GEMクオリティのルビーの原石は特別?天然石の見分け方と磨き方

原石は、人の手がいっさい加えられていない、自然のままのかたちで、ひとつひとつ「個性」を秘めいて、この自然の美しさが、宝石の原点です。

この記事では宝石の原石の中でも特別なルビーの原石について解説します。

Contents

そもそも原石とは?

ミャンマー産ルビーの母岩

採掘されたままの結晶の状態を原石と言います。

ルース(裸石)と原石が混同されることがありますが、ルースは、原石をカット(研磨)した状態を指しますので、別物です。

ルビーの原石をカットする際のポイント

 

宝石のカットは、鉱物の結晶の美しさの原理を理解し、原石を切り出し、形を整え、磨き、潜在的な美を最大限に引き出すことが重要です。

ルビーの原石は非常に高価なので、カット職人はできるだけ歩留まりを良くしようとします。

結晶の方向によって見える色が異なる多色性も、カットに影響を与えるもうひとつの要因です。

ルビーの原石をカットする際のポイント①二色性

宝石ルビーの結晶には二色性があり、研磨する時にオリエンテーション(石をどの向きで、どういう形にするか)によって色調が変わってきますが意外と知られていないことです。

これを間違うと、オレンジ色とピンク色の混ざった残念な姿になります。

ルビーの結晶には軸があり、例えば六方晶(三方晶もありますが例えが簡単なのでこちでは六方晶で解説します)の場合は、鉛筆に例えると芯の入っている部分が軸になります。

削る前の新品の鉛筆の六角形の面をテーブル(宝石上面の平らな部分)にして研磨した場合は、最も良い色調がでます。

しかし鉛筆を横に倒した部分にテーブルを設定すると、結晶に入った光が2方向に分かれてしまうため、前述のように美しい赤色になりません。

ルビーの原石をカットする際のポイント②結晶の生地を残すため

ルビーやブルーサファイアの形で、キューレット(下部の尖った部分)が上から見て上下、若しくは左右に大きくズレたものがある理由は、なるべく結晶の生地を大きく残すためです。

鉛筆の六角形の部分を二色性が出ない範囲で傾けていくと長細い六角形になると思います。

そして、結晶の生地をなるべく大きく残そうとするとキューレットの場所が上下または左右にズレるはずです。

研磨職人が苦心して貴重な結晶の生地を残そうとした跡だと思ってみて下さい。

ルビーの色調は研磨する時のオリエンテーション(石どり)でも変わってきます。

ルビーの出現率を調べるためにミャンマー北部のNam-Ya鉱山へ

ミャンマー産の天然無処理で美しいルビーは、とても希少性が高く、文字通り「宝探しをして手に入る宝石」です。

モリスは、世界で初めてミャンマー北部のNam-Ya鉱山で4年間採掘を行い出現率を調べ、日本宝石学会で発表した宝石商です。

天然無処理で美しい1ctを超えるルビーが見つかる確率は、(天然無処理で使える原石の中))2200個に1個の割合でした。

採掘されたルビー

ジェムクオリティ(最高品質)の天然無処理で美しいルビーが見つかるのは、何千個に一つ。

需要と供給のバランスで見た場合、GEMクオリティーのルビーの価値は驚くほど高くなります。

お宝として十分な美しさを持つ「GEMクオリティ」は右上の小さなトレイに入っているルビー原石のみです。

自然の産物である天然宝石は、人の都合で産出量も変えられないし、資源枯渇し無くなったら、それで終わりです。ルビーの価値は、原石の段階で決まっています。

ルビーの原石が産出する地層

ルビー原石の地層

ミャンマー最北部のカチン州Nam-Ya鉱山のルビーの原石が産出する地層です。地中に埋まった原石を土砂の中から探す漂砂鉱床という場所で、ルビーの原石は見つかります。Nam-Ya鉱山の結晶は、小さいけど美しくて内包物などが少ないのが特徴です。

モゴック鉱山一次鉱床(プライマリーソース)

