ルビーの美しい赤色は、人類が最も気になる色であり、守護の色として大切にされてきました。
そんな色をもつルビーは、非常に人気の高い宝石です。
相性の良い宝石ルビーを着けていると、その赤い輝きがあなたをポジティブにしてくれます。
それだけにルビーの歴史は、よく似たモノの歴史であり、相性が良いと思って手に入れても、宝石ではなかったなどの話はよくあり、本物を見つけるのが難しい宝石の種類です。
そして宝石は大自然からの贈り物、同じものが2つとない唯一無二の個性です。その数ある赤い石の中から相性の良いルビーを見つけるのには、コツがあります。
この記事では、相性の良いルビーを見つけるための基本的なポイントを紹介します。
ルビーの中でも「相性の良い」ルビーを見つけることができたら、何百年経っても変わらず、キラキラと輝きながら、あなただけの思い出カプセルになっていきます。
宝石本来の存在価値であり、あなたの一生の宝ものになるでしょう。
「相性が良いルビー」とは?
そもそも、「相性が良い」とはどのような状態を指すのでしょうか。
個性が2つ以上あれば、相性が生まれます。同じルビーがあったとして、ある人には良くても、他の人には合わないというものです。
宝石ルビーは、同じものが2つとない唯一無二の存在、そして私たち人間も個性ですから、相性があって当たり前です。
相性が良いかどうか?これを見抜くのがプロのジュエラーの仕事で一番重要だと言って過言ではありません。
ルビーの品質をしっかりと把握して、購入する人に合うかどうかを見極める仕事です。
相性の良いルビーを探す時の一番良い方法は、ルビーの品質を見抜けるジュエラーを見つけるのが近道でしょう。
せっかく相性の良いルビーだと感じたのに、見た目が良くても内容が悪いルビー(鉛ガラス含侵処理されたような宝石としての価値がほぼ無いモノ)だとしたらガッカリしてしまいますし、もし知らずに購入してしまったら、後から大変です。
相性の良いルビーを見つける
ルビーを購入するなら、自分と相性の良いものを選びたいものです。
さて、ルビーを購入する人にとって、相性が良いかどうか?を見分けるのに一番正確なのが、手の上に乗せてみて「好きかどうか?」という視点で感じてみることです。
実際に自分が着けている姿をイメージしてみれば分かります。これは、品質の良し悪しよりも大切なことです。
どれだけ品質が高くても、「どうしても好きになれないルビー」というものがありますので、気を付けて下さい。他の人に褒められても嬉しくないそんなルビーは、選ばないことです。
そして、好きなルビーが見つかったら、次は品質の説明を「宝石品質判定」の基準でしっかりと説明してもらいましょう。
自分が好きだと感じ、選んだルビーが、驚くほど高額であったり、またその逆で、あれ?、と思うほど安い値段であるかも知れませんが、理由がありますので、説明を聞けば納得できます。
おすすめできないルビーの選び方は、先に品質判定の話を聞いて、品質の高いルビーを探すことです。
相性の良いルビーを見つける方法は以下のとおりです。
- ジュエラーに品質ごとの相場を聞いて予算を立てる
- ルビーを手の上に乗せるなど、身に着けて「好き」かどうかを感じる
- 宝石品質判定の基準で品質の説明をしてもらい納得できるものを探す
ルビーの宝石品質判定についてはこちら
ルビーと相性の良い宝石
ルビーと相性の良い他の宝石を身につけることで、その効果を高めることができるという話を聞くことがありますが、確かに、深紅のルビーとダイヤモンドの組み合わせは「紅白」で縁起がよさそうですし、19世紀に流行ったリガードリング(REGARDルビー/エメラルド/ガーネット/アメシスト/ルビー/ダイヤモンドの宝石の頭文字を取った順番で宝石を並べた指輪)は、直訳すると「尊重する=大切な方」という意味で贈り物に使われました。
特に、どの宝石とルビーの相性が良いか?という話ではないように思います。
大切なのは、ルビーとその他の宝石という話の前に、そのルビーは、個性であり、同じルビーは2つと存在しないということです。
それは、他の宝石も同じことです。
それぞれの宝石の個性が好きになれるかどうか?が宝石を選ぶときのポイントになります。
相性の良いルビーと出会うには?
