ルビーは、その鮮やかな赤い色と美しい輝きによって、宝石の世界で非常に人気があります。
この記事では、ルビーの人気の理由について探究し、どんな人々に愛されているのかを説明していきます。
ルビーが日本で人気を得た背景
ミャンマーで産出される天然無処理の美しいルビーは、古代から最高級の宝石とされてきました。
その価値が非常に高かったため、1800年代からは人工合成の技術が研究され、1983年にはフランスのヴェルヌイ博士によって初の人工合成ルビーが成功裏に生み出されました。
そして、1908年にフランスからルビーとして世界中に広まりました。
このため、日本でも多くの人工合成ルビーが「ルビー」として輸入され、3世代前の日本では、ルビーといえばこの人工合成石が最も一般的でした。
その結果、ルビーは普通の宝石として広く知られるようになりました。
宝石の真の価値は、美しさと「希少性」、そして時間が経っても変わらないことです。
一方で、人工合成石は大量に生産できるため、100年以上の間に数が増えすぎてしまいました。
宝石としての本当の価値を追求するのであれば、信頼できる宝石商から希少なルビーを探し出す必要があります。
そもそもルビーが人気の理由は?
ルビーは様々な理由から人気を得ています。
- 輝く赤色を持つ
- 古代から続く歴史がある
- お守りになる
- 耐久性がある
人気の理由①:輝く赤色を持つ
ルビーの最も顕著な特徴は、その鮮やかな赤色です。
ルビーの赤色は、クロムと酸素の相互作用によるもので、相互作用がルビーの赤い輝きを生み出します。
クロムがルビー中に取り込まれ、それが赤い色を示す特定の電子状態を形成します。この電子状態が光を吸収し、反射して私たちが見る赤色を生み出します。
この深紅の色合いは、愛情、情熱、勇気といった感情を象徴し、その美しい色合いは、愛情を表現するのにぴったりで、結婚指輪や記念日の贈り物として人気があります。
人気の理由②:古代から続く歴史がある
ルビーは歴史的に非常に重要な宝石で、古代から高く評価されてきました。
その名前「ルビー」は、ラテン語で「赤色」を意味する「rubeus(ルベウス)」に由来しています。古代のインドでは「ratnaraj(ラトラナジュ)=宝石の王」としても知られていました。
古代の文化では、ルビーはその鮮やかな赤が血液に似ていることから、生命力の象徴と見なされていました。
特にミャンマーなどのルビーの産地では、戦士たちがルビーをお守りとして身につけ、時にはルビーを体に埋め込むことも行われていたと言われています。
さらに、ルビーは病気や呪いから身を守る魔よけの石としても用いられていました。古代インドでは、ルビーを粉末にして薬として摂取する習慣もあったとされます。
中世ヨーロッパでは、ルビーは富や権力の象徴と見なされ、王や権力者たちが愛用していました。
さらに、ルビーには幸運をもたらすと信じられる伝説が多く存在し、そのために多くの人がルビーを愛する理由としています。
人気の理由③:お守りになる
ルビーのような赤色の宝石は、お守りとして広く用いられています。
フランスの英雄であるナポレオンは一生涯、肌身離さず大切にした宝石があります。
それは「オデム」と呼ばれる赤い宝石で、八角形の印章(インタリオ)だったと伝えられています。
しかし、この宝石の素材はカーネリアン(紅玉随)という宝石学が発展する以前の時代には、赤い宝石としてルビーと誤解されていました。
実際に、赤い宝石の中でも最も丈夫なものは現代のルビーです。
ルビーが採掘されない欧州では、赤い宝石は古くから価値が高く、珍重されていました。
この「オデム」と呼ばれる赤い宝石は、聖書にも登場し、ヘブライ語でアードム(アダム)と発音されます。
この「ドム」はヘブライ語で「血」を意味し、アダム(人類の祖であるアダム)の語源ともされています。
実際、ラテン語では「adamus」という言葉は赤い土で作られたことを指し、ルビーのような赤色を示します。
最終的に、地位を失いセントヘレナ島に流刑にされたナポレオンが最後まで大切に身に着けていたのが、エジプトで見つかったと言われるこの「オデム」でした。
人気の理由④:耐久性がある
ルビーは非常に硬度が高く、耐久性があるため、宝石としての価値が高いとされています。
その希少性と美しさからくる価値が、ルビーの魅力を高めています。
ルビーはモース硬度スケール(Mohs hardness scale)において、ダイヤモンドに次いで9の硬度を持つ宝石です。
この硬度は宝石の硬さを示す尺度で、非常に耐久性があることを意味します。
硬い宝石であるため、日常の使用において傷つきにくく、指輪やブレスレットなどのアクセサリーに適しています。
日常の摩擦や衝撃から宝石を保護し、美しさを保つ役割を果たします。
また、ルビーは傷つきにくいだけでなく、耐摩耗性も高いため、宝石としての表面の劣化や摩耗が少なく、年月を経ても美しさを維持します。
ルビーの耐久性は、宝石市場においてその価値を高めています。
高品質なルビーは非常に希少であり、その耐久性がコレクターや投資家にとって魅力的な要素となっています。
