ルビーについて知りたいけど、何から調べたら良いか分からない方や「非加熱ルビー」「ピジョンブラッドルビー」などの聞き慣れない専門用語が多く、結局「何が大事なの?」と迷ってしまう方もいる思います。
実際ルビーは、品質(色・産地・処理方法・サイズなど)によって価値が大きく変わる奥深い宝石です。品質が高く、希少なルビーには資産価値があります。
この記事では、
- 宝石ルビーとは
- 宝石ルビーの歴史・文化
- 宝石ルビーの選び方
- 宝石ルビーの資産価値
以上の内容についてわかりやすく解説します。さらに、世界的にも希少な天然・非加熱・ミャンマー産ルビーを扱う「モリス」についても紹介します。
ルビーについて網羅的に知りたい方、納得してルビーを選びたい方に役立つ内容になっているので、ぜひ最後までご覧ください。
宝石ルビーとは何か?(言葉・意味・産地を解説)
「そもそもルビーってどんな宝石?」と疑問に思う方がいると思います。まず押さえておきたいのは、ルビーは「赤いコランダム」であり、科学的な美しさと歴史的な魅力を兼ね備えた宝石ということです。
ルビーは美しく、赤い色合いから「情熱の石」とも呼ばれ、古くから世界中で愛されてきました。ルビーには奥深い世界が広がっており、以外と知らないことがたくさんあります。
ここでは、ルビーの基本的な特徴(コランダム・化学組成・硬度など)・名前の由来・主な産地について、分かりやすく解説します。
宝石ルビー特徴とは?(コランダム・化学組成・硬度)
ルビーは、鉱物学的に「コランダム(Corundum)」に分類される宝石です。コランダムは酸化アルミニウム(化学式:Al₂O₃)で構成され、本来は無色透明な鉱物です。
このコランダムに、微量の「クロム(Cr³⁺)」が含まれることで、赤く発色したものだけが「ルビー」と呼ばれます。一方、同じコランダムでも青色・黄色・ピンク色など、赤色以外に発色したものは「サファイア」に分類されます。
つまり、ルビーとサファイアは同じコランダムから派生した兄弟のような関係で、色によって名前が変わる宝石なのです。
コランダムとは、酸化アルミニウムでできた非常に硬い鉱物で、ルビーやサファイアの母体となる鉱石のことです。地球内部の高温高圧な環境で、長い年月をかけて結晶化します。
コランダムについてもっと知りたい方は「ルビーはコランダム?」の記事をチェックしてみてください。
化学組成について知りたい方は「ルビーの化学組成について」の記事をチェックしてみてください。
また、コランダムは非常に硬い鉱物としても知られています。
ルビー(コランダム)はモース硬度9という高い硬さを持ち、ダイヤモンド(硬度10)に次いで傷つきにくいのも特徴です。この耐久性の高さから、婚約指輪や記念のジュエリーとしても普段使いしやすい宝石として長く愛され、重宝されています。
モース硬度とは、鉱物の傷つきにくさを1〜10の数字で表す国際的な基準のことです。数字が大きいほど硬く、傷がつきにくくなります。
ルビーの硬度については、「ルビーの硬度とは?【モース硬度と硬さと割れにくさ】」の記事で詳しく解説しているので、気になる方はこちらもチェックしてみてください。
ルビーの意味(宝石言葉や名前の由来)
ルビーは、コランダムと呼ばれる鉱物に微量のクロムが含まれることで、赤い色の宝石になることは分かったと思います。ではなぜ「ルビー」と呼ばれるようになったのでしょうか。
その答えは、名前のルーツにあります。
ルビー(Ruby)という名前は、ラテン語の「ruber(ルベル)=赤」が語源とされています。古くから赤は、血や生命、愛や情熱を象徴する色とされ、人々の心を強く惹きつけてきました。
中世以前には、赤い宝石全般が「ルビー」と呼ばれ、「貴重な赤石」として扱われていましたが、その後の鉱物学の発展により「赤色のコランダム」のみがルビーと正確に呼ばれるようになったのです。
ルビーのルーツや語源については、以下の「宝石ルビーの別名とは?【宝石言葉や語源についても解説】」の記事でもまとめているので、参考にしてみてください。
そんなルビーには、「情熱」「勇気」「愛」などで表現される宝石言葉があります。
古代では、勝利や繁栄をもたらす石として王侯貴族に大切にされ、歴史の中で特別な宝石として扱われてきました。現代でもルビーは「恋愛のお守り」や「永遠の絆を象徴する石」としても人気があります。
ルビーの宝石言葉は、ポジティブなものが多い印象ですが、「怖い」と言われている一面もあるみたいです。
「なぜルビーの宝石言葉は怖いのか?」知りたい方は「ルビーの石言葉は怖い?その理由やエピソードを解説」の記事で解説しているので、チェックしてみてください。
宝石ルビーの主な産地(ミャンマー、タイ、スリランカ、モザンビークなど)
ルビーは赤いコランダムであり、ラテン語の語源であるruber(ルベル)が名前のルーツということも分かったと思います。
基礎知識として、現在「ルビーはどこで産出できるのか?」と気になる方も多いと思います。主なルビーの産地は以下のとおりです。
- ミャンマー
- モザンビーク
- スリランカ
- タイ
ルビーは世界各地で採掘されていますが、特に価値が高いとされているのは「ミャンマー産」のルビーです。
以下の表では、各産地の特徴を簡単に解説しています。
産地 | 特徴 |
ミャンマー | 世界最高峰と称される産地。特にモゴック鉱山産の「ピジョン・ブラッド(鳩の血のように深く鮮やかな赤)」は非常に高価で希少。非加熱ルビーが採れる産地としても有名 |
モザンビーク | 比較的新しい産地。鮮やかな赤色が特徴で、近年人気が高まっている。ミャンマー産に匹敵する非加熱ルビーも採掘される |
スリランカ | ピンク寄りややさしい赤色のルビーが多く、透明度が高いものが産出される。加熱処理品が主流 |
タイ | 褐色がかった深い赤色が特徴。加熱処理されたルビーが多く流通している |
産地によって、ルビーの色味・見た目・希少性・価値が大きく異なるため、ルビーを選ぶ際は「どの産地なのか?」を確認することも重要です。
「ルビーの産地はどのような違いがあるのか?」についてもっと詳しく知りたい方は、「ルビーの産地ごとの特徴や種類・蛍光しないルビーもある?」の記事もチェックしてみると良いかもしれません。
加えて、ルビー専門店のプロの目線から「ルビーの産地ランキング」についてまとめてみたので、気になる方はこちらも参考にしてみてください。
宝石ルビーは品質が命(色・種類・処理の有無を解説)

ファセットカットしたルビーのクオリティスケール 諏訪恭一氏が考案した「宝石品質判定」
宝石ルビーの美しさや価値を大きく左右するのは「品質」です。
ルビーは似ているようでも、色、種類、処理の有無、インクルージョン(内包物)、カットの仕上がりなど、細かな違いによって評価が大きく分かれます。
実際、わずかな色味や処理の違いで、数十万円から数百万円以上の価格差が生まれることもある繊細な宝石です。
ルビーの品質を決める主要なポイントは以下の3つです。
- 色と種類:鮮やかで濃い赤色のルビー(ピジョンブラッドルビー)が高評価
- 処理:非加熱・無処理であるほど希少で価値が高い
- インクルージョンとカット:天然の証であり、美しさと適度なバランスが重要
これらのポイントを意識して、自分にとって納得できるルビーを選びましょう。以下の内容でもルビーの品質を簡単に解説しています。
ちなみに、上の画像はルビーの品質判定に使用された「クオリティスケール」と呼ばれる表です。
クオリティスケールとは、ルビーのような宝石を「美しさ」の観点から分類・評価するために設けられた独自の基準表です。
ルビーの品質や美しさについて詳しく知りたい方は「ルビーの品質とは?」の記事をチェックしてみてください。
宝石ルビーの色と種類
ルビーの品質で重視される要素の1つは「色」です。特に評価が高いのは、「ピジョンブラッド(鳩の血)」と呼ばれる濃く鮮やかな赤色のルビーです。ピジョンブラッドルビーは、世界中のコレクターやジュエラーが憧れる最高品質のルビー評されています。
ルビーの色は、ほんのわずかな違いでも価値が大きく変わり、明るすぎてピンク寄りに見えるものは「ピンクサファイア」として分類されることもあります。
また、ルビーは光源によって色の見え方が異なる宝石です。
- 自然光の下:ルビーが最も美しく見える
- 白熱灯の下:ルビーの赤みが強く見える
このように光の種類によって印象が変わる点も、ルビーの魅力のひとつです。
そんなルビーにもいくつか種類があります。ここでは代表的なルビーの種類と特徴を簡単に紹介します。
代表的なルビーの種類 | 特徴 |
ピジョンブラッドルビー | 鮮やかで深く濃い赤色。世界最高品質とされ、希少価値が非常に高い |
ビーフブラッドルビー | 牛の血のような深い赤色。落ち着きのある赤で、上品さが際立つ |
チェリーピンク | さくらんぼのようなピンクに近い赤色。華やかで可愛らしい印象 |
特に「ミャンマー産のピジョンブラッドルビー」は世界的に評価が高く、希少性も抜群です。この他にも、スカーレットレッド、クリムゾンレッドなど多様な色味があります。
ピジョンブラッドとは、ルビーの中でも特に「鮮やかで深みのある赤色」をした最高品質の色合いのことを指します。名前の由来は「鳩の血のように美しい赤」から来ています。
