スタールビーとは?魅力やアクセサリーを紹介

スタールビーは、ドーム型に盛り上がった形(カボションカット)に独特な星模様が浮かび上がる神秘的な美しさで多くの宝石コレクターを魅了してきました。

この記事では、スタールビーの魅力や、スタールビーを使用したアクセサリーを紹介します。

Contents

スタールビーとは?

スタールビー

スタールビーとは、ドーム型(カボションカット)に研磨するとちょうど六条の線が星のように浮かび上がるものをスタールビーと呼びます。

ルビーにルチルの針状結晶(シルクインクルージョン)が60度/120度の角度で交差した状態で、尚且つ、ある程度の密度で内包されていること、そして六角形のルビーの結晶の軸を立てた状態で磨くとスターが現れます。

丸くドーム型になった形の頂点の部分で六条の線が集まっているのがベストですが、内包されるシルクインクルージョンの密度や結晶の軸がズレている場合、またルビーが六方晶の場合は良いのですが、三方晶で結晶しているルビーなどは、結晶のどの部分を頂点にもってくるか?オリエンテーションが難しい原石が多くなります。

アステリズム(星群)と呼ばれる現象は、ルビーを手の上に乗せて動かして観ると光の当たる方向にスターが動き、不思議な景色を楽しむことができます。

原産地としては、最も高級とされているのがミャンマー産ですが、スリランカ、ベトナム、タンザニア、南アフリカ、マダガスカル、モザンビークなどでも産出されます。

スタールビーと一般的なファセット(切子)面をつけたルビーの違い

ファセット(切子)面をつけて磨くルビー結晶の場合は、色と高い透明度、パビリオンの内側から湧き上がってくるような輝きを楽しむルビーとは違って、スタールビーの場合は、不思議なアステリズムと形を楽しむ宝石であり、比較的、ピンキッシュで大きな結晶があります。

シルクインクルージョンが美しいスターの要因ですから、スターがピシッと出ていれば出ているほど透明度も低くなっていきます。

しかし、スタールビーは大きなものが産出しやすいので、ジュエリーなどに装着すると存在感があること、そしてドーム型に盛り上がった立体的な形なので、ファセット(切子)面をつけて磨いたルビーとは違った雰囲気を楽しむことができます。

スタールビーの価値

スタールビーの価値はどのように決まるのでしょうか。

まずはスタールビーの品質を「宝石品質判定」の基準で見分ける方法を紹介します。

  • 宝石種
  • 原産地
  • 処理の有無
  • 美しさ
  • 色の濃淡
  • 欠点
  • サイズ

宝石種

スタールビーは、宝石の種類として、天然ルビーです。鉱物名はコランダム(Al₂O₃)にクロムが入って赤くなった結晶をドーム型(カボションカット)に磨いたときに、アステリズムと呼ばれる六条の星模様が現れるものをスタールビーと呼びます。

原産地

原産地で一番高く評価されるのは、ミャンマー産のスタールビーですが、スタールビーとして一番市場に多く出回っているのがスリランカ産のスタールビーで、ピンキッシュながら非常に美しく、スターがしっかりと出ていて、形の良いものが多く、カンボジア、タイランド産、そしてインド産のスタールビーは、スターはキレイに出ていても、結晶自体の透明度が低いものが多い印象があります。

その他、ベトナム産のスタールビーは、ミャンマー産とよく似ています。

処理の有無

ファセット(切子)面をつけて磨いた通常のルビーと同じく、もちろん、宝石としての価値は、無処理のものの方が高く評価されます。

そして、スタールビーも多くのものは、人為的に加熱処理など美しさを改良しています。ただ、スタールビーは、内包されているシルクインクルージョンがアステリズム効果の要因ですので、高温(1800度以上)加熱するとシルクが溶けてしまいますので、処理に関してはその温度以下で行うことになります。

コランダムの色調は、酸素ガスを使った加熱実験をすると600度で5時間以上熱をかけると59%の個体が変化しましたので、低い温度でも色調を改良することができるでしょう。

美しさ

ルビークオリティスケール

ファセットカットしたルビーのクオリティスケール 諏訪恭一氏が考案した「宝石品質判定」

スタールビーのクオリティスケールは、ファセット(切子)面をつけて磨いたルビーとは違うものを使います。色調、透明度、彩度に加えて、スターの形、バランス、そしてスターがドーム型の頂点で交わっているか、そして全体のプロポーションの良し悪しを観て行きます。

クオリティスケール上では、S,A,B,C,Dの5段階を横軸にして左側が一番品質の高い「S輝きがあり特に美しいもの」に設定しています。

「B美しいもの」を真ん中に、一番右側が「D美しさに欠けるもの」という並びですが、天然無処理のスタールビーの場合は、処理されずに研磨されたというだけでも特別なものだということを覚えておきましょう。

