モリスルビー21MY0083(Pinkish Ruby)
カラット 0.52ct
Origin(産地) Myanmar
Size(サイズ) 5.3/4.0/2.6
ルビーの特徴
ペアシェイプでも、ラウンドでもない原石の時の形を活かしたモリスシンギュラリティカットの天然無処理で美しいミャンマー産のピンキッシュルビー、モリスはルビー専門店なので、呼び方をピンキッシュルビーとしていますが、この色の濃淡のものは、一般的にはピンクサファイアと呼ばれるでしょう。すこしだけ青味を帯びた色調と高い透明度、そして彩度の高い美しい原石の上側をカボションの形、下のパビリオン側にファセット(切子)面をつけたバフトップというスタイルに磨きました。サイズは縦5.3㎜/横4.0㎜/深さ2.6㎜、重さは0.52ctです。品質は、美しさ「A」輝きがあり美しいもの、色の濃淡は「#2」、品質を3つのゾーンに分けるとAQアクセサリークオリティ(宝飾品質)です。そして、ピンキッシュルビーの値付けは、もし仮に、リカットして0.3ctのオーバル型ミックスドカットにした場合、どのくらいか?を目安にしています。要するに、SGカットだから値段が高くなるというものではない…そのための宝石品質判定だと思います。モリスシンギュラリティカットのコンセプトは、産出した原石を大自然の造形美と捉えて、少しずつ磨くというスタイルです。最初から理想の形にするために結晶の生地をカットせずに、ちょっと磨いてみて、確認して、またちょっと磨く…元々あった美しさを表現するだけです。良いところは、結晶の生地がほとんど減らないところで、後から幾らでもリカット(再研磨)する余地があることですが、問題はジュエリーに仕立てる時です。イレギュラーな形ばかりなので、ジュエリーの石座を製作、石留をする職人の手間は何倍もかかり大変です。モリスSGカットの根本にあるのは、採掘をしていた時の感覚、現場でみた原石は、品質がどうであってもお宝であり、すべてが大自然の造形美だったという思い出です。本当にすべてが魅力的でした。しかしその後、私たち人間が考えた形、従来からあるキレイなスタイルに揃えられ、そして普通の枠にセットされてお店に並ぶと、なんだかロボットみたいになって、原石の時に見た魅力的な感じが無くなることもあります。個性が分からなくなるのです。このモリスSGカットが正解かどうかは分かりませんが、宝石の価値は原石で決まると思います。その魅力を今後も伝えていきたい。このピンキッシュルビーは、ピアスなどに仕立てて、左右ちがう形でつくると個性的で楽しいはずです。
ルビーの内包物
天然ルビーは、自然の恵みであり唯一無二の個性を持っています。それぞれの結晶の中に内包されるインクルージョンはそのルビーの個性を表します。またこのインクルージョンは、原産地、処理の有無を判定する際の重要な手がかりとなります。
この記事を書いた人
森孝仁
株式会社モリス 代表取締役社長