宝石ルビーが個性であり、同じルビーが世の中に2つとないことが分かったら、次は、どうやって相性の良いルビーと出会えるのか?
ここでは、相性の良い宝石を見つけるためのコツを紹介します。
- 相性の良いルビーと出会うためには?
- 宝探しの前にプロのジュエラー探しをする
相性の良いルビーと出会うためには?
どうせ購入するなら相性の良いルビーと出会いたいものですが、具体的にどうやって出会うことができるのか?簡単そうですが、実は結構、難しいことです。
その理由は、ダイヤモンドであれば、お店で見るものほぼすべてが「天然無処理のダイヤモンド」ですがルビーの場合は、ほぼすべてのルビーが天然無処理ではなく、人為的に加熱処理などにより美しさを改良したモノ、もしくは、類似石、模造石などのよく似たモノだからです。
重度な処理をされたモノなどは、見た目は立派ですが、宝石としての価値が著しく低いため手放す際に値段が全くつかない…などの問題点があります。天然無処理で美しいルビー(特にミャンマー産)の価値の根源は、その希少性です。品質判定するうえで、処理の有無はとても重要です。
「非加熱ルビー」として販売されているルビーは、第三者の鑑別業者が発行する鑑別書に「加熱された痕跡が認められない」とコメントされたモノで、天然無処理で美しいかどうか?については、鑑別書の裏書に注意事項として「品質を保証するものでは無い」と明記されていますので、確認しておいてください。最終的にルビーを販売するお店が保証するべき問題です。品質保証書をそのお店の名前で発行していることが重要です。
せっかく探したルビーです。手放すことは無いとしても、仕立て直し(リフォーム)などの時に、必ずジュエラーがどんな宝石か?鑑別するはずです。その時に、「赤い石」とか「ルビーと思われる石」なんて預かり証に記されると思い出にキズが付いてしまいます。
手放す時、仕立て直しする時、受け継ぐときに、「天然無処理で美しいミャンマー産ルビー」と褒めて貰えることは、宝石として大切なことです。そのため、まずは天然無処理で美しいルビーなのかどうか?を見分けられるプロのジュエラーを探す必要があります。
自分の感性を大切に
ライフスタイルが急激に変わっていったとしても、変わらないものがあります。
それは自分の感性、つまり「好き」と思えるものです。
個性豊かな宝石ルビーと人間も同じく、同じものは存在しません。個性があれば必ず相性があります。
繰り返しになりますが、「好きかどうか?」が相性の良いルビーを見分ける鍵です。
専門的な話に入る前に、手の甲や指にルビーをのせて、自分が好きなものを選ぶことが重要です。情報を忘れて、「好きかどうか?」という視点で選ぶことです。
その後で、しっかりと品質についての説明を受ける順番です。
ピジョンブラッドや色の濃さなどにこだわりすぎると、選ぶ際に混乱することがありますが、後から宝石品質判定の説明を聞けば納得できるはずです。まずは好きかどうか?で判断し、その後にプロの宝石商に品質について相談するのが良いでしょう。
品質判定ができるプロは、価格の理由やルビーの品質について説明してくれます。
手にしたときの気持ちを想像する
具体的に、相性の良いルビーかどうか?を感じるコツは、手に持って心地よさを感じるかどうか、着けている自分を想像することです。
ウキウキとした気持ちになる姿が見えたら、それが「相性の良いルビー」です。見えなかったら、そのルビーは選ばない方が無難です。
複数のルビーを並べて比較すると混乱します。
比べるのではなく、一対一でルビーと向き合うような感覚です。ポイントは、文字で表現できないような部分です。「何となく」は大切な感覚です。