ルビーの色や種類について、もっと詳しく知りたい方は以下の「ルビーの色が赤い見える理由」で詳しく解説しているので参考にしてみてください。
宝石ルビーの処理の違い(加熱と非加熱)
ルビーの価値は、品質によって大きく左右されます。「宝石ルビーの色と種類」で色の違いを紹介しましたが、実はもう一つ重要な要素があります。それが「処理の有無」です。
市場に出回るルビーの多くは、採掘されたままでは色が薄かったり、インクルージョン(内包物)が目立つため、「美しさを引き出す目的で加熱処理」が施されています。
一方、非加熱ルビーは、自然のままで鮮やかな色と高い透明度を持つ極めて希少な存在です。非加熱で美しいルビーは、流通量が圧倒的に少なく、希少性と資産価値の高さから世界中で高く評価されています。
ルビーを選ぶ際は、「加熱処理が施されているのか」「非加熱なのか」をしっかり確認することが大切です。
処理の有無 | 特徴 |
加熱処理 | 高温でルビーを加熱し、色を鮮やかにしたり、透明度を向上させる処理方法。現在市場に流通するルビーの約90%以上が加熱処理済み |
非加熱 | 採掘されたままの自然な状態で、美しい色と品質を持つルビーは「非加熱ルビー」と呼ばれる。非加熱ルビーは非常に希少で、資産価値が高い |
ちなみに、無処理のルビーと呼ばれる言葉も使われることがあります。「無処理」とは、加熱・含浸(ガラスを入れる加工)・着色など、人工的な加工を一切施していない状態を指します。
ルビーを選ぶ際は、加熱か非加熱か、に加えて、無処理かどうかを鑑別書で確認しましょう。
ルビーの加熱・非加熱の違いについて、「非加熱ルビー」の記事で詳しく解説しているので、気になる方は参考にしてみてください。
宝石ルビーのインクルージョンとカット
ルビーは、透明感のあるものが理想的と言われていますが、どんなルビーにも必ず「インクルージョン(内包物)」と呼ばれる特徴が存在します。
インクルージョンは、ルビーが「天然である証拠」とも言われ、完全に透明でインクルージョンが全くないルビーは、むしろ人工石の可能性が高いです。
インクルージョンの代表例は以下のとおりです。
- シルクインクルージョン:細かい針状の内包物で、ルビーが天然である証拠(非加熱ルビーの特徴)
- 結晶インクルージョン:ルビー内部に他の鉱物が含まれるもの
ルビーは、インクルージョンが目立ちにくく、かつ美しいバランスで存在しているものほど高く評価されます。
インクルージョンとは、宝石が成長する過程で自然に取り込まれた鉱物・気泡・液体などの「内なる傷」のようなものを指します。
ルビーのインクルージョンについて、「宝石のインクルージョン【ルビーの内包物】」の記事でも解説しているので、気になる方は、チェックしてみてください。
また、インクルージョンと同様にカットも重要です。
ルビーの美しさはカットによっても大きく左右されます。光を効率よく取り入れるカットが施されていることで、ルビーはより輝きます。
代表的なカットは以下のとおりです。
カット名 | 特徴 |
オーバルカット | ルビーの定番カット。輝きが強く、石を大きく見せやすい |
クッションカット | 四隅に丸みがあり、柔らかい印象を与えるカット |
ラウンドカット | シンプルで万能な丸型カット。小粒のルビーにも多い |
シンギュラリティカット | モリス独自のオリジナルカット。美しさと歩留まりを両立した希少なカット |
特にモリスが採用する「シンギュラリティカット」は、原石を無駄なく活かし、ルビー本来の輝きを最大限に引き出す特別なカットです。
カットの良し悪しは、ルビーの価値に直結する重要なポイントなので、購入前にカットについて知っておくのも良いかもしれませんね。
カットについては、「宝石のカットの決まり方」の記事でも解説しているので参考にしてみてください。
宝石ルビーの歴史・文化(王侯貴族が愛した理由)
宝石ルビーは、古代から現代に至るまで、世界中で愛され続けてきた特別な宝石です。ルビーは美しさだけでなく、歴史・文化・権力の象徴として、王侯貴族や著名人に選ばれてきた背景があります。
ここでは、ルビーがどのように人々の心を捉え、時代を超えて受け継がれてきたのか、歴史とともにわかりやすく紹介します。
ルビーはいつから宝石とされてきたのか?
ルビーは、紀元前からインドで「宝石の王(Ratnaraj)」と呼ばれ、最も尊い存在として崇められてきました。古代インドでは、ルビーを神々に捧げることで徳を積むことができると信じられ、宗教的にも非常に重要な宝石でした。
その後、ルビーはシルクロードを通じてアジアからヨーロッパに広まり、中世ヨーロッパでは「血と勇気」の象徴として騎士や王侯貴族に人気を博しました。
戦いの勝利を願い、王たちはルビーを鎧や指輪に飾り、戦士たちはお守りとして身につけたと伝えられています。さらに、ルビーは「愛と情熱の象徴」としても愛され、現代では婚約指輪や大切な人へのギフトにも選ばれる宝石です。
このようにルビーは、「守り石」「愛の石」として、古代から現代に至るまで多くの人々に大切に受け継がれてきた歴史を持っています。
宝石ルビーを王侯貴族が愛した理由
では、なぜこれほどまでに王侯貴族たちはルビーに魅了されたのでしょうか。
ルビーが愛された最大の理由は、ルビーが単なる美しい宝石ではなく、「権力・富・勝利」を象徴する存在だったからです。
その背景を詳しく見ていきましょう。
「赤」は権力と永遠の象徴
ルビーの深く鮮やかな赤は、古代から「血」「命」「太陽」「炎」と結びつけられ、「永遠の生命力や王権の象徴」とされてきました。
特に古代ヨーロッパでは、赤は「神聖な色」「支配者の色」とされ、王冠・法衣・王座など、権力者が身にまとう色として特別視されていました。
赤色は単なる美しさではなく、「絶対的な力と永続性」を意味していたのです。さらに、宗教的にも重要な色で、キリスト教では「キリストの血」を象徴し、仏教では「火の浄化」と「悟り」を表す色とされました。
このように、赤は時代や宗教を越えて「神聖な力を宿す色」と考えられており、その赤を宿すルビーはまさに権力者にふさわしい宝石だったのです。
富と権威の証
歴史的に、ルビーはダイヤモンドよりも価値が高かった時代があるほど、極めて希少な宝石でした。
例えば、13世紀〜15世紀のヨーロッパでは、ルビーは「富と地位の究極の象徴」とされ、王族や貴族しか所有できない宝石として取引されていました。
ミャンマー(当時のビルマ)の最高品質ルビーは、黄金と等価、もしくはそれ以上の価値で取引された記録も残っています。
また、ヨーロッパの王冠や権杖にルビーが用いられたのは、まさに「国を治めるにふさわしい人物である」と誇示するためでもありました。
ルビーを持つことは、単に美しいからだけでなく、富、地位、そして社会的な格付けを手に入れることと同義だったのです。
戦のお守りとして愛された
ルビーは「持つ者に勝利をもたらす石」と信じられ、戦士たちが鎧や武具にルビーを埋め込むことは広く行われていました。
中でも有名なのが、ミャンマー(当時のビルマ)の戦士たちの逸話です。彼らは、敵の剣や槍の攻撃を跳ね返すと信じ、ルビーを体に埋め込んで戦に臨んだと伝えられています。
また、ヨーロッパでも戦時にルビーを「血の守護石」として身に着け、傷を負わず勝利できるよう祈りを込めた王侯貴族は多かったと言われています。
戦いの場面において、ルビーは物理的な守りだけでなく、精神的な支えとしても重宝されていたということですね。
このように、ルビーは単なる装飾品ではなく、権力・富・勝利を象徴する「力の石」として、時代を超えて王侯貴族たちに選ばれ続けてきた背景があります。
ここではルビーの歴史について簡単に触れましたが、ルビーの歴史にはまだまだ深い謎があります。詳しく知りたい方は「ルビーの歴史」に関するの記事を参考にしてみてください。
次は、歴史・文化的に有名なルビーを紹介します。
歴史・文化的に有名なルビー
歴史の中で語り継がれるルビーは、「単なる宝石」ではなく、時代を象徴する伝説的な存在として扱われてきました。
王冠や武具に飾られ、数々の歴史の舞台を彩ってきたルビーは、現在も美術館や博物館で大切に保管され、世界中でその価値が認められています。
ここでは、特に有名なルビーの逸話と現在も残る歴史的なルビーを紹介します。
黒太子のルビー(The Black Prince’s Ruby)
世界的に有名なルビーのひとつが、イギリス王室の「黒太子のルビー」です。現在もイギリス王冠(インペリアル・ステート・クラウン)に飾られています。
実はこの宝石、後に「スピネル」という別の鉱物であることが判明しましたが、数百年にわたってルビーと信じられ続け、数々の戦争や戴冠式に立ち会った歴史的な宝石です。
この逸話は、当時いかに「赤い宝石=ルビー」に特別な価値と信仰があったかを物語っています。
世界中の博物館や美術館に残るルビー
ルビーは現在でも、世界各国の美術館・博物館で展示され、文化遺産として保存されています。例えば、メトロポリタン美術館や大英博物館などでは、王族が所有していた歴史的なルビーを間近に見ることができます。
