モリスルビー23MY0039
カラット 0.07ct
Origin(産地) Myanmar
Size(サイズ) 2.5/2.5/1.7
ルビーの特徴
とにかく「赤い!」コクのある素晴らしいルビーの色調と彩度の高さが特徴的な天然無処理で美しいミャンマー産ルビーは、ミャンマー最北部カチン州のルビー鉱山ナヤン(Nam-Ya)で発掘された原石をラウンド型のブリリアントカットに磨きました。サイズは、縦横2.5㎜/深さ1.7㎜で重さが0.07ctととても小粒です。宝石品質判定のクオリティスケール上でみた場合、美しさ「A⁻」、輝きがあり美しいもの、マイナスをつけている点は、透明度の部分です。シルクインクルージョンがしっかりと結晶全体に内包されていることから透明度こそ少し低くなっていますが、このインクルージョンによって赤く彩度が高くなっていることもありますので、マイナス評価をするほどではありませんが、「B」美しいものよりは格が高いという中間を取った判断です。色の濃淡は「#5」、3ゾーンはGQジェムクオリティ(最高品質)です。透明度と引き換えに素晴らしい色調が表現されているルビーで、好みはあると思いますが、素晴らしいルビーです。バックファセット(キューレット側)からの輝きが少し弱いのは写真の写りが少し悪いだけで、実物を是非ご覧いただきたいところです。インクルージョンによって表現された美しさ…という部分がまさに大自然の造形美らしくて良いと思います。大自然の造形美とえば…昨年、東京上野にある国立科学博物館で開催された特別展「宝石 地球がうみだしたキセキ」でもお世話になった、諏訪貿易㈱の諏訪会長、そして西本 昌司先生(愛知大学 教授)の両氏の会話をきいたことがあります。宝石は、母なる地球がうみだした大自然の造形美…「うみだす」といえば、私たちは、何か有機的な生きものを思い浮かべます。機械的に組み立てた感じではなく、自然の営みが育んだ結晶…人間の手の届かないところでうまれた結晶…というふうに感じます。会話の中に、その地球を生命体と呼んでいいのか、違う表現はあるのか?という議論がありました。先生いわく「学者の立場としては、生命体ではなく、活動体と表現せざる得ないが…そう云いたい気持ちは、よく分かります…」とのこと。正確には「活動体」だそうです。今まで使っていなかった呼び方を教えていただいた訳ですが、学者ではない私には、〇〇体と「体」がついている時点で、身近に感じられる対象になります。それ以降、宝石ルビーは、地球という活動体が生み出した自然の造形美だというイメージが広がり始めました。このルビーのベルベットのようなコクのある赤色は、大自然の造形美そのものです。
ルビーの内包物
天然ルビーは、自然の恵みであり唯一無二の個性を持っています。それぞれの結晶の中に内包されるインクルージョンはそのルビーの個性を表します。またこのインクルージョンは、原産地、処理の有無を判定する際の重要な手がかりとなります。
この記事を書いた人
森孝仁
株式会社モリス 代表取締役社長