ルビーはコランダム?鉱物名と宝石名別の言い方がある?

ルビーをコランダムと呼んでいたり、サファイヤをコランダムと呼んでいたり、この記事では、さまざな呼び方についてや鉱物名コランダムについて解説していきます。

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ルビーはコランダム?ルビーの別のいい方?

ルビーはコランダム?

ルビーは鉱物名「コランダム」という酸化アルミニウム(Al2O3)の結晶鉱物です。

漢字では鋼玉と書きます。

化学式:AL2O3です。

他色鉱物の場合、コランダムのように鉱物名は一般的にはなじみが薄い方も多いのですが、宝石名(ルビーやサファイア)の方がは知っている方が多いです。

その理由は、鉱物名は主要構成 元素(と結晶構造)が同じものに対して名付けられるが、宝石名は同じ鉱物でも色が違うものには違う名前がつけられることが多いからです。

そもそも鉱物名とは?

独立した鉱物であることを認定し、その名称を決定する機関は、国際鉱物学連合の中の新鉱物・鉱物名委員会です。 正式名はあくまで英語(一部他のヨーロッパ言語のアルファベットを含む) になります。

一般には発見された地名や、鉱物学の発展に寄与した研究者、最初の採集者の名前にちなむことが多いようですが、 鉱物の形態や色を元にした名称も見受けられます。

2007年には、1つのグループで特徴的な化学組成を接頭辞でつけて鉱物名としている場合、化学組成を後に直接つけて 区別することが決まりました。

この方法は希元素を含む場合に1960年代から用いられた手法で、沸石(1997年)や緑簾石(2006年)などにも 用いられており、化学組成が直観的に分かってありがたいです。英語圏ではアルファベット順にソートすると、 同じグループが一か所にまとまるというメリットもあるようです。

一方、スミスソニアン博物館 (Washington DC, USA)では、 固溶体にて中間組成を作る鉱物や色彩により名前が変わる場合(特に宝石名など)は、代表鉱物名を独立名とし、 細分名を変種・亜種などするというものです。

この方法では、便利な通称名としか扱われることのなかった宝石名も学術的に取り込むことができます。 例えばルビーやサファイヤは応用物理などでは普通に学術用語として認識されているにもかかわらず 鉱物学的には無視されていますが、corundum var. ruby, corundum var. sapphireなどとすることができます。 

鉱物名の決まり方

王侯貴族、軍人、政治家の名前

1959年から国際的な新種の審査が始まりました。ここで、種と鉱物名の認定を行います。

人名にちなみ鉱物名をつける場合は、原則的に鉱物学とその関連分野の研究者や貢献がある人に限られます。その中には物理・化学の研究者や鉱物コレクターあるいは、ディーラーも含まれます。

1959年以前の鉱物名には、王侯貴族、軍人、政治家の名前がついているものがいくつかあります。今のルールでは難しいことです。

コランダムの語源は?

コランダムの学名は、ルビーを意味するインドのタミール語やテルグ語に由来すると考えられています。

ルビーとサファイアもコランダム

ルビーとサファイヤを違う宝石と思っている方も多いと思いますが、ルビーやサファイヤは同じコランダムという鉱物です。

コランダムには、虹に見られる赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の7色がすべて存在します。