また、ミャンマー産のルビーには、800年以上前に採掘され、王家から王家へと受け継がれてきた逸品も存在しています。ルビーは美しさだけでなく、「歴史そのもの」として、現代にもその価値を残し続けているのです。
800年前の歴史あるルビーについて知りたい方は「800年前の歴史あるルビー」の記事を参考にしてみてください。
宝石ルビーの選び方(失敗しないためのポイント)
ルビーは「一生ものの宝石」として選ばれることも多く、特に慎重に選びたいジュエリーのひとつです。しかし、ルビーの選び方を間違えると「もっとよく見ておけばよかった」と後悔してしまうこともあります。
ここでは、ルビー選びの失敗しないためのポイントをわかりやすく紹介します。
ルビー選びで失敗しないためのポイントは以下の3点です。
①ルビーを選ぶ際の基準を知る
ルビーを選ぼうとしても「結局何を見れば良いのか?」を知らなければ意味がありません。
ルビーを選ぶ際に見るべきポイントは品質です。ルビーは品質によって価値が大きく変わります。
ルビーの品質の中でも、選ぶ際の基準としたいポイントは以下の3つです。
詳しくは店舗のスタッフや詳しい方に聞くのが一番ですが、ルビーを品質で判断するために基本的な知識を身に着けておいて損はありません。
以下の内容でルビーの品質のうち、選ぶ際の基準を3つ簡単に解説していますが、もっと詳しく知りたい方は「ルビーの品質とは?」の記事をチェックしてみてください。
色(Color)
ルビーの品質において重要な要素は「色」です。特に価値が高いのは、深く鮮やかで、純粋な赤色を持つルビーです。中でも、「ピジョンブラッド(鳩の血)」と呼ばれる濃く鮮やかな赤色は、最高品質として世界的に評価されています。
また、ルビーは光源によって見え方が変わる宝石です。昼の自然光では鮮やかな赤色でも、室内の照明では暗く見えることもあります。実際に自分の目で色を確かめることが大切です。
透明度(Clarity)
ルビーは自然の鉱物なので、ほとんどの石に「インクルージョン(内包物)」が含まれています。
インクルージョンは天然石の証でもありますが、多すぎると輝きが損なわれるため、透明感のあるものが理想的ですが、完全に透明なルビーはむしろ人工石の可能性があります。
特に美しいルビーは「シルクインクルージョン」と呼ばれる針状の内包物が適度に含まれており、光を柔らかく拡散し、魅力的な美しさを引き出すこともあります。
カット(Cut)
ルビーは原石の形が不規則なため、カットの技術も非常に重要です。理想的なカットは、石の美しさや輝きを最大限に引き出し、色の深さや透明感を際立たせてくれます。
特にモリスでは、美しさと歩留まり(素材を無駄にしない加工)を両立した「シンギュラリティカット(Singularity Cut)」を採用しています。
シンギュラリティカットカットは、ルビーが持つ個性を活かし、一石一石の魅力を引き出すことを目的に開発された、モリス独自の技法です。
②自分に合ったルビーを選ぶ
ルビー選びでは、品質だけでなく「自分にとってベストな宝石かどうか?」が重要です。
自分に合ったルビーを選ぶ際は、以下の3つのポイントを意識してみると良いでしょう。
また、自分と相性の良いルビーを見つけたいという方は、「相性の良いルビーの見つけ方とは?」の記事も一緒にチェックしてみてください。
予算に合わせて選ぶ
最高品質のルビーは非常に高価ですが、多少色や透明度を妥協することで、手が届きやすいものも選べます。自分がどこまで品質にこだわりたいかを明確にしておくことがポイントです。
では、最高品質と安価なルビーは、いったい何が違うのでしょうか。
それぞれの特徴は以下の表のとおりです。
品質 | 最高品質のルビーの特徴 | 安価なルビーの特徴 |
色 | 濃く深い赤、かつ鮮やかに輝く | ピンク寄りで薄い、または暗く沈んで見える |
透明度 | インクルージョンが少なく、抜け感のある美しさ | インクルージョンが目立つ場合が多い |
処理 | 非加熱で、天然のままの美しさを持つ | 加熱処理、場合によって含浸処理(ガラス入り)もあり |
産地 | ミャンマー産など、歴史的に価値が高いもの | 品質が安定しない他国産や、人工石が混ざるリスクあり |
安価なルビーは、「価格だけで選ぶと偽物を掴むリスクが高い」ことを忘れてはいけません。たとえ予算を抑えたとしても、最低限「本物」であることには絶対にこだわるべきです。
本物の非加熱ルビーを、予算内で探す。これが、「賢いルビーの選び方」とも言えるでしょう。
モリスでは、品質・処理・産地が明確に保証されたルビーのみを取り扱っているので、気になる方は店舗へ足を運んでみることをおすすめします。
用途に合わせて選ぶ
ルビーは「どのシーンで身につけたいのか」によっても、選び方が変わります。
毎日身につけるジュエリーの場合は以下のとおり
- 結婚指輪、日常使いのペンダント、腕時計のアクセント
- 適度なサイズ感で、耐久性が高いものがおすすめ
- 色に深みがあり、多少インクルージョンがあっても日常の動きに耐えられるもの
特別な日・フォーマルなシーンの場合は以下のとおり
- パーティー、ビジネスの重要会議、式典
- 見た瞬間に目を引く、大粒の非加熱ルビーなど、特別感と希少なものがおすすめ
- 鮮やかな赤で、ドレスやスーツに映える一石を選ぶと「場を支配できる」ほどの存在感を放つ
賞品・記念品・贈り物の場合は以下のとおり
- 人生の節目に贈るジュエリー、家族に受け継ぐ一生もの
- 資産性・希少性を重視し、次世代にも価値が伝わるルビーを選ぶ
- 非加熱・ミャンマー産のルビーは、「親から子へ受け継がれるジュエリー」としてもおすすめ
ルビーは「身につけるシーン」を具体的にイメージして選ぶことで、人生の一部として自然に溶け込み、大切な存在になります。
自分に合ったルビーを選ぶ際は、どんな時に、どんな用途で身に着けるのかを意識してみる良いかもしれません。
資産価値を意識する
非加熱・ミャンマー産など、将来的にも高い価値を保ちやすいルビーは「資産」としても注目されています。
モリスでは天然・非加熱の希少なルビーを厳選して取り扱っているため、長期的な資産価値として保持したい方にもおすすめです。
以下の条件に当てはまるルビーは、長期的に見ても価値を維持しやすいと言われています。
- 非加熱(無処理)の天然ルビー
- ミャンマー産(旧ビルマ産)
- 鑑別書で明確に証明されているもの
- 歴史的背景を持つもの
資産性を意識して選ぶ場合、「価格」ではなく「将来的に残る価値」を基準にすることが重要です。
モリスでは、資産価値を意識する方に向けて、非加熱・天然のルビーを厳選し、「長期的に価値が継承されるルビー」を提供しています。
資産価値としてのルビーに興味がある方は、店舗で直接ルビーを見ることをおすすめします。(来店予約はこちら)
「資産価値としてのルビー」についてもっと詳しく知りた方は、以下記事も参考にして見てください。
③店舗で本物のルビーを見る
上記では「ルビーを選ぶときの基準」や「自分に合ったルビーを選ぶ」について解説しました。
ルビーは写真やオンライン上では、その真の魅力を完全に判断できない宝石です。実際に店舗で見て初めてルビーの良し悪しや合うものを選ぶことができます。
本物のルビーを見る際に意識するポイントは以下のとおりです。
- 光源によって色がどう変化するか
- 自分の肌の色や好みに本当に合うか
- 複数のルビーを見比べたときに、どの石に心が惹かれるか
店舗でルビーを手に取って見ることで、色合いや輝き、インクルージョンの雰囲気までリアルに確認できます。
モリスでは、専門知識を持つスタッフがルビーの選び方を丁寧に案内してくれます。ルビーは「縁の石」とも呼ばれています。写真だけで判断せず、ぜひ店舗で本物のルビーとの出会いを楽しんでください。(来店予約はこちら)
宝石ルビーの本物と偽物の見分け方
ルビーは、その美しさと希少性から「宝石の女王」とも呼ばれ、多くの人々を魅了してきました。しかし、ルビーが高価であるがゆえに、世の中には本物に酷似した合成品や模造品も多く出回っています。
見た目が似ていても、価値には天と地ほどの差がある。だからこそ、正しく見極める知識が求められます。
ここでは、「本物のルビー」と「偽物(合成・模造品)」の違いを見分けるための3つの重要ポイントやを紹介します。
ルビーの本物と偽物を見分けるには以下の3つが重要です。
インクルージョン(内包物) | 天然ルビーには、自然が作った内包物が存在する。特に「シルクインクルージョン」は、天然の証 |
鑑別書 | 「非加熱か」「天然か」は、見た目では判別できない。信頼性の高い鑑別書を必ず確認 |
店舗現物を確認 | ルビーは、光源によって色の見え方が変化する宝石。実物を直接見て、手に取り、自分に合うか、輝きはどうかを感じることが重要 |
本物のルビーを選ぶためには、信頼できる店舗で、しっかり説明を受けながら選ぶことが大切です。
以降は、宝石ルビーの本物と偽物の違いや鑑別書について解説するので、気になる方はチェックしてみてください。
また、ルビーの本物と偽物の見分け方については、「宝石ルビーの種類と本物と偽物かどうか見分け方【合成・人工・天然】」の記事も参考にしてみてください。
宝石ルビーの本物と偽物の違いとは?