色の濃淡

スタールビーのクオリティスケール

スタールビーのクオリティスケール 諏訪恭一氏が考案した「宝石品質判定」

ルビークオリティスケール

ファセットカットしたルビーのクオリティスケール 諏訪恭一氏が考案した「宝石品質判定」

スタールビーの色の濃淡については、クオリティスケールを使うのが一番分かりやすいと思います。#10を黒、#0を白に設定し、クオリティスケール上では、左端に数値が記されている縦の軸です。

それぞれの宝石の色の濃さだけをトーンで表現したモノで、色調や色彩、透明度とは別に濃さだけを判断するものです。

クオリティスケール上で#6から#3までが最適な濃さ(青いマス)に入りますが、ファセットカットされたルビーは#6、#5が濃さとしては最適な濃さ(青いマス)になりますので、スタールビーとクオリティスケールが違うことを確認しておいてください。

欠点

スタールビーの美しさを観る上で難しいのは、ジュエリーに装着されているものの中に、スターの出る位置が大きくズレていますが、ジュエリーの枠に留める時に石を斜めにセットして真ん中でスターが交差しているように見せているものがあります。

また、シルクインクルージョンの密度が均一でないことや、色ムラ(赤い部分と透明な部分が混じっている結晶)によって片方の角度から見た時に素晴らしい美しさであるのに、逆側から見たら美しさが大きく損なわれている個体をジュエリーの枠で見えにくくしているものがあります。

また、破損の原因となるフラクチャー(割れ)や、表からは見えない大きなキャビティ(生地不足)が枠を外すと見つかることがあります。

宝石品質判定する場合、できれば枠を外して全体をチェックして見ることをおすすめします。

サイズ

スタールビーは、前述の通り、ファセット(切子)面をつけて磨いたルビーと比べて大きなものが多く存在しますが、その理由は、ファセットカットでは、宝石下部(パビリオン側)からの湧き上がってくる輝きが品質に大きく影響するため、結晶自体の色調、透明度の高さに加えて、結晶の生地が持つ彩度までが影響します。

(透明度が高いため結晶内部がそのまま品質に影響する)それに比べて、カボションカット(ドーム型)に磨くスタールビーの場合は、内部の特徴よりもむしろ表面に現れたスターの美しさと半透明の結晶の色調、形が重視されるため割合としてファセットカットする原石よりも大きなものが増えます。

2ct以上の大きなサイズでも意外と手にしやすい価格があるのもスタールビーの特徴です。

スタールビーの品質を3つのゾーンに分ける

そして品質を見分けたら、GQジェムクオリティJQジュエリークオリティAQアクセサリークオリティの3つのゾーンに分けます。

写真では青いマス、灰色のマス、黄色のマスで表現されています。3ゾーンに分けることで、それぞれGQ/JQ/AQの相場が、価値比較表から想定できます。

その品質のスタールビーが適切な価格かどうかを判断するための目安になります

品質は、価値判断するための道具

以上が品質を見分け、品質を3つのゾーンに分けて、それぞれGQ/JQ/AQの相場を見ることで、目の前にあるスタールビーが適正価格なのか?を判断する目安について説明しましたが、宝石品質判定の目的は、宝石の価値判断するためのモノサシであり目安だということです。

宝石は唯一無二、大自然の造形美です。同じものが2つとない個性であり、そして私たち人間も個性です。それぞれの人に好き嫌いがあり、スタールビーとの間にも相性があります。

相性の良いスタールビーを選んでから、そのスタールビーの値段が適正なのかどうか?を確かめるための道具として宝石品質判定を使うようにしましょう。

合成のスタールビー

スタールビーにも、ファセット(切子)面をつけて磨いた通常のルビーと同様に合成石が存在します。

天然のスタールビーを模倣して作られた人工的な宝石で、よく市場に出回っています。宝石としての価値はありませんが、人工合成石だと分かって、その美しさを楽しむのであれば、楽しくて良いと思います。

宝石本来の価値である、思い出と共に受け継ぎながら交換価値(資産性)を保存することはありません。受け継いだ後に分かり、周囲の期待を裏切ると、思い出にキズがつくことがありますので、周知しておいた方が良いでしょう。

本物と偽物のスタールビーの見分け方

  • 鑑別書(分析結果報告書)を確認する
  • お店に品質保証書を発行して貰う

鑑別書(分析結果報告書)を確認する

目の前にあるスタールビーが、人工合成石なのか天然のものなのか?そしてそれが天然でかつ、無処理で美しいのか?人為的に加熱処理などをして美しさを改良したモノか?については、高額品であればスイスのGubelin Gem Lab(グベリン)もしくはSSEF、日本国内であれば、GIA(米国研究機関の日本支社)、中央宝石研究所、もしくは日独宝石研究所などの鑑別できる第三者が発行する鑑別書を確認するのが一番手軽で確実ですが、原産地、処理の有無などの品質に関わる部分については、保証するものではありません。

