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Concept

このルビーのカタチに沿って作っていきました。石の拡大しているところをみると中心から燐光して光が出ているようイメージでつくりました。

Ruby Profile

白い母岩に抱かれて結晶したルビーの原石だった頃を思わせる形をそのままに、不規則なファセットをつけただけのモリスシンギュラリティカットのルビーは、ミャンマー最北部カチン州のナヤンルビー鉱山で産出しました。ナヤン産のルビーのサンプルのような色調です。少し青味が強く落ち着いた色の原石は、顔(ルビー上面から見た時の大きさ)が大きいが、結晶の厚さが2㎜と薄いのが特徴でした。インクルージョンが少なく、通常であれば、2.5㎜のブリリアントカットにします。すると目が覚めるような輝きを放ち始めたことでしょう。しかし、その為に見た目の大きさは半分以下になってしまいます。そして、悲しいことに、研磨して削り取った生地は、もう二度と戻ってきません。このルビーの結晶を育てた白い母岩は、何億年も前に海の中に生きた命です。5億年前の海の中、カンブリア紀の厳しい生存競争を生き残るためにカルシウムの殻、甲羅を持った生物のカルシウムが海の底に堆積したものです。それに加えて地球のプレートが(プレートテクニクス)今から9000万年前に南極を離れて北上しました。そのカルシウムを北に押し上げて、今から5000万年前にユーラシア大陸と衝突を始めました。インドが、未だ年間5㎝北上しているそうです。その地球の最高峰エベレスト山をつくるほどのエネルギーによって接触変成作用で大理石になったのが、このルビーの母岩です。母なる地球が生きているから、そして文字通り太古の生命があったから生まれた結晶です。ミャンマー産ルビーが特別なのは、そういう環境は世界広しとも稀な環境で結晶したからです。その特別な環境で結晶したことは、365nmの紫外線を照射したらすぐに分かります。鉄分がほとんど入っていない母岩の中で育ったルビーは、電源を入れたライトのように鮮赤色に輝きだします。不思議な光景ですが、太古の命が持っていた有機物由来のクロムが、反応していると考えられています。このルビーが育った(結晶)した時のことに思いを馳せると、大きく残したこのひょうきんな形がかわいらしく感じられます。

CAHiER×Mori’sは、「宝石そのものの声なき声に寄り添い紡いだルビージュエリー」というコンセプトを掲げスタートしました。

カイエは、宝石の個性や職人の手仕事による温もりを大切にするジュエリーブランドです。

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