ルビーには「天然ルビー」「合成ルビー」「偽物・模造品」の3種類が存在します。見た目が似ていても、成分や輝き、内包物の違いによって区別することが可能です。
ここでは、それぞれの違いを紹介します。
本物のルビー(天然ルビー)
本物(天然)のルビーとは、自然界で長い時間をかけて形成された赤色のコランダム(酸化アルミニウム)のことを指します。
天然ルビーには、必ずインクルージョン(内包物)が含まれており、特に「シルクインクルージョン」と呼ばれる細い針状の結晶が天然ルビーの中でも最も良い状態であり、自然が生み出した証でもあります。
合成ルビー
合成ルビーは、化学組成や見た目は天然ルビーに非常によく似ていますが、人工的に作られたものです。見分けが難しいですが、曲線状の成長線(ストライエーション)や、丸い気泡などが確認されることがあります。
また、合成ルビーは人工的に生まれたことから、市場価値は大きく異なり、天然ルビーと比べると安価です。
天然ルビーと合成ルビーは、見た目だけで判断するのは非常に難しく、専門的な鑑別が必要になります。
偽物・模造品(ガラス・他の宝石)
ルビーに似せた色ガラスや赤いスピネルなどは、「偽物・模造品」とされています。成分も硬度も異なるため、宝石としての価値はなく、傷つきやすく劣化もしやすいのが特徴です。
非加熱ルビーと加熱処理ルビーの違い
上記の内容では、ルビーの本物と偽物の違いを「天然ルビー」「合成ルビー」「偽物・模造品」の3種類に分けて簡単に説明しました。
実際のところ、「天然ルビー」と分類されても、処理の有無によって価値が大きく異なります。特に希少性が高く、資産価値としても注目されているのが「非加熱(天然無処理)ルビー」です。
ルビーの処理のよる違いは以下の表のとおりです。
処理の有無 | 概要 |
非加熱(天然無処理)ルビー | 自然に生まれたままの状態で、加熱や人工処理が一切されていない非常に希少なルビー。色や透明度に個性があり、高い資産価値を持つ |
加熱処理ルビー | 色を鮮やかにするために加熱処理が施されたルビー。市場に出回るルビーの多くが加熱処理タイプで、天然だが希少性はやや落ちる |
「非加熱ルビー」と「加熱処理ルビー」は、見た目は似ていますが、価値は大きく異なります。もちろん非加熱ルビーの方が、自然が生み出した希少な存在のため非常に価値が高いです。
鑑別書を確認する際は、処理の有無についての項目は必ずチェックしておきましょう。
補足:宝石ルビーの鑑別書とは?
上記の内容では「宝石ルビーの本物と偽物の違い」や「非加熱ルビーと加熱処理ルビーの違い」について解説しました。
ルビーを見分ける際のポイントは、実物を見るだけではなく、鑑別書の内容も必ず確認すべきです。ルビーが本物かどうか、またどのような処理が施されているのかを客観的に証明するのが「宝石の鑑別書」です。
鑑別書とは、その宝石が「何であるか」を専門機関が科学的に分析し、天然石か合成石か、処理の有無、種類などを証明する公式な書類です。
鑑別書は、「宝石の履歴書」とも言える重要な書類で、特にルビーのような高価な宝石を選ぶ際には、信頼できる鑑別書の有無が購入の判断材料になります。
鑑別書で確認できる主な項目は以下のとおりです。
項目 | 概要 |
宝石名 | 天然/合成の別を明記 |
鉱物名 | ルビーの属する鉱物を記載 |
色 | 肉眼で観察した色調を記載 |
カットのスタイル | カット形状が記載 |
寸法 | 宝石のサイズ(mm単位)を記載 |
重量 | 宝石の重さ(カラット)を正確に記載 |
透明度 | 通常は「透明」「半透明」「不透明」などで分類 |
光沢 | 表面の反射の程度を記載 |
インクルージョンの特徴 | 内包物の種類を記載 |
処理の有無 | 加熱か非加熱などを記載 |
蛍光性 | 紫外線照射下での蛍光反応の有無や強さを記載 |
産地推定 | 産地の可能性が記載されることがある(断定ではない) |
鑑別結果のコメント欄 | 特記事項、観察上の補足など |
※上記の内容は鑑定する機関によって項目や内容は若干異なる場合があります
鑑別書は宝石(ルビー)の価値を判断する非常に有用な資料ですが、以下のような限界もあります。
- 「品質評価(グレード付け)」は基本的に記載されない(=鑑定書ではない)
- 産地の特定は「推定」止まり。あくまでインクルージョンや化学組成の傾向に基づく
- 鑑別機関によって表記方法や信頼性に差がある(例:無名の鑑別書には注意)
また、加熱処理の一部は非常に精巧で、専門の検査機関でも判別が難しいケースもあります。
鑑別書は発行元によって表記方法や信頼性に差があるため、信用できる専門機関(例:GIA、中央宝石研究所など)の鑑別書を確認することが重要です。
信頼できる鑑別機関は以下のとおりです。
機関名 | 特徴 |
GIA(米国宝石学会) | 世界的に最も信頼される鑑別機関 |
中央宝石研究所(CGL) | 日本国内で最も権威ある鑑別機関のひとつ |
GRS、SSEF、Gübelinなど | ヨーロッパを中心に評価される機関。特に産地証明に強い |
モリスでは「鑑別書の有無」だけにとどまらず、現物をしっかり確認し、実際に触れて本物を見極めることを推奨しています。
さらに、モリスの店舗では鑑別書に記載されたポイントについてスタッフが丁寧に解説し、初めての方でも安心してルビーを選ぶことができます。
宝石ルビーには資産価値がある?
ルビーはその鮮烈な赤色と希少性から、長年にわたって人々を魅了してきた宝石です。しかし、近年ではその美しさだけでなく「資産価値」にも注目が集まっています。
とくに、非加熱・高品質・希少産地のルビーは、世界の富裕層や投資家の間で「持つべき資産」として支持されており、数十年スパンで見ても価格が高騰傾向にあります。
では、なぜルビーは投資対象としても魅力があるのでしょうか。ここではその理由と実例、そして資産価値として優れたルビーの選び方について、詳しく解説していきます。
宝石ルビーが資産価値を持つ理由とは?
宝石ルビーが資産価値をもつ理由は「希少性」です。
天然のルビーはそもそも産出量が少なく、中でも色・透明度・大きさなどのすべてが揃った高品質なルビーはごくわずかしか産出されません。特に「非加熱」のピジョンブラッドルビーは極めて希少であり、国際市場でも高値で取引されています。
また、ルビーは他の宝石と違い、鉱山の枯渇や政情不安による供給リスクが高いため、価値が下がりにくく「値崩れしにくい資産」としての側面もあります。
さらに注目すべきは、「ダイヤモンドよりもルビーの方がはるかに希少」であるという点です。ルビーは1カラットあたりの価格で見ると、ダイヤモンド以上の高値がつく場合も珍しくありません。
ルビーは単なる宝石ではなく「動かせる美術品」として、金のように「国際的な価値」のある保管手段としても注目されており、次世代へ受け継ぐケースも少なくありません。
だからこそ、本物の希少なルビーには資産価値があります。
ピジョンブラッドルビーの投資価値とオークション実績
では、実際どんなルビーに投資価値があり、オークションなどに出品されているのでしょうか。
この記事で何度も紹介していますが、投資・資産価値が高いルビーの代表格は「ピジョンブラッドルビー」です。
ピジョンブラッドとは、ハトの血のように鮮やかで深い赤色を持つ最高品質のルビーに与えられる称号で、その希少性は非常に高く、世界的に高く評価されています。
このピジョンブラッドルビーの市場価値の高さはオークション実績からも明らかです。
実際にオークション出品されたルビーは、以下の表のような価格がついています。
オークションに出品された年 | オークションに出品されたルビー | オークション落札価格 |
2015年 | サンライズルビー(Sunrise Ruby) | 約36億円 |
2023年 | エストレラ・デ・フーラ(Estrela de FURA) | 約75億円 |
2015年、スイスのサザビーズで出品された「サンライズルビー(Sunrise Ruby)」は、約30億円で落札され、当時のルビーとして史上最高額を記録しました。
2023年には、それを上回る落札価格を更新したのが、55.22カラットのルビー「エストレラ・デ・フーラ(Estrela de FURA)」です。約75億円で落札され、現在のルビー取引史上最高額となっています。
こうしたオークション実績からも、ピジョンブラッドルビーは「投資対象」として極めて優秀であり、資産として選ばれる理由がよくわかります。
投資価値としてのルビーに興味がある方は、「サンライズルビー(Sunrise Ruby)」について記事を参考にしてみてください。
資産価値として選ばれるルビーの4つの条件
では実際、「どんなルビーを選べば、資産価値があるのか?」という疑問に対しては、以下の4つの条件が大きな目安となります。
条件 | 説明 |
非加熱 | 色や透明度を人工的に改善していない、天然物のルビーは極めて希少性が高く、価格も処理石の数倍〜数十倍になる |
産地 | ミャンマー(特にモゴック鉱山)産は、歴史・美しさ・希少性すべてにおいて別格。モザンビーク産も近年高品質で注目されている |
カラット数 | 1カラット以上で希少性が増し、3カラット以上は極端に市場への流通が少ない。美しさとサイズを兼ねたルビーは特に資産価値が高い |
将来性 | 高品質ルビーは今後さらに産出が減ると予想されており、供給の減少により価格上昇が期待されている |
特に注目したいのは、非加熱かつミャンマー産のピジョンブラッドルビーです。この条件を満たすルビーは非常に希少で、1カラットあたり数百万円以上の価格がつくことも珍しくありません。
ルビーは美しさを楽しむだけでなく、長期的な資産価値を持つ貴重な宝石です。特に非加熱・高品質・ミャンマー産・大粒という条件を満たすルビーは、将来的にも資産価値が落ちにくく、世界中で高く評価されています。
もし資産としてのルビーに興味がある場合は、確かな鑑別書付きの専門店に直接足を運び、自分に合ったルビーを見つけることをおすすめします。
興味がある方は、「ルビーの価値」の記事と「ルビー1カラット値段」の記事をチェックしてみてください。
ルビーの価値について知りたい方はこちら
ルビー1カラット値段について知りたい方はこちら
宝石ルビーの市場価値(価格は何で決まる?)
宝石ルビーは、その情熱的な赤と希少性から、古くから「王の宝石」と称され、王族や富裕層に愛されてきました。現代でもその価値は衰えることなく、非加熱の天然ルビーや希少産地のルビーは非常に高い市場評価を得ています。
しかし、ルビーの価格は一律ではなく、「どのような品質を持つか」によって大きく変動します。
中でも、非加熱・高品質・希少産地・大粒といった条件を満たすルビーは、「価格が落ちにくく、今後も市場価値の上昇が期待される」ため、ジュエリー購入を検討する方や投資目的で検討する方にとって、有力な選択肢となるでしょう。
ここでは、「なぜルビーの市場価値は高いのか?」についてをわかりやすく解説し、現在の相場感や今後の見通しについても触れていきます。
ルビーの値段について知りたい方は、「本物のルビーの値段はいくら?」の記事を参考にしてみてください。
なぜ宝石ルビーの市場価値は高いのか?