あくまでも参考意見として考えるようにしましょう。

お店に品質保証書を発行して貰う

品質に関しては、販売しているお店の名前で品質保証書を発行してもらいましょう。鑑別業者の発行する鑑別書(分析結果報告書)は、重要な参考意見書ですが、鑑別協議団体が決めたガイドラインが変わると、同じ宝石であっても、分析結果は変わっていきます。非加熱ルビー(スタールビー)だとコメントされていたが、何年か経って、同じものを持ち込んで分析してもらうと、「加熱処理されている」と分析結果が変わることがあります。お店に品質保証して貰えれば、お店の信用があるので、しっかり対応してくれるでしょう。宝石品質判定の基準で保証して貰えれば安心です。

  • 宝石種
  • 原産地
  • 処理の有無
  • 美しさ
  • 色の濃淡
  • 欠点
  • サイズ

が明記されていると安心です。

スタールビーのジュエリー

スタールビーは、アステリズムによる六条の星模様が美しいドーム型(カボションカット)に磨かれた宝石で、ファセット(切子)面をつけて磨いた通常のルビーと比べて大きなサイズが多いため、ジュエリー、アクセサリーに仕立てる時、大きさを生かした迫力のあるものに仕立てることができます。

例えば指輪、2ct前後の高さのあるスタールビーのGQジェムクオリティに脇石にダイヤモンドを取り巻いた形でセットしたクラッシックなスタイルで仕立てるとハイエンドジュエリーになります。

通常の形のルビーであれば、GQジェムクオリティで2ct以上の大きさのものをハイエンドジュエリーに仕立てると数千万円するはずですが、スタールビーであれば、数百万円のものがつくれるはずです。

迫力のある豪華な仕立てでも、手ごろな値段になるのがスタールビーの魅力の一つです。

スタールビーの指輪の構想(デザイン)

スタールビーを使った指輪の構想(デザイン)について、気を付けてみておきたいポイントが、ジュエリーの枠にしっかりとスタールビーが留まっているかどうか?という部分です。

ファセットカットされた通常のスタイルのルビーであれば、プロング(爪)をかけやすいのですが、カボションカット、ドーム型に盛り上がった形のスタールビーは、周囲から抑え込める支点がしっかりしていないと、ルビーが落ちてしまうリスクが高まります。

気が付いたら、スタールビーが落ちていた!なんて最悪の事態を避けるためにも、構想をしっかりと確認しておくべきでしょう。プロのジュエラーに相談するべき点です。

小さなプロング(爪)は見た目は良いのですが、指輪の場合は、ネックレス、イヤリングと比べて、何かにぶつけたり、力がかかることが多いジュエリーですので、特に注意しておくべきです。

スタールビーはどこで購入できる?

まずは、どんなスタールビーを探すかによって購入する先が変わってきます。

品質の高いスタールビーGQジェムクオリティ2ctを超えるもの)を手に入れるのは、非常に難しいので、ルビーを得意とする専門家に相談するのが一番良い方法です。

しかし、見た目ではほとんど分からない範囲でJQジュエリークオリティもしくはAQアクセサリークオリティ)のものであれば、オンラインショップに出品されているものが多いと思います。

特に、1ct前後のスタールビーは、ピンキッシュなものになると天然無処理で美しいものでもかなりお買い得な値段で出品されていることもあります。

品質が高いものを探すと、なかなか見つかりませんが、少し品質を下げると急に数が増えるのがスタールビーの特徴です。

スタールビーのお手入れ方法

ここでは、スタールビーのお手入れ方法を解説します。

  1. スタールビーは、通常のルビーと同じで、特にお手入れをする時に気を付ける点はありません。汚れた場合、柔らかい布で優しく拭くか、中性洗剤と柔らかいブラシを使ってゴシゴシと洗えば、また美しさが復活します。
  2. ただ、スタールビーにはフラクチャー(割れ)が入っているものが多いので、超音波洗浄機を使って洗うときには、前もってプロのジュエラーがルーペで確認しておいた方が良いでしょう。割れてしまうことは滅多にありませんが、結晶全体に広がっているフラクチャーがあった場合は、破損してしまうことがあります。
  3. ダメージや傷があるスタールビーは、必要に応じてプロのジュエラーに相談してみて下さい。

まとめ

スタールビーはその神秘的なアステリズム効果による魅力、ドーム型に盛り上がった立体的な形、最も高額な天然無処理で美しいミャンマー産のスタールビーでも、比較的に安価で手に入るため、ジュエリーに仕立てた時に、迫力、存在感があります。

着けて楽しむには、良い選択だと思います。

しかし、最高級品のGQジェムクオリティの天然無処理で美しいミャンマー産スタールビーの3ctを超える大きさのものは非常に希少性が高いため、探す時にはプロのジュエラーに相談し、時間をかけて探すことをおすすめします。

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