モリスルビー23MKMY003
カラット 1.13ct
Origin(産地) Myanmar
Quality(品質)
Size(サイズ) 6.2/6.1/3.5
ルビーの特徴
ほんの少し紫味を感じさせる素晴らしい赤色のしっかりした色調と驚くほどの高い透明度と彩度が特徴的な天然無処理で美しいミャンマー産ルビーは、最北部カチン州にある幻の鉱山ナヤン(Nam-Ya)で発掘されました。形の良い原石の結晶の生地を大切にしながらラウンド型の輪郭、パビリオン側にステップをつけて磨いたミックスドカットです。サイズは縦6.2㎜/横6.1㎜/深さ3.5㎜、重さは、1.13ctです。顕微鏡でその内なる世界を覗くと、ナヤン産ルビーらしい、繊細なシルクインクルージョン(ルチルの針状結晶が絹を編んだように内包されてるもの)と小さな結晶インクルージョンが確認できます。糖蜜状組織は、モゴック鉱山産のそれと比較するとおとなしい感じがするのもナヤン産の特徴です。さて、天然無処理で美しいルビーでピジョンブラッドという呼称が使われるルビーが産出する鉱山は、世界で、このミャンマー最北部のナヤン鉱山と、歴史的に有名なモゴック鉱山の2つしかありません。ミャンマーにもう一つあるモンスー(Mong-Hsu)鉱山もあるのですが、残念ながら、今のところ天然無処理で美しいものは、見たことがありません。前述の通り「幻のルビー鉱山」と呼ばれるのは、知っている人が少ないからです。正式にルビー鉱山として認められたのは2000年のことで、私たちモリスが、実際にモリスミャンマーのイエッチョーとミヨテをリーダーとする鉱山採掘チームで採掘に乗り出した2007年でも、未だモゴック産と混同されていました。多くのピジョンブラッドルビーが、それまでに知名度の高かったモゴック産ピジョンブラッドとして世界へ出ていきました。スイスの宝石研究所で博士に分析してもらってもデータが似通っていて、結果を見ると産地の差よりも個体差の方が大きいというのがその見解でした。しかし、原産地で採掘を続け、1㎜のルビーでもインクルージョン(内包物)の顕微鏡拡大写真を撮影し続けていった結果、少しずつ見分けられるようになってきました。すでに世界中でピジョンブラッドルビーと認識されているルビーが後から、ナヤン産だったと分かる日が来るかもしれません。その時には、もうナヤンの鉱山は産出がストップしているかも知れません…。ということで幻になるかも知れないということなのです。このルビーを宝石品質判定のクオリティスケール上で見た場合、美しさ「A」、色の濃淡「#6」のGQジェムクオリティ(最高品質)です。
ルビーの内包物
天然ルビーは、自然の恵みであり唯一無二の個性を持っています。それぞれの結晶の中に内包されるインクルージョンはそのルビーの個性を表します。またこのインクルージョンは、原産地、処理の有無を判定する際の重要な手がかりとなります。
この記事を書いた人
森孝仁
株式会社モリス 代表取締役社長