大人になるほどに楽しみが増す、ジュエリー選び。素敵だなと思う人は宝石の選び方に自分軸がある方が多いようです。宝石は高価なものだからこそ選ぶときは慎重になってしまうものです。
この記事では、宝石ルビーの選び方を詳しく解説していきます。ルビーの指輪をお探しの方はぜひ参考にしてください。
本物のルビー?偽物のルビー?
ルビーを購入する際、同じような見た目のルビーなのに、価格が全く違うと「どうして?」と疑問に思う方もおられるでしょう。
ルビーを探している人には、非常に分かりにくいのは、ジュエラーとして申し訳ないと感じています。
ルビーと呼ばれるものには、色々な種類がありますので、まずは整理しましょう。
• 天然無処理のルビー
• 天然だが加熱処理をしたルビー
• 天然だが他の物質を加えて加熱処理したルビー
• 模造したルビー
• 人工合成したルビー
自分にとって宝物となるルビーの指輪をお探しの方にはミャンマー産の天然無処理ルビーがおすすめです。
ミャンマー産の天然無処理ルビーをおすすめな理由
天然無処理で美しいミャンマー産ルビーは、結婚指輪を含めた人生の大切なアニバーサリーなど重要なイベントで贈るジュエリーに使っていただきたいと思います。
天然無処理の本物のルビーを選ぶことで、いつか、思い出がキラキラと輝きだすはずです。
一般的に流通するルビーは、人為的に美しさを改良するために加熱などの処理が行われていますので注意が必要です。
宝石は、何百年経っても変化しないものですから、手に入れるときは、しっかりと確認しておきたいポイントです。
(非加熱ルビーと呼ばれる「加熱された痕跡が認められない=No indication of heating」というのはありますが、品質を保証するものではありません)何年かして鑑別するルールが変わると分析結果が変わることがありますので、それを売るお店に品質保証してもらうのが良いでしょう。
宝石の価値はどうやって決まるのか
宝石の価値は次の3つの要素で決まります。
- 品質
- 需要と共有のバランス
- 伝統と慣習品質
品質
宝石品質判定の基準で見分けるが一番正確です。
品質は、下記の7つの視点で、それぞれを観ることで分かります。
- 宝石の種類
- 原産地
- 処理の有無
- 美しさ
- 色の濃淡
- 欠点
- サイズ
ルビーの品質判定について詳しくはこちらで解説しています。
一般的にプロのジュエラーでない業者が宝石を売買する時には、鑑別業者が発行する「鑑定書、鑑別書」と呼ばれる分析結果報告書が使われます。重要な情報ですが、品質を表すものでも、品質保証するものでもありません。
買うお店の名前で、①から⑦の項目を網羅した「品質保証書」を発行してもらいましょう。
需要と供給
需要と供給のバランスは、宝石だけでなく、すべての商品の価値に影響を及ぼすことは皆さんもご存じの通りです。
どれだけ世の中に存在していて、どのくらいの人気があるか?ということになります。
ルビーの場合は、どれだけ鉱山で産出しているかに対して、どれだけ市場で人気があるかということです。
人気があったとしても、供給が豊富で世の中にたくさんあれば値段が一番安いところに需要が集まります。
値段が安くなると宝石としての価値は陳腐化していきます。
宝石の場合は、同じものが世の中に2つ存在しない(人間が作ることができないもの)であるため、工業製品とは違う考え方をしなくてはなりません。
需要は、広告宣伝などでイメージづくりはできますが、鉱山での産出状況についてよく知っていなければ、供給については想像もつきません。
モリスは、2007年から2011年に、ミャンマー最北部カチン州のルビー鉱山ナヤンを採掘して出現率の調査を行いました。
「供給」どれだけ産出しているか?「需要」どれだけ市場で人気があるか?の「バランス」が重要だということです。
ルビーやサファイアなどの宝石を処理する理由は、天然無処理で美しいものは非常に少なく、業界がる程度の処理は許容しないと値段が高くなり過ぎるためです。
また希少性が高くても、市場で誰も知らない宝石については、需要が弱いという面があるので、注意が必要です。
グランディディエライトなど希少な石ですが、知名度が低くいため、需要と供給のバランスでみた場合には、弱いと考えなければなりません。
伝統と慣習
