モリスルビー07OR0054

 

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モリスルビー07OR0054

カラット 0.09ct
Origin(産地) Myanmar
Quality(品質)
Size(サイズ) 2.9/2.2/1.3

ルビー(天然無処理)

ミャンマー産 天然無処理ルビー モリスルビー08AT0377 0.08ct Myanmar

ルビーの特徴

褐色の少し強い色調と淡い色の濃淡、透明度は高く、彩度も良い結晶は、ヒマラヤ山脈の麓にあり北は中国、西はインドに国境を接するミャンマーの一番北側、カチン州にある幻のルビー鉱山ナヤン(Nam-Ya)で産出されました。サイズは、縦2.8㎜/横2.6㎜/深さ1.8㎜、重さは0.11ctと小粒で、何とも中途半端な形になってしまいました。希少な天然無処理で美しいミャンマー産ルビーを研磨する時には、いつも、それがたとえ小粒でも、原石の生地を最大限に活かすべく、覚悟をもって研磨作業をするのですが、残念ながらこのルビーは、上手くいきませんでした。原石にエメラルドカットのテーブルとそれを囲むようにクラウン部分に切子(ファセット)面をつけて行きましたが、研磨の途中でオリエンテーション(石どり)が間違っていることに気づき、作業途中で、スタイルの変更したために不規則な形になりました。ガードル部分の輪郭が不規則なのも、そのためです。研磨の途中で大きな結晶インクルージョンが表面すぐ下に出てきてしまったこと、そしてエメラルドカットにするために下面のパビリオン側の結晶の向きが捩れていること…何とかファセットをつけてリカバリーしようと研磨職人が一生懸命に努力した跡が見えますが、結果的に、何とも中途半端な仕上がりになってしまいました。宝石品質判定のクオリティスケール上でこのピンキッシュルビーをみた場合、美しさは「C」欠点はあるが美しいもの、仕上がった以上、この形がこのルビーの個性ですが、原石の時に結晶の軸を見誤っています。そして色の濃淡は「#2」、品質を3つのゾーンに分けた場合、アクセサリークオリティ(宝飾品質)です。最初にもう少し、このルビーの個性、特性をしっかりと見てローズカットのように小さなファセットで結晶上面を構成していたら…ジュエリークオリティになっていたかも知れません。ここからリカット(再研磨)して形を整えることはできると思いますが、小粒なので非常に難しい仕事になり、次に失敗すると生地が無くなってしまいます。いつも原石の個性をみてベストの形で送り出してあげたいと努力していますが、人間にはミスがあります。ここからどうやってこのピンキッシュルビーを再仕上げしていくことができるか…ミヨテと打合せをしてみたいと思います。今のままでは、すこしかわいそうです。

ルビーの内包物

天然ルビーは、自然の恵みであり唯一無二の個性を持っています。それぞれの結晶の中に内包されるインクルージョンはそのルビーの個性を表します。またこのインクルージョンは、原産地、処理の有無を判定する際の重要な手がかりとなります。

この記事を書いた人

森孝仁

株式会社モリス 代表取締役社長

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