モリスルビー11MY0151
カラット 0.61ct
Origin(産地) Myanmar
Size(サイズ) 4.8/3.9/3.5
ルビーの特徴
天然無処理で美しいルビーとして発掘された原石をヤンゴンでオーバル型のミックスドカットに磨きました。マンダレーから自動車で山道を6時間ほど走ったところにあり、ピジョンブラッドルビーを産出する鉱山として有名なモゴック(Mogok)で発掘されたピンキッシュな原石は、ほんの少し青味を感じさせるミャンマー産らしい色調とインクルージョン及びフラクチャー(結晶が割れた部分)が目立ち、透明度は高くありません。色が淡く一般的にはピンクサファイアと呼ばれる濃淡です。ただ彩度は、悪くないため、アクセサリーには十分に使える天然無処理で美しいミャンマー産ルビーです。サイズは、縦4.8㎜/横3.9㎜/深さ3.5㎜、重さは0.61ctと存在感はあります。このピンキッシュルビー(ピンクサファイア)を宝石品質判定のクオリティスケール上でみると、美しさ「D」美しさに欠けるもの(産出された原石の段階では期待されたのですが、思ったよりも魅力を発揮させてあげられませんでした…)、色の濃淡は「#2」、クオリティスケールの35マスをGQ/JQ/AQの3つのゾーンに分けた場合、AQアクセサリークオリティです。前述の通り、天然無処理で何とか美しいルビーで、鉱区の現場で産出するほとんどの品質は、このルビーの品質か、それ以下です。市場であるルビーのほぼすべてが人為的に美しさを改良するために処理をしている理由です。原産地ミャンマーの鉱山で採掘していて、天然無処理のままで美しいものはほとんど存在しません。このピンキッシュルビーも、鉱区ではエリートだったのですが…磨かれた後で、GQやJQを横に並べて比べるとその違いは明らかです。唯一失敗してしまったな…と感じるのは、ファセット(切子)面をつけて磨くと、前述のようにインクルージョンが多く、目立ってしまうので、この質のルビーはカボションカット(丸いドーム型に表面を磨いたスタイル)にしてあげると良かったかも知れません。ピンク色のこんもりと盛り上がった可愛いピンクルビーになっていたかもしれない。リカット(再研磨)してあげたい一つです。
ルビーの内包物
天然ルビーは、自然の恵みであり唯一無二の個性を持っています。それぞれの結晶の中に内包されるインクルージョンはそのルビーの個性を表します。またこのインクルージョンは、原産地、処理の有無を判定する際の重要な手がかりとなります。
この記事を書いた人
森孝仁
株式会社モリス 代表取締役社長