ルビーの市場価値が高い最大の理由は、「極めて高い希少性」と「時間を超えて評価される資産性」にあります。
特に市場にわずかしか出回らない非加熱の天然ルビーやミャンマー・モゴック産などの伝統ある鉱山で採掘されたルビーは、美しさに加えて「将来的な価格上昇も見込める投資対象」としての魅力を兼ね備えています。
希少性の高いルビーは、供給源である鉱山の枯渇や産出国の政情不安により、将来的な流通量の減少が懸念されていることもあり、ルビーは「値崩れしにくい資産」として注目されています。
ただし、市場に流通するルビーは非加熱の天然ルビーやミャンマー産のルビーだけとは限りません。
現在流通しているルビーの多くはほとんど加熱処理が施されています。また、需要があるため、加熱処理のルビーや合成ルビーなども市場に出回っている状況です。
本物の天然無処理のルビーは「美しさ」と「希少性」そして「長期的な価値保持」を兼ね備えた宝石であり、市場価値は常に高い水準を維持しています。
一方、加熱処理されたルビーや合成ルビーの価値は比較的低く、また本物の天然無処理のルビーと見分けがつきにくいということもあるので、ルビーを選ぶ際には注意が必要です。
宝石ルビーの価格は何で決まる?
ルビーの価格は、「品質(色・透明度・サイズ・カット)」を中心に、「処理の有無」や「産地」などを総合的に判断して決まります。
ルビーはただ赤ければ高いわけではなく、色・透明度・サイズ・カットといった複数の要素を総合的に評価した「品質」が価格に大きく影響します。
また、品質要素が整った上で、
- 処理の有無(非加熱かどうか)
- 産地(特にミャンマー・モゴック産など)
が加味されます。特に高額なルビーは、非加熱・ミャンマー産・高品質(大きめサイズ)といった要素が揃っているものが多いです。
ルビーは美しさだけでなく、資産価値としても注目される宝石だからこそ、価格を決める要素をしっかり理解しておきましょう。
ルビーの価格を左右する重要なポイント表にわかりやすく整理しました。
価格要素 | 内容 |
色 | 鮮やかで濃く、純度の高い赤(特にピジョンブラッド)は価格が跳ね上がる |
透明度(クラリティ) | 内包物(インクルージョン)が少ないほど高評価 |
サイズ(カラット) | 大玉ほど希少性が高まるため、価格が倍々に増加 |
カット | 美しいプロポーションで光を最大に反射するカットは価値が高くなる |
処理の有無 | 加熱処理が行われていない非加熱ルビーは、極めて希少で、価格も加熱処理品の数倍以上 |
産地 | ミャンマー産(伝統と信頼のある産地)のルビーは、オークションでも高値で取引される |
ルビーの価格は純粋な「品質」+「処理の有無」+「産地」などを踏まえ総合的に評価されるため、品質の場合は色だけを見れば良いわけではなく、カットや透明度も重視する必要があります。
ルビーの価格の決まり方は、上記の要素以外にもいくつかあります。他の要素については「ルビーの価値」の記事でも紹介しているので、参考にしてみてください。
宝石ルビーの相場(今後の価格はどうなるか?)
市場に流通するルビーはさまざまな種類があり、それぞれ価格帯に大きな差があります。
宝石ルビーの相場感は以下のとおりです。
種類 | 相場価格(1カラットあたり) |
合成ルビー(人工石) | 数百円〜数千円 |
加熱処理ルビー | 約10万〜90万円 |
非加熱ルビー(通常品質) | 約60万〜120万円 |
ピジョンブラッドルビー(高品質・非加熱) | 約75万円〜650万円以上(最高1,000万円超) |
※品質・サイズ・流通状況によって価格は変動します
上記の表の宝石ルビーの相場を踏まえて、今後ルビーの価格はどうなるのでしょうか。
今後のルビー市場では、非加熱かつ高品質のルビーの価格は上昇傾向が続くと考えられています。
上昇傾向が続くと考える主な理由は以下のとおりです。
- ミャンマーの政治的要因や輸出規制により、良質なルビーの供給が限られている
- モザンビークなど代替産地でも産出はあるが、品質の面でミャンマー産に届かないケースも多い
- 富裕層や投資家による実物資産への注目度が高まっている
このような背景から、非加熱ルビーはジュエリーとしての魅力だけでなく、希少性のある「守りの資産」としての存在感も増しています。
資産価値としてのルビーに興味がある方は、一度自分目で、手にとって確かめてみることをおすすめします。
ルビーの相場を詳しく知るためには、宝石の品質判定から判断する必要があります。詳しくは「ルビーの相場とは?」の記事で紹介しているので、気になる方はチェックしてみてください。
宝石ルビーは7月の誕生石
ルビーは、燃えるような赤色と力強い輝きを放つ宝石です。その情熱的な魅力から、古代より「勝利」「愛」「守護」を象徴する特別な石として珍しいものとして大切にされてきました。
そんなルビーは、7月の誕生石としても広く知られています。ここでは、「なぜルビーは7月の誕生石なのか?」や歴史的背景、誕生石としての意味や贈り物に込められる想いについて、詳しく紹介します。
なぜ宝石ルビーは7月の誕生石なのか?
ルビーが7月の誕生石として選ばれた理由には、「色」と「意味」が深く関係しています。
ルビーの赤い色は「燃えるような生命力」を表し、古代より「勇気」「情熱」「勝利」の象徴とされ、戦士が身につける護符のように用いられたり、多くの人々に愛されてきました。
そんな背景から、現代の誕生石制度においてもその価値は受け継がれ、1912年にアメリカ宝石商組合(Jewelers of America)が制定した誕生石リストの中で、正式に7月の誕生石として採用されました。
日本でも1958年、全国宝石卸商協同組合がこのリストを参考に制定したことで、ルビーは正式に「7月の誕生石」として広まっています。
7月は夏の訪れでもあり、生命力が高まる季節なので、「熱さ」や「活力」を象徴する宝石ルビーにぴったりです。
誕生石の制度は誰が決めたのか?(誕生石の起源と歴史)
誕生石のルーツは、旧約聖書に登場する「司祭の胸当て」にあります。
古代イスラエルの祭司が身につけた胸当てには、12種類の宝石が装飾されており、それぞれがイスラエルの12部族を象徴していたとされています。この12種の宝石がやがて、1年の12か月と結びつき、「誕生石」という文化が生まれました。
その後、18世紀のポーランドやドイツの宝石商が「月ごとに石を身につける」という習慣を広め、近代に入ってアメリカ宝石商組合が1912年に公式な「誕生石リスト」を制定したことで、現代の誕生石制度が生まれたという流れです。
なお、国や地域によって誕生石の内容は多少異なる場合もあります。例えば、フランスでは3月がルビーの誕生石とされるなど、文化的背景の違いも興味深いポイントです。
宝石ルビーの誕生石としての意味と効果(誕生石として贈ることの価値)
ルビーには、古くからさまざまな「スピリチュアルな意味」や「パワー」が込められてきました。
特に誕生石としては、次のような効果があるとされています。
- 情熱と愛を高める:恋愛運や人間関係を豊かにする
- 勝利と成功を引き寄せる:挑戦する人の背中を押す
- 心身の活力を与える:生命力に働きかけるとされる
- 災いから身を守る守護石:古代では戦士のお守りとしても用いられた
古代では戦士や王侯貴族が勝利のお守りとしてルビーを身に着けていたとも伝えられています。
以上のようなにルビーは単なる装飾品ではなく、「大切な人の幸せと成功を願い、思いを託す宝石」として特別な贈り物に選ばれることが多く、非常に人気です。
特に、7月生まれの方に誕生日プレゼントや結婚記念日としてルビーを選ぶ方が多いです。
7月生まれの方にルビーを贈ることは、以下のようなメッセージ性の強いギフトとなります。
- あなたの情熱を応援したい
- 愛と成功に満ちた人生を送ってほしい
- 人生を彩る本物の輝きを、これからもそばに
ルビーは資産価値が高く、一生もののジュエリーとしても愛され続ける宝石です。
誕生日プレゼントや結婚記念日、成人・還暦など、「節目の贈り物」として、選ばれている理由は、ルビーに「意味」や「思い出」を込めることができ、次の世代へ受け継ぐことができる宝石だからではないでしょうか。
宝石ルビー以外の誕生石
誕生石は月ごとに異なります。簡単に他の月の誕生石も紹介します。
月 | 誕生石(主要なもの) |
1月 | ガーネット |
2月 | アメジスト |
3月 | アクアマリン |
4月 | ダイヤモンド |
5月 | エメラルド |
6月 | パール・ムーンストーン・アレキサンドライト |
7月 | ルビー(主誕生石)、カーネリアン(副誕生石) |
8月 | ペリドット |
9月 | サファイア |
10月 | オパール・トルマリン |
11月 | トパーズ・シトリン |
12月 | ターコイズ・タンザナイト・ラピスラズリ |
7月には「カーネリアン」が副誕生石として扱われる場合もありますが、ルビーが最も一般的です。
ルビーは「情熱・愛・勝利・生命力」を象徴する、力強く美しい宝石です。
誕生石として贈ることで、幸せと成功を願う気持ちを表すことができ、資産価値も高いことから「一生大切にしたい贈り物」として多くの人に選ばれています。
7月生まれの方はもちろん、大切な人へのギフトにもぴったりの宝石です。
三大宝石ルビー・サファイア・エメラルドの違い
宝石の世界で「三大宝石」と称されるのが、ルビー、サファイア、エメラルドの3つです。
いずれも美しさ、希少性、そして歴史的背景を兼ね備えた特別な宝石で、世界中のジュエリーファンから長年にわたり愛されています。三大宝石はそれぞれ異なる魅力を持ち、色や硬度、評価基準も違います。
ここでは、三大宝石の特徴とその違いについて、わかりやすく解説します。
そもそも三大宝石とは?