伝統と慣習、これは世代を越えて価値保存する宝石には大切な要素です。
世の中で売買される宝石には、ある業者のプロモーションによって流行することで需要が生まれることがあります。
売れていくのでしばらくは、価値があるように見えるのですが、その後どんどんと売れれば、珍しい宝石ではなくなり、価値が陳腐化していきます。
経年変化が無いのが宝石です。
手放そうとする時には、すでに宝石としての価値が低くなっているかも知れません。
伝統的な宝石には、世代を越え宝石としてしっかりと価値保存してきた歴史がありますので、これからすぐに価値が無くなることは考えにくいのです。
例えばルビー/エメラルド/サファイア/ダイヤモンドは、それぞれ数千年の歴史があり、一番新しいダイヤモンドでも宝石として500年以上の歴史があります。
宝石文化は、人類の最古の文化であり、その歴史は土器類よりも古いと言われます。
宝石ルビーを慣習の視点でみた場合、間違いなく宝石の頂点にあったことが分かりますが、その理由は「赤」にあります。
人類史の研究では、人類最古の色も最古の文字も「赤」であることが分かっています。
宝石ルビーは、既に長い歴史で確率されたものがありますので、伝統と慣習については問題ありません。
ルビーの指輪コレクション
ルビーは赤い宝石です。その赤色が一番重要であることは間違いありません。
「ルビーの価値は色で決まる」「ピジョンブラッドカラー」「ピジョンブラッドレッド」など色だけを強調する風潮がありますが、色だけで、そのルビーの品質を見分けることはできません。
大前提として、大自然の造形美である宝石ルビーは、唯一無二の個性でありルビーの色は、同じように見えても少しずつ違います。宝石の「色見本」はありません。
ここでは、天然無処理でどのような赤色か、実際ルビーを紹介します。好きなルビーを選ぶときの参考にしてみてください。
宝石ルビーの指輪だからこそできること
ルビーの指輪は着けている人をその赤い輝きで勇気づけてくれ、ルビーは何十年も着けていると着けている人のアイコンのような存在になっていきます。
ルビーの指輪を買ってよかったと思う瞬間は、いつか受け継がれる時がきた時に、ルビーに込められた「受け継がれる思い出」だと分かった瞬間です。
ルビーを含めた宝石は経変変化がありません。
大切に気を付けて使っていれば何百年経っても同じ姿で残り続けます。
私たち人間には、寿命があり、どんな若い人でもいつかは「さようなら」する時がやってきます。
その時に、苦楽を共にし、思い出がたくさん詰め込まれたルビーの指輪は特別な存在になっているはずです。
スマホを世界に広めたアップルの創業者スティーブ・ジョブスは、「あの世に持って行けるものは、ポジティブな思い出だけだ」と言い残したとされます。
人生の目的が「ポジティブな思い出」をつくることだとしたら、ルビーの指輪は、その「思い出カプセル」です。
いつか受け継がれる時がきた時に、プロの宝石商が観るタイミングがあります。
例えば、指輪であれば、サイズを合わせる、ジュエリーを磨きなおして新品のように戻す作業などです。
また仕立て直して構想(デザイン)を変えることもあります。
その時に、プロのジュエラーは必ずそのルビーの品質をみます。
枠から宝石を外す前にキチンと品質判定しないと信用問題になることがあるからです。
ルビーと思って使っていたけど、実は人工合成石だったなどの問題は良くあります。
お預かりする前に分かっておかないと大変なことになります。
人工合成石とルビーを入れ替えたとのではないか?と疑われるからです。
その時にもし、「このルビーは天然無処理で美しいミャンマー産のものです。~千万円で譲ってもらえませんか?」とプロのジュエラーにオファーされたとしたら、手放さなくても嬉しいはずです。
そして、受け継がれる側、受け取る側の人も、高価な宝石であると分かって気分が悪いはずはありません。
大切な人にプレゼントされたものだったとしたら、その人との思い出がキラキラと輝きだすはずです。
加えて、プレゼントした人は、誇らしいはずです。その方は、そのルビーの中で思い出として生き続けるのです。
ルビーの指輪コレクション①
