モリスルビー10AL0036
カラット 0.15ct
Origin(産地) Myanmar
Size(サイズ) 3.4/3.3/1.8
ルビーの特徴
小粒で丸く濃い色のルビー…コクのある色調ながら、サイズ的に少し濃さが強すぎるかも知れません。強い光が当たるとパッと目が覚めたように赤く輝きますが、蛍光灯の下など、ミャンマー産ルビーが美しく見えない光源の下では、黒っぽく沈んだ色になってしまいます。産出は、ミャンマー最北部カチン州のルビー鉱山ナヤン(Nam-Ya)です。ヤンゴンでラウンド型のブリリアントカットに磨きました。サイズは縦3.4㎜/横3.3㎜/深さ1.8㎜、重さは0.15ctと小粒で前述の通り、サイズから見て少し濃すぎるかも知れません。これが1ctを超えるサイズであれば、コクのある色調が表現されたと思います。このルビーを宝石品質判定のクオリティスケール上でみた場合、美しさ「C」欠点はあるが美しいもの、これについては、結晶インクルージョン(アパタイトと思われる結晶)がガードル(輪郭部分)近くのクラウンの部分のファセットの表面に出てきていること、ルビーをジュエリーの枠に留める時に細心の注意を払う必要があります。直接破損の原因にはなりませんが、見ておきたいところです。そしてリカット(再研磨)したとしても、次は、横にある他の結晶が表面に出てきてしまいます。アパタイトやカルサイトなどのカルシウムが含まれた結晶は、それそのそのものが、ミャンマー産ルビーが結晶した環境を伝えてくれる大切な証拠ですし、結晶インクルージョンがファセット(切子)面の表面に出てきているから悪いわけではありませんが、表面に顔を出している場所には注意が必要です。そして、色の濃淡は「#6.5」と3.5㎜というサイズを考えると少し濃すぎると思います。時々、ルビーは濃ければ濃いほど格が高くて好きだ!とおっしゃる方もおられて、持つ方の好みによりますが、品質判定のスケール上では、3ゾーンに分けるとJQジュエリークオリティ(高品質)になります。これが前述の通り、1ctを超えると見え方が変わってきて、2ctを超えるとGQジェムクオリティとして考えた方が良いでしょう。ルビーはサイズによって最適な色の濃淡が違うということです。
ルビーの内包物
天然ルビーは、自然の恵みであり唯一無二の個性を持っています。それぞれの結晶の中に内包されるインクルージョンはそのルビーの個性を表します。またこのインクルージョンは、原産地、処理の有無を判定する際の重要な手がかりとなります。
この記事を書いた人
森孝仁
株式会社モリス 代表取締役社長