「三大宝石」とは、世界的に特に人気・価値・歴史が深い3つの宝石、「ルビー」「サファイア」「エメラルド」のことです。
この3つの宝石は、いずれも美しさと希少性を兼ね備え、古くから王侯貴族に愛されてきました。現代においても資産価値の高い宝石として高く評価されています。
宝石名 | 鉱物名 | 色 | モース硬度 | 産地 |
ルビー | コランダム | 赤 | 9 | ミャンマー |
サファイア | コランダム | 青(他多数) | 9 | スリランカ |
エメラルド | ベリル | 緑 | 7.5~8 | コロンビア |
上記の評価からも分かるとおり、ルビーとサファイアは同じ「コランダム」という鉱物に属しており、色によって名称が分かれます。一方、エメラルドは「ベリル」から成る宝石で、ルビーやサファイアとは別の鉱物です。
以降では、宝石ルビーとサファイア・エメラルドのそれぞれの違いを解説します。
宝石ルビーとサファイアの違い
ルビーとサファイアは、何度か紹介していますが、実は同じ「コランダム」という鉱物から生まれます。
では、なぜ名前が違うのでしょうか。その違いは主に「色」です。
ルビーは、クロムの影響によって赤色を帯びたものだけがルビーと呼ばれます。一方サファイアは、青を中心にピンク、イエロー、グリーンなど多彩な色が存在します(これらは「ファンシーサファイア」とも呼ばれます)。
また、価値の評価基準にも違いがあります。
ルビーは「非加熱」かつ「ピジョンブラッド」と呼ばれる鮮やかな赤色が特に高評価ですが、サファイアでは、「非加熱」や希少なオレンジピンクの「パパラチャ」カラーが特に人気です。
三大宝石のサファイアに興味がある方は、以下の表を参考にしてみてください。
品質 | 非加熱・鮮やかな青色が高評価。色ムラや曇りが少ないものが良い |
誕生石 | 9月 |
意味 | 誠実・平和・高貴 |
耐久性 | モース硬度9(耐久性は高く、扱いやすい) |
資産価値 | パパラチャサファイアは希少(資産価値も高め) |
ルビーとサファイアの違いについては、「宝石赤いルビーと青いサファイアの違い?」の記事でも解説しているので、気になる方は、チェックしてみてください。
宝石ルビーとエメラルドの違い
ルビーとエメラルドは、鉱物の種類がそもそも異なるため、性質や見た目の特徴も大きく違います。
ルビーは「コランダム」由来で非常に硬く、モース硬度9と耐久性に優れています。一方、エメラルドは「ベリル」由来で、硬度は7.5〜8とやや低く、内包物が多くて割れやすいため取り扱いには注意が必要です。
また、価値の評価基準も異なります。
ルビーは「色の鮮やかさ」「透明度」「非加熱」が重視されますが、エメラルドは「鮮やかな緑色」が重視される一方で、内包物(ジャルダン)があるのが一般的で、それも個性とされることがあります。
ちなみに、エメラルドの内包物は、植物のように見えることから「ジャルダン(jardin)」と呼ばれることもあります。これはフランス語で「庭」を意味し、エメラルド特有の特徴として評価の対象になります。
ルビーやサファイアの内包物は「インクルージョン」と総称されますが、それぞれの宝石によって見た目や評価基準は異なります。
三大宝石のエメラルドに興味がある方は、以下の表を参考にしてみてください。
品質 | 鮮やかな緑色が高評価だが、ジャルダン(内包物)は許容される |
誕生石 | 5月 |
意味 | 幸福・再生・希望 |
耐久性 | やや低い(丁寧に扱う必要あり) |
資産価値 | 高品質エメラルドは非常に希少・資産価値も高い |
エメラルドについて知りたい方は、「5月の誕生石に隠された意味」の記事を参考にしてみてください。
宝石ルビーの取り扱い方法(保管・手入れについて解説)
宝石ルビーは硬く耐久性の高い宝石ですが、日常生活での扱い方や保管方法、お手入れの仕方を間違えると、輝きを損ねたり、傷つけてしまう可能性があります。
大切なルビーを長く美しく保つために、正しい取り扱い方法を知っておきましょう。日常のちょっとした工夫で、ルビーの輝きは格段に長持ちします。
ここでは、宝石ルビーの使用時に気をつけることや正しく保管・お手入れする方法、もしもの時の修理について簡単に紹介します。
詳しい方法や事例は各リンク先の記事で深掘りしていますので、気になる方はぜひそちらもチェックしてみてください。
宝石ルビーの取り扱い(使用時に気をつけること)
ルビーはモース硬度9と高い耐久性のある宝石ですが、「割れにくい=壊れない」というわけではありません。日常生活の中で、以下の点に注意することが大切です。
ルビーは硬度9と非常に丈夫な宝石ですが、使い方を誤ると破損や劣化につながることがあります。
日常の中で知らないうちにルビーを傷つけてしまうケースも少なくありません。ここでは、よくあるリスクとその対策を紹介します。
①激しい動作の際は外す
ジュエリーを身につけたまま運動や家事をすることは、ルビーにとって予想以上の負荷をかける行為です。
実際に起こり得るリスクは以下の2つです。
- 衝撃による欠け・割れ
- 枠(台座)のゆるみ
ルビーは硬度こそ高いものの「靭性(割れにくさ)」はそこまで強くありません。硬い床に落としたり、家具の角にぶつけたりすると、縁が欠けたりヒビが入る可能性があります。
また、洗濯や掃除などの家事を繰り返すことで、金属部分が変形し、ルビーを留めている爪が知らぬ間にゆるむこともあります。このときルビーが落ちて紛失してしまうリスクもあるため注意しましょう。
以上のようなリスクを避けるために、家事・運動・入浴など、手を激しく動かす場面では基本的にルビーは身に着けず、外しておきましょう。
出先で取り外すのが難しい場合は、リングよりもネックレスやピアスなど、比較的動きに影響されにくいジュエリーを選ぶのも一つの方法です。
②化粧品・香水と触れさせない
化粧品や香水は、ルビーそのものや金属枠に悪影響を与えることがあります。
実際に起こる悪影響は以下のとおりです。
- 表面に皮膜ができて輝きが鈍くなる
- 金属部分の変色や腐食
ファンデーションやヘアスプレーの油分・シリコン成分は、ルビー表面に皮膜をつくってしまいます。これにより光の反射が妨げられ、透明感や輝きが大きく損なわれる可能性があります。
また、香水や化粧品に含まれるアルコールや酸性成分は、地金(ゴールドやプラチナ)を化学的に変質させ、黒ずみや変色を引き起こす可能性があります。
以上のような悪影響を避けるために、ジュエリーはメイクやヘアセットの後に装着しましょう。加えて、使用後は柔らかい布で軽く拭き取り、化粧品成分を残さないようにすることで、宝石へのダメージを最小限にできます。
③超音波洗浄機の使用は注意が必要
一見便利な家庭用の超音波洗浄機ですが、ルビーの洗浄目的で使用する場合、破損リスクがあります。
では、なぜ超音波洗浄機を使用すると破損リスクがあるのでしょうか。
市場に流通する多くのルビーには、「加熱処理や含浸処理(ひび割れを樹脂やガラスで埋める加工)」が施されています。これらの処理石は、超音波の振動で加工部分にストレスがかかり、ひびが拡大したり、ガラス層が剥離したりする危険性があります。
よって、ルビーを洗浄する際は、安全のため、超音波洗浄機を使用するのは避けた方が良いでしょう。
実際ルビーをお手入れする際は、「中性洗剤」+「ぬるま湯」+「柔らかいブラシ」で十分落とせます。超音波洗浄機をどうしても使いたい場合は、販売店や専門店に「この宝石は超音波洗浄可能か?」を事前に確認すると安心です。
宝石ルビーの保管方法
宝石ルビーは不適切な保管環境や、ほかのジュエリーとの接触によって、細かい傷や変色が起きる可能性があります。
大切なルビーを長く美しく保つために、以下のポイントを意識した保管を心がけましょう。
ルビーの保管については「ルビーのお手入れ方法」の記事で紹介しているので、気になる方はこちらもチェックしてみてください。
①他のジュエリーとは分けて保管する
ルビーはモース硬度9と非常に硬い宝石ですが、他の宝石や金属パーツと接触すると、お互いを傷つけ合うリスクがあります。
ルビーが他の宝石(例:パールやオパール)に傷を付けることもあれば、ダイヤモンド(モース硬度10)のようなさらに硬い宝石と接触すると、ルビーが傷つく可能性もあります。
また、ネックレスや指輪などの金属部分との摩擦でも、地金や宝石の縁に小さなキズや欠けが生じることがあります。
よって、ルビーを保管する際は、以下の点に注意しましょう。