優しく柔らかい感じの雰囲気と整ったプロポーション、ほんの少し紫味を感じさせる色調と細いシルクインクルージョン(ルチルの針状結晶が絹を編んだような模様で内包される)が、ちょうど良い密度で入ることで優しく輝く天然無処理で美しいミャンマー産ルビーは、同国最北部カチン州のナヤン(Nam-Ya)ルビー鉱山で、モリスミャンマーの鉱山開発をしていたイエッチョーが発掘しました。
その原石を今は日本のモリス銀座店で勤務するミヨテがオリエンテーション(赤色のコランダムルビーの場合、結晶が成長する時に軸があり、原石を研磨する時に光学効果を発揮する方向を見極めるのがとても大切であり、その作業をオリエンテーションといいます)を決めて、同じくモリスミャンマーの研磨職人、ゾーミンチョーがオーバル型のミックスドカットに磨きました。
サイズは縦4.8㎜/横3.5㎜/深さ2.9㎜、重さは0.45ctです。小粒なものが多く産出するナヤン産ルビーとしては、かなり立派なサイズです。
そしてこのルビーを宝石品質判定のクオリティスケールの上でみると、美しさ「A」輝きがあり美しいもの、前述の通り、シルクインクルージョンが薄っすらと内包されていることにより、優しい感じで光が結晶の中で留まることで全体的に優しい輝きを放ちます。
内包物が無い方が良いと考えるのはダイヤモンドであり、カット研磨の技術で、光の反射を上手く調整して美しさを調整しますが、ルビーの場合は、原石の持つポテンシャルがほぼすべてを決めてしまいます。オリエンテーションを決める職人も磨く職人もそれが良く分かっています。このルビーは、上述のように人で例えるなら、キレイなのに自己主張せず一緒にいて疲れないような印象です。
ルビーの指輪コレクション②
直径約3㎜と小粒ながら、若干の紫味を帯びた、しっかりとコクのある本格的な色調と高い透明度、そして手作業で結晶の生地を大切にしながらラウンド型に磨かれたプロポーションの良さによって、パワフルな印象を与えてくれる天然無処理で美しいミャンマー産ルビーは、中北部の中山間地域、ミャンマーがまだビルマという国名だった時に首都があったマンダレーから北に4時間ほど自動車で走ったところにあるルビー鉱山モゴック(Mogok)で発掘されました。
モゴック鉱山へのドライブでは、カーブが1000個続く山奥にある鉱山で、約1億年前には、南半球にあった地盤と北半球にあった地盤が接合している場所です。モゴックの丘に立って、右左を見渡すと南極を離れて北上した側のプレートと元々あったユーラシア大陸が衝突してできた数えきれない山々の尾根を見ていると…私たち人間は何とも小さな存在に思えてきます。
そういった神秘的な場所で結晶したのがミャンマー産ルビーです。そして、モゴックで産出した丸い原石をヤンゴンでラウンド型ブリリアントカットに磨きました。
縦3.1㎜/横3.0㎜/深さ2.0㎜、重さは0.13ctと前述のとおり小粒ですが、力強い印象を受ける最高品質ジェムクオリティです。
ご縁がなければ手にすることができない希少なお宝ルビーです。次の世代に受け継がれていく特別なジュエリーに使ってあげたいルビー…。ということでプロポーズする時のためのエンゲージリングに仕立てました。
エンゲージリング(婚約指輪)は、贈るだけの形式的なものではなく、思い出カプセルのようなものです。受け継ぐときに、希少なジェムクオリティのルビーは、おふたりの思い出をキラキラと輝かせてくれる存在になるでしょう。さて、このルビーを宝石品質判定のクオリティスケール上でみた場合、美しさ「A」輝きがあり美しいもの、色の濃淡は「#5」、品質を3つのゾーンに分けた場合、GQジェムクオリティ(最高品質)です。
ミャンマー産天然無処理ルビー専門店モリス
ここまで、2つのルビーの指輪の個性を解説してきました。
大自然の造形美である宝石ルビーは同じものが2つとない唯一無二の個性です。
その数ある赤い石の中から相性の良いルビーを見つけるのには、コツがあります。
モリス京都三条本店とモリス銀座店では、相性の良いルビーを見つけるためのポイントもご案内しています。このふたつのルビーの指輪以外にもさまざまなルビージュエリーをご用意しております。実際にルビーの美しさをご覧いただける店舗になっております。
ルビーの中でも「相性の良い」ルビーを見つけることができたら、何百年経っても変わらず、キラキラと輝きながら、あなただけの思い出カプセルになっていきます。
相性のいいルビーは、宝石本来の存在価値であり、あなたの一生の宝ものになるでしょう。