宝石ルビーの指輪だからこそできること
ルビーの指輪は着けている人をその赤い輝きで勇気づけてくれ、ルビーは何十年も着けていると着けている人のアイコンのような存在になっていきます。
ルビーの指輪を買ってよかったと思う瞬間は、いつか受け継がれる時がきた時に、ルビーに込められた「受け継がれる思い出」だと分かった瞬間です。
ルビーを含めた宝石は経変変化がありません。
大切に気を付けて使っていれば何百年経っても同じ姿で残り続けます。
私たち人間には、寿命があり、どんな若い人でもいつかは「さようなら」する時がやってきます。
その時に、苦楽を共にし、思い出がたくさん詰め込まれたルビーの指輪は特別な存在になっているはずです。
スマホを世界に広めたアップルの創業者スティーブ・ジョブスは、「あの世に持って行けるものは、ポジティブな思い出だけだ」と言い残したとされます。
人生の目的が「ポジティブな思い出」をつくることだとしたら、ルビーの指輪は、その「思い出カプセル」です。
いつか受け継がれる時がきた時に、プロの宝石商が観るタイミングがあります。
例えば、指輪であれば、サイズを合わせる、ジュエリーを磨きなおして新品のように戻す作業などです。
また仕立て直して構想(デザイン)を変えることもあります。
その時に、プロのジュエラーは必ずそのルビーの品質をみます。
枠から宝石を外す前にキチンと品質判定しないと信用問題になることがあるからです。
ルビーと思って使っていたけど、実は人工合成石だったなどの問題は良くあります。
お預かりする前に分かっておかないと大変なことになります。
人工合成石とルビーを入れ替えたとのではないか?と疑われるからです。
その時にもし、「このルビーは天然無処理で美しいミャンマー産のものです。~千万円で譲ってもらえませんか?」とプロのジュエラーにオファーされたとしたら、手放さなくても嬉しいはずです。
そして、受け継がれる側、受け取る側の人も、高価な宝石であると分かって気分が悪いはずはありません。
大切な人にプレゼントされたものだったとしたら、その人との思い出がキラキラと輝きだすはずです。
加えて、プレゼントした人は、誇らしいはずです。その方は、そのルビーの中で思い出として生き続けるのです。
人気のルビーの指輪をご紹介
7月または3月生まれの人
ルビーは誕生石(バースストーン)として、7月の誕生日を持つ人々にとって特に人気があります。
7月の誕生石はルビーで、この宝石はその美しさと象徴的な意味から、7月生まれの人々に愛されています。
ルビーは情熱、愛、勇気、幸福を象徴し、誕生日プレゼントとして選ばれることもあります。
また、フランスでは、ルビーは3月の誕生石とされているため、3月生まれの人にも人気です。
結婚40年目をお祝いする人
40年目の結婚記念日が「ルビー婚式」と呼ばれています。
結婚記念日に特定の宝石を関連付ける慣習は、各年の記念日に対応する「記念日のギフトリスト」に基づいています。
このリストは19世紀に始まり、特定の宝石や素材が結婚記念日に関連づけられました。
40年目の結婚記念日を「ルビー婚式」と呼ぶのは、そのリストに基づいています。
具体的には、結婚記念日に特定の宝石や素材を関連付ける伝統は、アメリカでは20世紀初頭に一般的になりました。
1922年にジュエラーズ・オブ・アメリカ(Jewelers of America)という団体が初めて結婚記念日のギフトリストを発表し、それ以来、多くの人々がこのリストに従って記念日の贈り物を選んでいます。
ルビーは情熱と愛情を象徴し、長い結婚生活の成功と続編を祝うのにふさわしいとされており、その美しい赤い色合いが、40年目の結婚記念日を特別なものにします。
リーダーシップ資質を持ちたい人
赤色は心理的に強い影響を持つ色で、多くの感情や特性を表現します。
一般的に、赤色は「積極性、行動力、情熱、エネルギー、興奮、陽気さ、恋愛、活力、祝祭、激しさ」といった力強い印象を与えます。
また、赤色は伝統的に王室やリーダーシップに関連する色とされていて、赤色のジュエリーを身に着けることは、自己表現と自己信頼を高め、リーダーシップの象徴となることがあります。
そのため、美しい赤色のルビーは、リーダーシップ資質を持つ人々、またはリーダーシップ資質を持ちたい人に人気です。
自信やモチベーションを高めたい人
科学的な研究によれば、色は人の心理状態に影響を与えることが実証されています。
赤色の環境に身を置くと、体感温度が1〜4℃上昇するという実験結果があります。
また、赤色は交感神経を刺激し、脈拍と血流を増加させ、体温を上昇させます。
これにより、気分が高揚し、興奮が増し、食欲が刺激され、暖かさを感じるといった心理的な効果が現れます。
そのため、モチベーションを高めたい時、自己アピールが必要な時、エネルギーを求める時などに、赤色のジュエリーを身に着けることで、自己表現や行動力を引き立て、効果を発揮することができると言われています。
赤色のジュエリーは、その強烈なイメージと心理的な効果から、個性を際立たせ、自信を高める手段として利用されています。
ルビーは人気のあるものを選ぶべき?