- 柔らかい布袋やジュエリー用の個別ポーチに1点ずつ入れる
- 仕切りのある専用ジュエリーボックスに個別収納する
- 特に持ち運び時は、複数のジュエリーを一緒に入れないようにする
以上の点に注意すれば、他の宝石やルビーを傷つけることはなくなるはずなので、複数の宝石を所持している方は、意識的に保管してみてください。
②直射日光・高温多湿を避ける
ルビーそのものは熱に比較的強いですが、光や熱・湿気の影響は周辺の素材(加工部分)や色調に悪影響を与えることがあります。
実際に起こり得る悪影響は以下のとおりです。
- 長時間の紫外線照射で、一部の処理石が退色するリスク
- 湿度が高い環境で金属枠や接着剤にサビや腐食、変色が起こる可能性
- 温度差による結露によって、錆・劣化の原因になる
特にジュエリーボックスの中に湿気がこもると、長期的に見て素材全体が弱っていくことがあります。
では、悪影響に対して、どのように点に注意して保管するば良いのでしょか。
保管場所に関しては以下のポイントを参考にしてみてください。
- 直射日光の当たる窓際や照明の真下を避け、風通しのよい暗所で保管
- 湿度が高い場所には置かない(浴室・キッチン付近・押入れは避ける)
- 長期保管の場合は、防湿剤やシリカゲルを一緒に入れるのも効果的
ルビーは悪影響が起こり得る場所を避け、最適な環境で保管することで、良い状態を保つことができます。ルビーを購入した際は、美しさを保つためにも保管場所を意識してみてください。
③定期的にチェックする
ルビーや他の宝石を長期間しまいっぱなしにしていると、以下のような目に見えない変化が起きていることがあります。
- 爪がゆるんでルビーが落ちやすくなっている
- 枠の歪みや変色
- 表面に曇りや皮脂汚れが付着している
- 地金部分の摩耗や曲がり
ルビーや他の宝石自体に変化はないものの、数年に一度しか使わないジュエリーほど、いざというときに破損や欠損が起きがちです。
ルビーや他の宝石を所持している方は、定期的にチェックすることをおすすめします。
定期チェックするタイミングは以下のとおりです。
- 季節の変わり目(温湿度が大きく変わる時期)
- 結婚記念日や誕生日などの使用前
- 半年〜1年に1回は、専門店での定期点検を検討するのが理想
ルビーや他の宝石は、使うたびに軽く拭いたり、状態を確認する習慣をつけておけば、日々のダメージを早期に察知できます。
一度購入したルビーや宝石は、一生付き添う大切な存在なので、定期的に状態をチェックしておくことをおすすめします。
宝石ルビーのお手入れ方法
宝石ルビーは、日々のちょっとしたケアで輝きを保つことができます。
ここでは、特別な道具がなくても、家庭にあるもので簡単にできるお手入れ方法を紹介します。
宝石ルビーのお手入れ方法に関してはこちらの記事もチェックしてみてください。
①使用後は柔らかい布で拭き取る
ルビーや宝石の使用後に汗や皮脂、化粧品の成分をそのままにすると、輝きが曇る原因になります。使用後は毎回、柔らかい布で優しく乾拭きしましょう。
ルビーや宝石を拭き取る際のおすすめは、以下のような柔らかく繊維の細かい布です。
- メガネ拭き用のマイクロファイバークロス
- ジュエリー専用のポリッシングクロス
- 綿100%の柔らかいガーゼや布巾
逆に、ルビーを拭き取る際に避けたいのは以下のような布です。
- 化学繊維のザラついた布(表面に細かなキズがつく可能性あり)
- キッチンペーパーやティッシュ(繊維が粗く、傷の原因になる)
ちなみに、乾拭きしたあとは、すぐに「個別の布袋やジュエリーボックスの中」や「直射日光や湿気を避けた風通しの良い場所」へ収納しましょう。そのまま机や棚に置いておくと、ホコリや皮脂が再付着し、輝きが曇る原因になります。
②ぬるま湯+中性洗剤で優しく洗う
家庭でルビーや宝石を洗浄する際は、中性洗剤をぬるま湯に薄め、やわらかいブラシや指で優しく洗います。
ルビーや宝石は、数ヶ月に1回、定期的に洗うのも良いですが、特に「使用後に皮脂や化粧品がついたとき」や「ルビーの輝きが曇ってきたと感じたとき」に洗うのが良いタイミングです。
次は実際に洗う際の手順を紹介します。
- ぬるま湯(30〜40℃程度)を小さなボウルに入れる(※熱すぎるお湯はNG)
- 中性洗剤(台所用食器洗い洗剤など)を1〜2滴入れてよく混ぜる
- 宝石ルビーを入れ、3〜5分ほどつけ置きする
- 柔らかい歯ブラシや綿棒で、やさしく汚れを落とす(※地金の裏側や爪の隙間なども丁寧に洗浄)
- 水道水ですすぎ、清潔な柔らかい布で水分を拭き取る
ルビーや宝石を洗浄する際は、強くこすったり、長時間のつけ置きは避けましょう。また、洗面台で洗う際は「排水口にフタをする」など、紛失防止も忘れずに行いましょう。
③超音波洗浄機は使用前に確認する
ルビーは比較的硬くて安定した宝石ですが、すべてのルビーが超音波洗浄機に適しているわけではありません。
特に注意が必要なのは以下のような処理を施されたルビーです。
- 加熱処理+含浸処理(ガラス充填)
- オイル含浸処理(エメラルドにも多い処理)
これらの処理石は、超音波の振動でヒビが広がったり、充填物(じゅうてんぶつ)が抜けるリスクがあります。
基本的には、家庭で超音波洗浄機を使用するのは控えたほうが良いでしょう。家庭では「ぬるま湯+中性洗剤」の洗浄方法をベースにするのが最も安全です。
充填物(じゅうてんぶつ)とは、宝石のひびや空洞を目立たなくしたり、強度を高めたりするために、ガラスや樹脂などを人工的に内部に埋め込む処理で使われる物質のことです。
宝石ルビーの修理・メンテナンスは専門店へ
どれだけ丁寧に扱っていても、宝石ルビーには日常の中で徐々に負荷がかかります。爪のゆるみや石のくすみ、小さな傷など、見た目ではわからない劣化が進んでいる場合もあります。
そんなときこそ、ルビーの専門知識と技術を持ったプロの手による修理・メンテナンスが必要です。
破損やトラブルがあったら必ず専門店へ相談する
「ちょっとだけ欠けただけだから」と自己判断で放置すると、ダメージが悪化し取り返しのつかない状態になることもあります。
例えば、ジュエリーの爪を無理に押さえると、宝石に強い圧力がかかって欠けや破損の原因になったり、研磨剤やクリーナーの種類を間違えると、艶や透明度が損なわれる恐れがあります。
破損や緩みに気づいたら、すぐにルビーの専門店に相談するのが安心です。特に「非加熱ルビー」や「高価なルビー」の場合は、専門的な知識が不可欠となります。
定期的なメンテナンスを行う
大きなトラブルを未然に防ぐためには、年に1~2回程度の定期メンテナンスを受けるのが理想的です。
定期メンテナンスでチェックされる主な項目は以下のとおりです。
- 石を留めている爪のゆるみや変形
- 地金(リング・ネックレス等)の変色や摩耗
- 宝石表面のくすみや微細な傷
- 指輪サイズの変化やフィット感
以上のようなチェックを行うことで、突然の宝石の脱落や破損を防ぐことができます。
また、定期メンテナンスできる店舗は限られてくるので、ルビーを購入した際はメンテナンスの有無やアフターサービスについて聞いておいたほうが良いかもしれませんね。
ちなみに、モリスでは定期メンテナンスを受け付けています。ルビーの特性に熟知した職人が、ひとつひとつ丁寧にメンテナンスを行っています。
お客様の大切なルビーを、長く、美しく、安心して使い続けられるようにサポートいたしますので、気になる方はお気軽に相談してください。
ルビー専門店の購入後のサポートを確認する
モリスでは、単なる販売で終わらず、一生に寄り添うルビーのパートナーとして、以下のようなアフターサポートを提供しています。
モリスの安心サポート | 内容 |
修理対応 | 爪の修正、サイズ直し、石の留め直しなど幅広く対応 |
クリーニング | 超音波などの機械ではなく、宝石の状態に合わせた手作業対応 |
鑑定サービス | 宝石の状態確認、劣化や破損の兆候を事前に発見 |
購入・修理記録の管理 | 購入時の情報や修理履歴を記録し、適切なメンテナンスを提案 |
モリスでは、ルビーの購入後も、専門知識と職人技術を持ったスタッフがいつでも相談に応じる体制が整っています。
ルビーは「買って終わり」の宝石ではなく、「長く付き合っていくもの」だからこそ、アフターサポートが充実している専門店で購入することが、宝石を本当に大切にする第一歩です。(詳細はこちら)
宝石ルビー専門店モリスとは?