欧米のブランドは、「私たちブランドが選んでいるから間違いない」というイメージを広告で浸透させ、「相性が良いかどうか?」を選ばせないようにしていますので、用心してください。
目の前の人がブランドではありません。
ルビーの選び方は、一期一会と思って「好きになった」ルビーを選ぶことです。
宝探しの前に、プロのジュエラー探しをする
相性の良い宝石(ルビー)と出会うためには、品質のことをジュエラーに任せて、好きかどうかの目線で、安心して選べる環境であるかが重要です。まずは、品質判定できるプロのジュエラーを探しましょう。特に、難易度の高い宝石ルビーの場合は、宝探しの前に、プロのジュエラー探しをすることをおすすめします。
プロのジュエラーかどうか?を見分ける方法は
- 自分が持っている赤い石を見て解説してくれる
- ルビーの産地の話を聞く
- ルビーを将来、手放すとしたらどうしたら良いか?の話を聞く
特にご自分が持っている赤い石は、自分自身で何か分かっているのですから、鑑別書など添付されている書類は、持って行かない、無い方が良いでしょう。
プロのジュエラーは、ルーペでその赤い石を観れば何か分かるはずです。少しいじわるな方法ですが、一生一緒にいる宝物ルビーを探しているのです。そのくらいはしても良いでしょう。
ルビーの産地の話を聞く
宝石の価値は、品質はもちろんですが、需要と供給のバランスを理解していないと価値判断はできません。
今どのくらい産出しているのか?聞いてみて下さい。その時に、納得できる話かどうか?が重要です。
インターネットが発達した時代に重要なのは、誰かに聞いた話ではなく一次情報です。
実際に採掘現場で仕事をした経験があればベストです。
どこの鉱山のルビーが、どういう特性を持っているのか?ルビーの産地ごとの特徴を説明できるか?を聞いてみましょう。
例えば、最高のルビーを産出するミャンマーのどのあたりに、どういう鉱区があって、そのルビーの特徴は、という鉱区の話までできると相当のプロフェッショナルですので、安心です。
高級美術品が出品されることで有名なオークション「サザビーズ」に出品されるカルティエブランドのルビーでも、「処理がされていないミャンマー産ルビー」と誇らしげにコメントが付けられています。
~ブランドだから大丈夫、という話ではありません。
買おうとしているルビーを将来、手放すとしたらどうしたら良いのか?
目の前にあるルビーを将来、手放すとしたら…どうしたら良いでしょうか?と聞いてみることです。ここでは、詳しい話はしませんが、それで価値のあるルビーを見抜く眼を持つプロのジュエラーかどうかが分かります。
天然無処理で美しいミャンマー産ルビーのGQジェムクオリティで1ctを超えるものは確実に交換価値(資産性)があり世代を越えて受け継がれていきますが、JQジュエリークオリティでも価値保存しますし、AQアクセサリークオリティでも、その可能性はあります。
相性の良いルビーを見分ける眼のあるプロならば、その話にも精通しているはずです。話を聞いてみましょう。
まとめ
人間が一番注意を向ける重要な色「赤」のルビーは、欲しい人がたくさんいいますが、非常に希少性が高いため、宝石として価値の高いルビーを探すのは非常に難しいことです。
特に希少性の高い天然無処理で美しいミャンマー産ルビーの中から、相性の良い宝石ルビーを見つけられる人は、ラッキーな人です。
難易度の高いルビーは、プロのジュエラーに相談しながら探すのが一番の近道です。
そして、プロのジュエラーを見つけたら、予算を伝えて、後は、自分の感性で「好きなルビー」を選んでください。
すぐに見つからないかも知れませんので、宝探しのつもりで時間をかけて探してください。「私のお気に入りルビー」が見つかりますように