結論から言えば、ルビーには価値が高くなりやすい色や特徴は存在しますが、ルビーを選ぶ際には、人気に流されすぎる必要はありません。
私たちのライフスタイルは急速に変化していますが、変わらないものがあります。それは、自分自身の感性や好みです。
トレンドや他人の意見に流されず、自分の好みと個性を尊重してよいのです。
宝石ルビーも、人と同じように個性があり、同じものは存在しません。
個性が異なる複数のルビーがあり、その中から自分に合ったものを見つけることが大切です。
品質や鑑別書に記載されている情報ではわからない、自分とルビーの相性が鍵を握ります。
品質や色の濃さについて考えすぎると、ルビー選びを複雑にしてしまうことがあります。
まずは、好みに従って選んでみましょう。
プロの宝石商から品質について説明を受ける際には、そのルビーをルーペで見ながら説明できる宝石商が信頼性の高いです。
品質判定ができる宝石商は、価格設定や品質について説明し、その背後にある理由を説明することができます。
また、インクルージョン(内包物)についても詳細に語ることができるはずです。
もう一つのルビー選びのコツは、気になるルビーを手の甲にのせて、それを身に着けるイメージをしてみることです。
ルビーを身に着けている姿が自分自身を幸せにし、ウキウキとした気分になる場面を想像してみましょう。
そのルビーがあなたとの相性が良いものである場合、その瞬間がハッキリと見えるはずです。
複数のルビーを人気度合いで比べるのではなく、まずは好みに従って選んでみることが大切です。
ルビーの選択は、一生共にする宝物を見つけるプロセスであり、自分にとって特別な存在となるでしょう。
ルビーのアクセサリーに見られる人気モチーフ
人気のアクセサリーの方が良い?
ルビーを使って、さまざまなデザインのアクセサリーが作られています。
その中でも、とくに人気のモチーフを紹介します。
ルビーのネックレスの人気モチーフ
- ハートモチーフ:愛情や情熱を表現。恋人や家族への贈り物に適している
- クロスモチーフ:宗教的な希望や信念を示すシンボル
- 葉モチーフ:成長、再生、自然の力を象徴。新しい始まりや希望を表す
- 動物モチーフ:蝶は変化や自己変革、鳥は自由や夢を象徴
- 星モチーフ:夜空や宇宙の神秘、知識や希望を象徴
- 結び目モチーフ:永遠の絆と結びつき、愛や友情を強調
- 無限記号モチーフ:永遠、無限、不変性を象徴し、永遠の愛や絆を表す
ルビーのブレスレットの人気モチーフ
- ビーズモチーフ:幸運や健康、平和を願う表現
- 四つ葉モチーフ:幸運のクローバー、幸運をもたらすとされる
- クロスモチーフ:信仰の力と守護を意味し、クリスチャンに人気
- 天然石モチーフ:各石には特有の意味あり(例:アメジストは平和と冷静さ)
- 蛇モチーフ:再生や変化を象徴し、新たな未来への進出を意味
- 動物モチーフ:象は幸運や成功、蝶は変化や成長、猫は幸福や幸運を象徴
ルビーのリングの人気モチーフ
- ソリティアリング(一粒石):単一の宝石を中心に、一途な愛と純粋さを表現
- 三石リング:過去、現在、未来を象徴し、愛の成長と永続性を表す
- ハーフエタニティ:永遠の愛や結婚の約束を象徴
- エタニティバンド:無限の愛を表す、指輪周囲に連続して配置された宝石
- ハートモチーフ:愛情と情熱を象徴し、恋人や夫婦に選ばれる
- フラワーモチーフ:自然や美を表し、感謝や愛情を示す
- インフィニティ(無限)モチーフ:永遠を象徴し、結婚記念日の贈り物として人気