プライマリーソース

ルビーでは世界的に有名なMogok鉱山は漂砂鉱床もありますが、母岩の中で結晶化した姿のままで採掘される一次鉱床(プライマリーソース)もあります。

左手あたりにある黒っぽい線状の部分がルビーの鉱脈です。

宝石として素晴らしい、ルビーはどんな品質の原石なのか

モゴックルビーの原石

ルビーの価値は、原石の段階で決まっています。原石の状態でルビーを見分けることが出来ることが重要です。

こちらのルビーの原石は写真では美しく見えますが、残念ながら、宝石ルビーとしては、高い品質ではありません。

ルビーの品質についてはこちらで詳しく解説しています。

モゴック産ルビーの原石のクオリティースケール

原石のクオリティスケール

ここで紹介するのは、ミャンマーモゴック産ルビーの「原石のクオリティスケール」です。

これらはカット・研磨が上がった状態を想定して、濃淡、美しさを判定したもので、自然のままの原石を美しさを見定めたものではありません。

現地で原石を採掘している人立ちは、実際にこのスケールを参考に、優れたカット石に仕上がる確率の高い原石を収集しています。

ルビーの原石の違い品質の違い

ミャンマー産天然無処理ルビー専門店モリス

ジュエラー

ルビーひとつ、ひとつをルーペで確認しています

モリスは、今までの宝石の流通と全く違った考え方でできました。

ミャンマー産の天然無処理ルビーしかやらないと決めたのは理由は、自信を持ってお宝だとオススメできるものだけを扱うためです。

ビジネスであれば、採算が合うか?合わないか?を最初に考えてから始めるのが普通ですが、自らの眼で原産地で確認し、ルビーを見る時は、「自分がお宝として持っていたいか?」という目線です。

ルビーの原石の形を活かすオリジナルカット

相性のいいルビー

ルビーの原石をシンギュラリティカットという一つ一つの原石に合わせて一つ一つ形を考えて磨く新しいスタイルも同じコンセプトから生まれました。

モリスは、鉱山でルビーの採掘をして、天然無処理で美しいルビーの原石、最初から美しい原石は「自然の造形美」、最小限の作業で、その自然の造形美を伝えたいと生まれたのがモリスルビーのシンギュラリティカットです。

宝石の形を、自然が決める

宝石を見つけて、それを持つことしかできなかった太古の人類は、母なる地球、宇宙の法則を人間が崇めるところから始まりましたが、産業革命の時代を機に、自然の造形美であり、硬くて形を変えられないモノの代表格であった宝石の形も人間は変えられるようになっていきました。

技術が発達したことで我々はまるで、人間の持ち物だと言わんばかりに地球の資源を、人間がつくった政府の許可があれば使えるようになってしまったのです。

そして、無限だと思っていた母なる地球の資源は、実は有限であり、このまま人類が資源を消費し続けると、私たち自身の存続が危ぶまれることが分かってきました。

宝石ルビーは、人の都合で産出量も変えられないし、資源枯渇し無くなったら、それで終わりです。

宝石の研磨も人の技術の正確さを競いあった時代から、「振り子の方向が逆転した」自然の造形美を「絶対的な形」と捉えて、それを磨く、より美しい姿にして、次の世代へ受け継ぐという人の感性が大切だと考えました。

そして、そのルビーが世の中に一つだけだという意味をこめて「シンギュラリティカット」という名前にしました。

まとめ

この記事では、人の手がいっさい加えられていない、自然のままのルビーの原石について解説してきました。

人の手がいっさい加えられていない、この自然の美しさが、宝石の原点です。

そして、その中からジェムクオリティ(最高品質)の天然無処理で美しいルビーが見つかるのは、何千個に一つ。実際に採掘することで宝石ルビーが希少な宝石であることがわかりました。

モリスは、ミャンマー産の天然無処理ルビー、自信を持ってお宝だとオススメできるミャンマー産の天然無処理ルビーだけを扱っています。

ルビーに興味がでてきたときは是非一度お店に身にいらしてください。

Contents
閉じる