赤はルビー、青いものを一般的にサファイヤ、そしてその色相の物には色名の後にサファイヤをつけ、まとめてファンシーカラーサファイヤと呼ばれています。

ルビーの主成分

コランダムの理想式は、Al2O3です。

これは、コランダムを構成している原子全体の2/5がアルミニウム(Al)で、3/5が酸素(O)であることを表しています。原子比Al:O=2:3という意味です。

コランダムの主成分のAlは特定微量成分で置き換わります。

ルビーではクロム(Cr)などが微量成分です。

主成分のAlを置き換えていることを、簡略式で(Al,Cl)2O3と表現します。

括弧内に主成分を最初に、それに続いてカンマで区切り微量成分を表示します。

主成分と微量成分の比率は、整数比にはまずなりません。分析には多少の誤差はあるので実験式は整数だけでは表示できません。

ルビーの分析結果の場合は次のような少数を使った実験式であらわされます。

(Al1.99Cr0.01)O3

サファイアの主成分

コランダムの主成分(サファイヤの鉱物名)はAl(アルミニウム)です。

主成分のAlは特定の微量成分に置き換わります。

サファイヤはチタン(Ti)と鉄(Fe)などが微量成分です。

主成分のAlを置き換えていることを簡略式では(Al,Ti,Fe)2O3と表現します。

コランダムのその他での使われ方

主にケイ散分に乏しいアルカリ深成岩やアルミニウム二富む源岩からできた変成岩(片麻岩、結晶質石灰岩、ホルンフェルス)に産出します。

6角板状から~柱状結晶、ほうすい状結晶がよく見られます。色の良くないものは、耐火物や研磨剤の原料にしかなりません。

コランダム(ルビーとサファイア)の硬度

コランダム(ルビーやサファイア)は、モース硬度スケールでは9です。

ダイヤモンドに次いで硬く、優れた靭性を持ち、衝撃を受けると割れる性質である「劈開」もありません。

化学的にも安定していて堅牢なので、毎日使用する指輪やその他のジュエリーにセットするのに最適となります。

硬度もあり耐久性に優れているコランダム

硬度もあり、耐久性に優れているルビーは身に着けて楽しみつつも、使わなくなった時や、いざという時に譲り渡すこともできます。

ルビーは、時代を超えて人から人へ受け継ぐことができる宝石です。

還流に値する宝石の条件を兼ね備えているルビーは、ミャンマー産の天然無無処理ルビーです。

ルビーの価値についてはこちらで詳しく解説しています。

ルビーを選ぶとき欠点を見抜く眼

本来、硬度もあり、耐久性に優れているルビーですが、ルビーと呼ばれているものの中には、様々なものがあるのでルビーを選ぶとき欠点を見抜く眼は非常に重要になります。

見た目は立派なのに比較的安価なルビーによく見られるのが欠点です。

  • 破損の原因につながるフラクチャー(割れ欠け)があるもの
  • プロポーションが極端に悪いもの、例えば宝石の厚みが深すぎたり、浅すぎたりするものです。
  • ルビーの耐久性に影響するインクルージョン(内包物)があるもの

これらの欠点を見分けるには、ある程度の経験が必要ですので、プロの宝石商(ジュエラー)に相談して確認してもらうことが大切です。

ルビーの品質の見分け方

大前提として、すべての宝石は、個性であり同じものが世界に2つと存在しません。

それぞれの価値がありますので、「宝石品質判定」という目安を設けることで目の前にある宝石ルビーの品質が分かります。

ルビーの品質は以下の7項目で判定します。

  1. 宝石種
  2. 処理の有無
  3. 原産地
  4. 美しさ
  5. 色の濃淡
  6. 欠点
  7. サイズ

詳しくはルビーの品質判定はこちらで解説しています。

宝石の美しさを保つための硬度

宝石になる鉱物は、希少性の他に、美しさと美しさを保つための硬度を持っていなければなりません。

宝石として利用されている鉱物の硬度が高いのは、そのためです。

身のまわりに普通に存在している砂の主成分は、角閃石と長石と石英です。

この3つの鉱物のなかで、最も硬いのは石英です。

石英よりも硬い(モース硬度計で7より大きい)鉱物を宝石として用いれば、砂ぼこりによるキズがつかないことになります。

モース硬度計で7よりも小さい鉱物は、砂ぼこりを取り除く時に、注意が必要です。

その際は、ふき取るのではなく、吹き飛ばすようにします。

「この記事の主な参考書籍・参考サイト」

  • 「決定版 宝石」著者:諏訪恭一/発行:世界文化社
  • 「図説 鉱物の博物学第2版」著者:松原聡/宮脇律郎/門馬綱一 / 発行:秀和システム

まとめ

この記事ではさまざなルビーの呼び方や鉱物名コランダムについて解説していきました。

是非、相性のいいルビーを探す際の参考にしてみてください。

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