モリスルビー23SR0091
カラット 0.21ct
Origin(産地) Myanmar
Size(サイズ) 3.6/2.9/2.5
ルビーの特徴
紫味を若干感じさせる強い赤色の色調と高い透明度、そして彩度の高さ、バランスの良いプロポーションが特徴的な天然無処理で美しいミャンマー産ルビーは、最高級ルビーを産出することで国際的に知られる鉱山モゴック(Mogok)で発掘された原石をオーバル型のミックスドカットに磨きました。サイズは縦3.6㎜/横2.9㎜/深さ2.5㎜、重さは0.21ct、宝石品質判定のクオリティスケール上でみた場合、美しさ「A」輝きがあり美しいもの、色の濃淡は「#5」、3ゾーンはGQジェムクオリティ(最高品質)です。このルビーは小粒ですが、堂々とした品質のルビーです。ピジョンブラッドと呼んでも差し支えないでしょう。さて、ピジョンブラッドという最高級のルビーを生み出す鉱山は、モゴックとナヤンがありますが、そのどちらもミャンマーにあり、ザガインフォルトと呼ばれる活断層にそって位置しています。インドプレートがユーラシアプレートに衝突してできた活断層がミャンマー産ルビーを育んだわけです。先日、宝石は、地球という活動体が育んだ結晶だという話を紹介しましたが、ミャンマー産ルビーの場合は、プレートの動きに加えて、約6億年前から4億年前の古生代カンブリア紀に海の中で生きた生物のカルシウム分が、海底に堆積し、そして2000万年前に地下40㎞でマグマと接触した熱で変成したものがミャンマー産ルビーの母岩です。要するに地球に生命がなければミャンマー産ルビーは無かったわけです。接触変成岩(白い大理石)に包まれて産出するルビーを観ていると何か特別な気持ちになります。そしてまた、ミャンマー産ルビーが、太古よりお守りとして大切にされた理由の一つに、紫外線域の光に当たると鮮赤色に蛍光する特性がありますが、これもミャンマー産ルビーが結晶する40㎞ともいわれる地下深くには、その蛍光反応させる元素Crが地表と比較して遥かに豊富にあることが影響しています。他の産地のルビー(インド、タイランドなどの玄武岩起源、またはモザンビーク、スリランカなどの広域変成岩起源など比較的浅いところ、鉄分が多い地層で結晶するルビーは蛍光反応が弱い)では見られない特徴は、地球が活動体(生きているともいえる)であり、また海の中に生命があったからです。顕微鏡でルビーの内側を覗くと…太古に生きたカルシウムの結晶インクルージョン…アパタイトなどの結晶が見えてきます。
ルビーの内包物
天然ルビーは、自然の恵みであり唯一無二の個性を持っています。それぞれの結晶の中に内包されるインクルージョンはそのルビーの個性を表します。またこのインクルージョンは、原産地、処理の有無を判定する際の重要な手がかりとなります。
この記事を書いた人
森孝仁
株式会社モリス 代表取締役社長