モリスは、世界でも珍しい「非加熱・ミャンマー産の天然ルビー」専門店です。
ダイヤモンドやサファイアなど複数の宝石を扱う一般的な宝石店とは異なり、モリスは日本国内でも数少ないルビーの専門店として信頼と実績を誇る存在となっています。
モリスの最大の魅力は、「本物のルビーの美しさと価値を届けたい」という真摯な想いから、現地を訪れ、厳選し、希少性の高いルビーを取り揃えているところです。
ここでは、そんなモリスについて紹介します。
モリスのルビーの特徴(天然・非加熱・ミャンマー産)
モリスは、以下の条件を満たすルビーを取り扱っています。
- 天然のルビー
- 非加熱のルビー
- ミャンマー・モゴック産のルビー
現在の宝石市場では、見た目を美しくするために「人工的に処理されたルビー」も多く流通していますが、モリスでは、「自然のままの美しさを持つ天然石のみ」を扱っており、本質的なルビーの輝きと個性を大切にしています。
また、モリスが扱う非加熱ルビーは、自然そのままの色と輝きを持つ極めて希少な宝石です。流通量は全体のわずか1%未満とされ、その価値は年々高まっています。
その上、モリスは世界的にも有名な「ミャンマー・モゴック産のルビー」を中心に取り扱っています。
この地域は、「ピジョンブラッド」と称される鮮やかな赤色のルビーの産地として世界的に高く評価されており、産地証明がついた信頼性の高いルビーのみを厳選しています。
モリスが選ばれる理由
モリスでは、ルビーを「ただの宝石」ではなく「人生の節目に寄り添う特別な宝石」として考えています。
そのため、選ばれる理由にも深いこだわりが込められています。
モリスが選ばれる理由は以下の3つです。
- ルビー専門店としての豊富な知識と経験
- 安心の鑑別書・証明書付き
- 一生に一度のルビー選びを丁寧にサポート
モリスには、宝石学の専門資格を有するスタッフや現地買い付け経験のあるルビーのスペシャリストが在籍しています。豊富な知識と経験に基づいたサポートで、一人ひとりに最適なルビーを選びをお手伝いします。
また、モリスで取り扱うルビーには、「オリジナルの品質証明書」が付属しており、ルビーの「産地」「非加熱」「品質グレード」が明記されています。加えて、必要に応じて「第三者機関による鑑別書」も取得可能なので、安心してルビーを選ぶことができます。
モリスでは購入後の修理・メンテナンス・クリーニングなどのアフターサポートも万全です。「一生に一度のルビー選び」を、生涯にわたってサポートしてくれるのも大きな安心材料だと思います。
モリスの店舗で体験できること
モリスの店舗では、写真ではわからない本物のルビーの美しさを直接見て、体験することができます。
店舗で得られる具体的な体験は以下の通りです。
- 非加熱ルビーを実際に手に取って見れる
- ルビーに詳しいスタッフに直接相談できる
- 希少な非公開ルビーを見学できる
モリスでは、他の宝石店ではなかなか見られない「非加熱ルビー」を取り揃えており、その場で色味や輝きを確かめながら選ぶことができます。
また、スタッフ全員がルビーに精通しており、「記念日」「婚約指輪」「投資目的」など、目的や希望に合わせた最適なルビーを提案してくれます。
店舗で得られる体験の中でも、特に「希少な非公開ルビー」を見れる機会があります。事前に相談・予約すれば、特別に見学することも可能です。(※詳細はこちらからお問い合わせください)
モリスは、ルビーに特化した唯一無二の宝石店として、「非加熱」「天然」「ミャンマー産」という3つのこだわりを貫いています。
ジュエリーとしての美しさだけでなく、希少性・資産性・人生の記念となる宝石として、真に価値あるルビーと出会える場所を提供しています。
「生涯のパートナー」となるような特別なルビーを探している方は、ぜひ一度モリスを訪れてみてはいかがでしょうか。
体験について気になる方は店舗情報をご覧ください。
宝石ルビーに関するよくある質問
宝石ルビーは、美しさと希少性を兼ね備えた特別な宝石です。しかし、その魅力に興味を持ったとき、多くの人が「実際どう使うの?」「似た宝石は?」といった疑問を抱きます。
ここでは、ルビーに関するよくある質問を厳選して解説します。簡潔にまとめつつ、詳しく知りたい場合は別記事でさらに深掘りできる構成にしています。
- 宝石ルビーの指輪にはどんな特徴がある?
- 宝石ルビーは婚約指輪や結婚指輪にも使える?
- ルビーに似た宝石は何がある?
- スタールビーとは?
- 宝石ルビーは結晶なのか?
- 人工宝石ルビーとは?
- 宝石ルビーの硬度と靭性の違いとは?
- 長期間ジュエリーボックスに宝石(ルビー)を保存するのは良くない?
質問①:宝石ルビーの指輪にはどんな特徴がある?
ルビーの指輪は、高い耐久性と深い赤色の存在感が魅力です。
宝石ルビーの耐久性が高く(モース硬度9)、日常使いに適した宝石で、鮮やかな赤色がアクセントとなる高級感あるため指輪に最適です。
宝石ルビーの指輪が選ばれる理由は以下のとおりです。
- ルビーはモース硬度9と非常に硬く、日常使いにも最適
- 鮮やかな赤色が指元を引き立て、特別感を演出
- 「情熱」「愛」「勇気」の象徴とされ、プレゼントや記念日の贈り物にも人気
ルビーは「一生ものの指輪」としてふさわしい耐久性と、感情を表現する色彩を持っています。
ルビーの指輪に興味がある方は、「宝石ルビーの指輪の意味や効果」の記事をチェックしてみてください。
質問②:宝石ルビーは婚約指輪や結婚指輪にも使える?
ルビーは、婚約指輪・結婚指輪にも非常に適した宝石です。
- ダイヤモンドに次ぐ硬度で、長く愛用できる耐久性がある
- 「永遠の愛」「情熱」の象徴として特別な意味を込められる
- 海外ではルビーの婚約指輪は非常に人気で、近年日本でも注目されている
他の人と被らない、個性的なブライダルジュエリーを探している方にぴったりです。
ルビーの婚約・結婚指輪について気になる方は「ルビーの結婚指輪」に関する記事を参考にしてみてください。
質問③:ルビーに似た宝石は何がある?
ルビーに似た宝石はいくつかありますが、それぞれ特徴や価値が異なります。
宝石名 | 特徴 | 硬度 |
ガーネット | 赤色が多く価格が比較的安い | 6.5〜7.5 |
スピネル | ルビーに近い赤色で美しい輝き | 8 |
トルマリン(ルベライト) | ピンク〜赤色、比較的柔らかい | 7〜7.5 |
合成ルビー | 化学的に天然ルビーと同じだが人工 | 9 |
特にガーネットとスピネルは、素人目にはルビーと間違えやすいため、専門店での鑑別が重要です。
ルビーに似た宝石についてもっと知りたい方は「宝石の種類と色」や「ルビーとガーネットの違いは?」の記事を参考にしてみてください。
質問④:スタールビーとは?
スタールビーは、表面に星型の光が浮かび上がる希少なルビーです。
針状のインクルージョン(ルチル)が特定の方向に並ぶことで「アステリズム(星状効果)」が生まれます。光を当てると6条または12条の星が現れ、角度を変えると動くように見えるのが特徴です。
スタールビーは希少価値が高く、コレクターからも人気のある宝石です。
スタールビーについてもっと詳しく知りたい方は、「スタールビーとは?」の記事をチェックしてみてください。
質問⑤:宝石ルビーは結晶なのか?
ルビーは、酸化アルミニウム(コランダム)の結晶で、クロムが含まれることで赤く発色します。モース硬度は9と非常に硬く、耐久性に優れています。
透明な結晶もあれば、内包物(インクルージョン)があるものもあります。ルビーの結晶構造こそが、ルビーの美しさと耐久性の強さの源なのです。
宝石ルビーの結晶について「ルビーは酸化アルミニウムの結晶?」や「結晶やインクルージョンについて」の記事を参考にしてみてください。
質問⑥:人工宝石ルビーとは?
人工宝石ルビーは、天然ルビーと同じ成分を持つものの、実験室で作られた宝石です。化学式は天然ルビーと同一(Al₂O₃:酸化アルミニウム + クロム)。
価格は天然に比べて圧倒的に安く、数百円〜数千円で購入可能です。外観は似ていますが、専門家が見れば区別できます。
安価で手軽に楽しめる一方、本物の希少性や資産価値は持ちません。
人工宝石ルビーについては、「宝石ルビーの種類と本物と偽物かどうか見分け方【合成・人工・天然】」の記事でも解説しているので、参考にしてみてください。
質問⑦:宝石ルビーの硬度と靭性の違いとは?
宝石ルビーの硬度と靭性の違いは以下の表のとおりです。
性質 | 内容 |
硬度(Hardness) | 表面がどれだけ傷つきにくいか(ひっかき傷への耐性) 基本的にモース硬度で表される(ルビーのモース硬度9) |
靭性(Toughness) | 割れや欠けにどれだけ耐えられるか(衝撃への強さ) 衝撃に対して壊れにくいかどうかで判断される |
ルビーは「傷つきにくい=普段使いに強い」宝石ですが、「落下や衝撃には注意」が必要です。
例えば、硬いガラスをイメージしてみると分かりやすと思います。
ガラスは簡単には傷つきませんが、落とすと割れてしまいます。ルビーも同様に、表面は強いけど、衝撃には注意が必要な宝石なのです。
宝石の硬度については、よく耳にする方も多いと思いますが、衝撃への強さを「靭性(じんせい)」と表現するのはあまり聞き慣れていないのではないでしょうか。
ルビーは傷つきにくい宝石ですが、高い場所からの落下や強い衝撃で、破損してしまう可能性が少なからずあります。ルビーを扱う際は、特に落下や衝撃に注意してください。
ルビーの硬度は「ルビーの硬度とは?【モース硬度と硬さと割れにくさ】」の記事でも解説しています。
質問⑧:長期間ジュエリーボックスに宝石(ルビー)を保存するのは良くない?
ルビーをジュエリーボックスに保存する場合、宝石自体(天然の非処理ルビーなど)は特に問題ありませんが、「ルビーを使ったジュエリー全体」では湿気による劣化リスクを高める可能性があります。
ルビーは「コランダム(酸化アルミニウム)」という極めて化学的に安定した鉱物で、湿気や酸素によって変質・腐食することは基本的にないため、湿気によって「色が変わる」「ひび割れる」「柔らかくなる」という心配は必要ありません。
しかし、ジュエリー全体は、湿気によって以下のような周辺素材の劣化が進む可能性があります。
劣化対象 | 影響・リスク内容 |
地金(K18、Ptなど) | 酸化・くすみ・サビ(特にシルバー製) |
ジュエリーボックス内部 | 湿気がこもるとカビや雑菌が発生する可能性(布製内装など) |
枠(特に古い加工) | 長期的な金属疲労により、石落ち・歪みが発生しやすくなる |
よってジュエリーを保管する際は、以下の3点を参考にすることをおすすめします。
- 完全密閉より通気性のあるジュエリーボックスを選ぶ(または時々開けて換気する)
- 乾燥剤(シリカゲル)を入れることで湿気対策をする
- 長期保管でも定期的に取り出して状態をチェックする
ルビーは湿気に強く、宝石自体が劣化することはほとんどありません。ただし、ジュエリーとしてのルビーは、長期間密閉された湿度の高い場所で保管されると、金属部分や接着部分が徐々に劣化してしまう可能性があります。
そのため、ルビーを長く美しく保つには、通気性の良い場所で乾燥剤と一緒に保管し、時々取り出して状態を確認することが大切です。