 物)中では最も硬く、化学的にも安定である ため、岩石が風化しても砂粒として残る。そ のため、砂粒の多くは石英で、細かなものは 空気中を舞うので身の回りの至る所に溢れて いる。それらの砂粒により傷がつくかどうか、 つまり石美より硬いか軟らかいかが、宝石の 耐久性のひとつの指標となる。

特定の内包物を含むもの、特定の形態的特徴を持つもの、特定産地のものに付けられた名称も多く、全てをあげればきりがない。

7月8日誕生石 ミルキーオパール

シェイクスピアいわく「宝石の女王」

虹色の遊色効果が魅力的なものはプレシャ ス・オパール、遊色を示さないものはコモン・ オパールと呼ばれる。主成分はシリカ (ケイ素 と酸素)と水。シリカ微粒子の集合体で、微 粒子の隙間に水分子が吸着しており、極端な 乾燥や急激な温度変化により亀裂が生 じるので注意を要する。シリカ成分を 溶かし込んだ水が、地下の岩盤中に ある空詞や割れ目、地層に埋もれた 生物の遺骸(貝殻や樹木など)の際 間などに入り込み、その中で微細な球 状シリカを沈殿させることで生成する。

プレシャス・オパールは、透明で微小な非 晶質シリカ球から構成される。シリカ球の大 きさが適度に揃い規則的に配列すると、光の 干渉が起こり、遊色効果が生まれる。

コモン・オパールは、半透明から不透明が 多く、透明度の良いものは地色を生かしてファ セットカットされることもある。

宝石としての歴史は2000年以上前に遡る。 カボションカットまたは彫刻としてカットされるが、 ファセットに十分な透明度を持つ場合もある。 名は、サンスクリット語とラテン語で「宝石」を 意味する、それぞれ 「upala」と 「opalus」に 由来。

7月13日誕生日石 クリソベリル結晶

クリソベリル Chrysoberyl18世紀末にベリルと異なる鉱物と判明

ベリリウムとアルミニウムの酸化物。花崗岩 やペグマタイト、雲母片岩中で黄や緑、茶色 の結晶として生成する。V字型(楔型)の双 当や、トライリング(三輪) と呼ばれる六角形 の輪郭をつくり出す3連の双晶で知られる。ダ イヤモンド、コランダムに次いで硬く、耐久性 に優れ、比重が大きいので、川底などに集ま りやすい。キャッツアイとアレキサンドライトが クリソベリルの宝石の双璧をなすが、その他 のクリソベリルの大粒の透明結晶にファセット が施される。17~19世紀にブリリアントカット のジュエリーが欧州で流行した。クリソベリル (金緑石)の名は、18世紀末にベリル(緑柱 石)とは異なる鉱物であることが判明するまで、 金色(ギリシア語chrysos) のベリル(緑柱石) の変種と思われていたことによる。1997年に インドのオリッサ州チンタバリ鉱床で見つかっ たオウムの羽の色に似た緑色のクリソベリルは 「パロット・クリソベリル」 として話題となったが、 わずか6年足らずで 終鉱し現在は幻の宝石となった。

7月14日誕生日石 スリーカラー・フルオーライト

光を分散させにくいカラフルな石

「世界で最もカラフルな石」と言われ、微量 元素により紫、緑、黄色など、さまざまな鮮 やかな色の結晶が見られる。しかし、硬度が 低くて傷つきやすいうえに、特定方向だけに 割れやすい性質 (劈開)があるため、ファセッ トをつける際は、野開の影響を避けるようにし、 熱や振動を与えないようゆっくり研磨しなけれ ばならない。この特性を利用して正八面体に 整形したもの(劈開片) がよく売られている。 1粒の結晶の中で色が異なることもあり、カッ トを工夫すれば、カラフルな縞模様を楽しむ こともできる。光の分散が極めて少なく、光 がほぼそのまま透過するという特性を利用して、 高純度無色透明の人工結晶が合成されており、 カメラの高級レンズに使われる。

フローライトという名前はラテン語の「流れ る・融ける」という意味のfluereに由来。製 鉄のスラグを融けやすくするための融剤として 古くから利用されている。紫外線照射によって 発光する現象をこの鉱物で発見したことから、 この発光現象を鉱物名に因みフローレッセンス (日本語では「蛍光」)とした。しかし、ホタ ルの光は発光物質の化学反応によるもので蛍 光ではない。また、「蛍石」という和名は、加 熱や摩擦による発光を古人がホタルの光にな ぞらえたという説が有力である。ペグマタイト、 熱水脈、接触交代鉱床に大きな塊が産し、時 立方体や正八面体の自形結晶も見られる

7月15日仏像真珠

7月16日アジュライト

岩絵具としても使われる群青色の石

青い釉薬や岩絵具として使われてきた銅の 「青」 に由来する。 炭酸塩鉱物。「アズライト」という名称は、ラ ピスラズリ (P.192)と同じく、ペルシャ語で を意味する「ラジュワルド」 柱状や厚板状などの複雑な形の結晶も知られ、 濃紺色でガラス光沢の結晶面で光 を反射させてキラキラと輝く。しか し、多くの場合、塊状、鍾乳状、 ブドウ状の細粒結晶の集合体で産 出し、光沢はあまりないが、研磨 すると青色がひき立つ。

「宝石としては、カボションカットや、 「薄くスライスしたものが流通してい る。アズライトは、二酸化炭素を 含んだ水が銅鉱物と反応してでき たものだが、水との反応が継続す こと、より安定した緑色のマラカイ に変わっていく。この ため、掘り出された時点でアズライ トとマラカイトが混ざっていること も多く、「アズルマラカイト」と呼 ばれる。アズライトとマラカイトが 縞模様をつくっているものは、研磨 されオーナメントとして使われるこ とがあり、発見地のフランス、シェ シーにちなんで「シェシライト」と 呼ばれる。また、マラカイトで描か れた歴史的な絵画作品には、もと もとアズライトで青く描かれていた のに、マラカイトに変化したために 緑っぽくなっているものも少なくない。

まとめ

この記事では宝石ルビーについて解説してきました。

宝石ルビーの中で一番高級品とされる「天然無処理で美しいミャンマー産ルビー」を探すのは意外と難しく、安く入手できる宝石ではありません。

品質が高い天然無処理で美しいミャンマー産ルビーであれば相性が良いルビーとは限らない。

実物を手の上に乗せてみて、好きなルビーを選ぶ、そして品質についての詳細を説明して貰う順番が大切ですので信頼できるジュエラー(専門店)でルビーを探すのが良いでしょう。

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